★今朝の報道で大きく取り上げている、米国から日本にプルトニウム(“プル”)核燃料の貯蓄を削減するようにと言ってきているとのニュース。

世界の核非保有国の中で、唯一、原爆の原料にもなるプル核燃の生産・保有・貯蓄を米国から認められている例外国が日本。だから、国際世論、米国内の声でもそれに疑問・牽制を投げかける声はこれまでもあった。しかし、米国政府から表立って日本に削減を求めてきたことはなかった。それが今回の報道では、米国のどこから、日本のどこにどう連絡があったのかなかったのか全く不明。これまでと同じなのか、これまでとは違う次元に入りつつあるのかも分からない。

確かに日経がゲスしている通り、朝鮮半島の非核化との関係で、日本だけを放任しているような見え方はトランプ政権としてまずいという判断があったかもしれない。しかし、何も分からないので、拙速な反応は禁物だろう。

という但し書きの上でだが、もし、これから米国からの削減圧力が本当に高まるとすると、これまで長期エネ政策でも全く問題から目を背け、原発政策も核燃サイクルも全く見直すことを回避してきた自公政権・政府に、初めて相当の圧力がかかる可能性がある。日本を動かすのはいつの世でも「外圧」である。

難しい議論はここでは避けるが、今や高速増殖炉をギブアップした日本。プルサーマル(ブル・ウラン混合燃料の形で普通の軽水炉でプルを燃やす)しか、プルの減量の道がないが、そのプルサーマルも現実には種々困難あり。そういう中では、現実にはプルの削減方法はない。そこで原発再稼働すると使用済み核燃は増えるが、それを再処理すると更にプルが増えてしまう。だから、既にほぼ実現不可能な青森の再処理工場は最終的にギブアップ。とすると、結局、既に貯まりに貯まった使用済み核燃も、更にはプルも最早「ゴミ」と看做してそのまま捨てる(=直接投棄)という新しい道しか残らない。核燃サイクルの「虚構」が顕わにならざるを得ないということだろう。

これは原発ゼロでも部分再稼働でも、政府の「幻の計画」のように「再び原発」であろうが関係なく、もうそれしかないという道だ。米国からのプル削減圧力が、日本をして、そういう現実に目覚めさせるための第一歩になるかもしれない。私はそういう風に感じる。    Nat