中国でも圧倒的に土葬が主流だ。1950年代に毛沢東が、封建的な風習を打破するためもあって火葬を提唱し、それ以降、少しは火葬も行われるようになったようだが、やはり土葬が多い。中国では3つの宗教が入り混じる。道教、儒教、仏教だ。インド流の火葬をする仏教もあるのだが、中国の伝統的土着宗教は道教(各自が仙人になることを目指す宗教。)そして、儒教も道教と影響し合いながら根付いていった。この道教と儒教の両方で土葬をする。だから中国では土葬が主流ということになる。しかも、それは数千年の歴史を持つ。
道教でも儒教でも、人の魂は死んだら二つに分かれて、片方は墓を拠点にして地上に留まり、もう片方は天に登ったり地に下ったりして「あの世に行く」。(前に述べた古代エジプトと考えが共通している点が興味深い。)だから中国でも墓に死体を保存して、魂の半分の拠点を残すのである。
但し、中国では、墓は単に死体の保存場所だけの意味ではない。道教も儒教も先祖を尊ぶ。先祖の霊を祀ることで、子孫に安寧がもたらされると信じる。そこで、祖先の霊を祀るためには、お参りするためのお墓が必要ということになる。これがお墓のもう一つの役割なのだ。死体を保存し、霊魂の地上での居場所を確保するだけではなく、その場所に子孫がお参りし拝むことで祖先の霊からの加護を得る。中国では、特に4月初めの清明節の時に一族が大々的に墓参りをする。供える食べ物を持っていき、日本と同様に線香を焚き、そして日本と違うのだが、最後には爆竹まで鳴らす。こうやって祖先の霊に礼を尽くすのだ。この文化が日本にも伝わり、埋葬と墓参りという習慣になっている。欧米では埋葬し死体の安置場所は確保しても、そこにお参りしたりはしない。墓参りは、中国を源流とする文化なのだ。
次はいよいよ日本だ。 Nat
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道教でも儒教でも、人の魂は死んだら二つに分かれて、片方は墓を拠点にして地上に留まり、もう片方は天に登ったり地に下ったりして「あの世に行く」。(前に述べた古代エジプトと考えが共通している点が興味深い。)だから中国でも墓に死体を保存して、魂の半分の拠点を残すのである。
但し、中国では、墓は単に死体の保存場所だけの意味ではない。道教も儒教も先祖を尊ぶ。先祖の霊を祀ることで、子孫に安寧がもたらされると信じる。そこで、祖先の霊を祀るためには、お参りするためのお墓が必要ということになる。これがお墓のもう一つの役割なのだ。死体を保存し、霊魂の地上での居場所を確保するだけではなく、その場所に子孫がお参りし拝むことで祖先の霊からの加護を得る。中国では、特に4月初めの清明節の時に一族が大々的に墓参りをする。供える食べ物を持っていき、日本と同様に線香を焚き、そして日本と違うのだが、最後には爆竹まで鳴らす。こうやって祖先の霊に礼を尽くすのだ。この文化が日本にも伝わり、埋葬と墓参りという習慣になっている。欧米では埋葬し死体の安置場所は確保しても、そこにお参りしたりはしない。墓参りは、中国を源流とする文化なのだ。
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