安倍首相が、消費増税を再延期。このままでは恐らく永遠に増税出来ないだろう。
安倍首相は、「今は景気が弱い。増税すると景気は更に大きく後退、政治的にボロクソに言われる。その割には、税収は却って減るくらいになる」ということで、問題を先送りにした。しかし、2年半後になっても、景気(特に消費)はこのまま弱いだろう。今や景気は循環しない。日本そのものが構造的にずっと弱いのだ。景気の強い時を待つなら永遠に無理だろう。
消費税増税による税収の確保の最大の欠点は、増税時に、ただでさえ病気の日本経済、特に消費を殺してしまうことだ。日本の巨大な財政赤字問題の解決は、もう別の方法でやるのがいい。前から言っている通りだが:
・歳入の確保は、むしろ固定資産税(地方税だが)の諸矛盾点を改善し、自民党票田の反対を押し切って、特に農地・遊休土地にちゃんと課税することでやる。(固定資産税は年間で8兆円。今回の消費増税で期待した税収増は軽減制度相殺した後だと4兆円だった。遊休農地課税で十分代替できる。)
・歳出の改革では、巨額の地方交付税が必要になっている根源的理由である地方の異様に高給の公務員収入の適正化、そして医療費を筆頭とする社会保障費の構造的改革等の、自民党票田が大反対することを果敢にやることだ。
・そして最も根本は成長戦略。何度も書いてきた通り、日本の強い製造業の競争力強化・進化(IoT等)促進の為の規制緩和、雇用制度改革、法人税引き下げ、電力コスト引き下げ等も本気でやること。
・最後に若い世代の消費を底上げする為の、法定最低賃金の大幅アップ、自民党のお家芸の無駄な公共事業はやめてフランスのように若い子持ち家庭への給付に回す。
しかし、これらは、政治構造的に自民党政権の票田に真っ向から刃向うことが多いから、自民党政権では出来ない。しかし、民進党も労組票田依存である限り、同じ穴のムジナ。ああ、日本、どこへ行く。憂国、憂国。 Nat