★トランプと北朝鮮の 一見 ”頓挫”。

● 新聞などでは「北が調子に乗り過ぎて米国牽制し過ぎ、トランプの動きを読み誤った」等との解説もあるが、私は終始一貫、「軽率」はトランプ側とみてきた。

● 北が核を本当に放棄することは可能性ゼロに近い。北を核放棄に向けさせるために米国の出来る最大の「譲歩」は、米朝トップ会談に応じることだったのだ。それを、トランプが殆ど何も考えず、国内受け狙いで、いとも簡単に快諾してしまったのが、そもそもの大間違い。その段階で北の勝利確定。一方、トランプは国内で早くもノーベル平和賞をとまで言われて有頂天。

● 当然、それを見た北は、中国と組んで、最小限のみせかけ「放棄」でトランプとの握手を勝ち取ろうとする。ここまでが先週までのあら筋。

● そして先週のトランプの「延期」声明は、さすがに、側近の進言で、このままだと、ノーベル賞ではなくピエロになると言われて、慌てて「延期」宣言した。側近の分析では、米中通商交渉で揉めている中国が北の後ろで強烈に「核放棄の小出し」でいけとけしかけていて、シンガポールからトランプが持ち帰れるお土産が余りにも小さいと踏んだわけだ。

● しかし、私の読み通り、トランプは早くも、シンガポール会談の復活への意欲をTwitterで書いている。11月の中間選挙に向けて、殆どお笑いの「輸入自動車25%関税」等を打ち出しているが、シンガポールの「歴史的握手」は彼に残された数少ない切り札である。お土産、小さい一個から、「そこそこの3個」くらいに改善すれば握手するだろう。中国と北朝鮮の大勝利だ。     Nat