♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2016年05月

消費増税は永遠に延期だろう・・ なら替わりに・・・

 安倍首相が、消費増税を再延期。このままでは恐らく永遠に増税出来ないだろう。

 安倍首相は、「今は景気が弱い。増税すると景気は更に大きく後退、政治的にボロクソに言われる。その割には、税収は却って減るくらいになる」ということで、問題を先送りにした。しかし、2年半後になっても、景気(特に消費)はこのまま弱いだろう。今や景気は循環しない。日本そのものが構造的にずっと弱いのだ。景気の強い時を待つなら永遠に無理だろう。

 消費税増税による税収の確保の最大の欠点は、増税時に、ただでさえ病気の日本経済、特に消費を殺してしまうことだ。日本の巨大な財政赤字問題の解決は、もう別の方法でやるのがいい。前から言っている通りだが:

・歳入の確保は、むしろ固定資産税(地方税だが)の諸矛盾点を改善し、自民党票田の反対を押し切って、特に農地・遊休土地にちゃんと課税することでやる。(固定資産税は年間で8兆円。今回の消費増税で期待した税収増は軽減制度相殺した後だと4兆円だった。遊休農地課税で十分代替できる。)

・歳出の改革では、巨額の地方交付税が必要になっている根源的理由である地方の異様に高給の公務員収入の適正化、そして医療費を筆頭とする社会保障費の構造的改革等の、自民党票田が大反対することを果敢にやることだ。

・そして最も根本は成長戦略。何度も書いてきた通り、日本の強い製造業の競争力強化・進化(IoT等)促進の為の規制緩和、雇用制度改革、法人税引き下げ、電力コスト引き下げ等も本気でやること。

・最後に若い世代の消費を底上げする為の、法定最低賃金の大幅アップ、自民党のお家芸の無駄な公共事業はやめてフランスのように若い子持ち家庭への給付に回す。

 しかし、これらは、政治構造的に自民党政権の票田に真っ向から刃向うことが多いから、自民党政権では出来ない。しかし、民進党も労組票田依存である限り、同じ穴のムジナ。ああ、日本、どこへ行く。憂国、憂国。   Nat

 

ケイマンSPCで脱税???

脱税についての超マニアックな話だから、パスして下さってもいいですよ。

~~ 昨日、国会の委員会で共産党の議員が追及した、タックス・ヘイブンのケイマン諸島関連の脱税手法ではないかとの点についてひと言。~~~

 追求では、ケイマン諸島籍のペーパーカンパニーに日本から投資されている資金が何と63兆円もあり、ちゃんと課税したら、消費増税なんかなくても済むのではないか?という。これに対し、麻生財務相は「それは合法だから、やりにくいが、徴税の仕組みを考えねば・・」みたいなだけの答弁だった。

 このやりとりの報道だけを見た国民は、日本の金持ちで悪い人たちが、63兆円もの隠し財産をケイマンに隠匿し脱税していて許せない!!と思い、それを追及した共産党をエライと思ったかもしれない。しかし、実際には、この共産党の追及は完全に事実誤認の、超恥ずかしい内容である。というのは、63兆円の大半は、証券会社などが、不動産関係などの債権を証券化し投資商品に組み直すためにケイマン諸島にSPC(特別目的会社)と言われる運用会社を設立し、それに日本の国民が投資しているものである。ちゃんと、金融庁にも届けられ、公的に認知もされた商品であり仕組みである。それを脱税の仕組みと誤解していて、気の毒なほど的を外している。

 では、何故、タックスヘイブンとも言われるケイマン諸島に、そういう商品のSPCを作る必要があるのかというと:

(1)一つは、二重課税を回避するため。SPCがケイマン等でない、例えば日本にあるなら、まずSPC段階で課税され、そこからの分配金を受け取った段階でまた課税される。この二重課税問題を軽減する方策はあるにはあるが、面倒だったり、また、その投資している人の住んでいる国などにより、状況が変わってきてしまう。その点、ケイマン諸島に作られたSPCならば、ケイマンでは法人税、投資利益税などが一切掛からないので、投資者がどこの国民でも、どういう税務上の立場でも、実質一発で二重課税は回避できる。そして、投資者は日本人なら日本で分配を受け取った時に税金を払うので、通常、脱税されるわけではない。

(2)もう一つは、ケイマンでは、チャリタブル・トラスト(”チャリトラ”;慈善信託)という制度が発達している。これはSPCの運用会社の株主に、慈善の寄付をする為の信託団体が就任し、一定の利益を慈善団体に回す制度である。なぜ、これがいいかというと、日本の元の不動産のオーナーなどが倒産した時に、SPCの株主が慈善信託であれば、SPCの資産がオーナーの倒産から隔離され保護されるからである。「倒産隔離」といわれること。 

 この二つを満たすには、ケイマン等でSPCを作るのがベストであり、それでない方法で日本の投資家を保護できる仕組みがあるなら、共産党の先生に聞きたいものだ。ということで、基本的にはケイマンの63兆円は、日本の庶民を含めたお金が、ちゃんと保護されやすいような仕組みで、投資運用されるためのSPCにて運営されているものであって、これを脱税と誤認して、国会で追及した共産党の先生は恥ずかしいものだ。また、それにきちんと反論できなかった財務大臣も恥ずかしい。恥ずかしいだけか、国民をミスリードするものであった。

 悪い奴の脱税は、公開情報になっている証券化のケイマンSPC等とは全然別の密かな方法でやるのであって、国会で、脱税とは無関係の証券化ケイマンSPCの話になっているのを聞いて、悪い奴らは、さぞかしせせら笑っていることであろう。 困ったものだ。    Nat

<★ 5月25日追記>
昨日、共産党の先生がケイマンSPCへの投資額63兆円を脱税資金と誤認して国会追及したことに呆れて、ここに記事を書いておいた。すると、今日は、全く同様の恥ずかしい記事が朝日新聞から以下の通り出ている。 
記事
● こちらの方は24日に発表された新しい去年の数字で74兆円になっているが、(1)課税から逃れられ、匿名性が高い、とか、(2)これらの資金が日本国内に投資されず海外の金融資産に投資されている・・という論調で書いてしまっている。
● 先ず言っておくが、日本の普通の証券会社や銀行等が売っている日本の不動産に投資するREIT信託でも、信託の仕組みはケイマンSPCであるものが多い。脱税でも匿名でもない。昨日書いたとおり、二重課税回避と倒産隔離という必須二条件を満たすのが、ケイマン等だからだ。
● ケイマンSPCは、いわゆるVehicle(お金の入れ物)がケイマンにあるというだけで、そこからの投資対象は日本の不動産等なのだ。つまり普通の市民が日本の不動産投資信託等(海外資産にも投資するのもあるが)を買った資金などの合計が上記の74兆円である。「入れ物がケイマン」というのを「海外投資」と誤認する朝日新聞は超恥ずかしいし、読者をミスリードする。やめてほしい。 
(なお、10年で二倍になったのは、国民の余剰資金が銀行預金にしかなっていなかったのが、ここ10年で、漸く投資信託にも回るようになったことを意味し、結構なことだ。) 

熊本地震の「二度揺れ」-原発も同じ懸念!!

熊本の地震から一ヶ月。

 新耐震基準をクリアした建物の多くが崩壊した。新耐震基準は、震度6~7の地震にも耐えられるようにとの基準だった。しかし、震度6、7の地震が、立て続けに来る二度揺れは「想定外」だったから、新耐震基準の建物も簡単に潰れた。

 原発の新安全基準の「基準地震動」、つまりその原発で想定する最大の地震、それに耐える基準という建前だが、基準の技術的議論のどこにも、そういう地震が立て続けに二度来ても耐えられるように・・等とは書いていない。しかし、熊本で起こった想定外の「二度揺れ」は、原発でも起こり得る。

 原発新安全基準は、新しい人類の体験と共に、日夜進化させて然るべきである。だから、今の基準で「二度揺れ」が想定外だったのなら、直ぐにそれを踏まえた新
新基準作りに着手し、それまでは、当然、再稼働はお預けにすべきであろう。     Nat

米国はタックス・ヘイブンか?

「実は、アメリカこそが世界一のタックス・ヘイブン」???

● 4月12日のNews Weekが、上記のような記事を出して、ちょっと誤解を与えるかもと思っていたら、日本の雑誌「選択」5月号に、その猿マネとしか思えないほぼ同様の記事が書かれている。つまり、アメリカはDelaware州のように税金に甘い州があって、それにより米国企業は税金逃れ出来ているといわんばかりの、誤解与える記事だ。

● 米国には、連邦と州という二つのレベルの「国」がある。連邦政府の徴税への執念はどこよりも強く、近年ではFACTAと言われる制度で海外の隠し所得を執拗に追いかけている。(連邦法人税率は概ね35%。)

● 一方、州は独自の徴税権限を持っていて、典型的には企業の所得に対して、その州に関連のある部分の8%程度を州が徴税する。問題のDelaware州も8.7%徴税するから標準的だが、Delaware州の場合、商標権収入などに対してはこれの対象から除外している。よって、商標権収入の大きな、ブランドの強い大企業は商標権収入の節税を図るために皆、Delawareに法人登記する。

 そして、もう一つDelawareに法人登記することのメリットはDelawareの会社法が実に合理的に出来ていることだ。だから、米国の大企業の大半はDelawareに法人登記している。

● という事実はあるのだが、ここから、「アメリカはDelaware州などを利用して税金逃れ出来る最たる国だ」という主張は、話が極端に飛躍している。米国連邦政府の所得税を逃れるのは並み大抵の方策では出来ない。出来やすいのは州税の節約だけだろう。

● その辺を無視して、「選択」のような安易な記事を書くのでは困る。このように日本のメディアはどんどん質が劣化している気がする。その結果、何時か、日本にもトランプやサンダーズのような過激政治家が台頭してしまうかも知れない。等と心配するのは、私だけであろうか。  

  Nat 
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