ジャズがカッコいいのには理由がある。それは、ジャズという音楽に、前へ前へと進みたくなる前進エネルギーの仕組みが幾つも埋め込まれているからだ。この項では、そのことを書いてきた。アフタービートで煽られる。前のめりに攻めるシンコペーションのエネルギー。ブルーノートの不安定さが前に進まざるを得なくさせる。和音にもテンションが入って、そこにじっとさせてくれない。そして根本的に4度進行、そうあの「減5度」エネルギーで、ぐんぐん引っ張られる。それがジャズの強烈前進エネルギーだ。
でも、こんな難しいこと言っても、全然わからないでしょう。そんなこと言うより、この曲、この演奏がジャズだ!という一曲を紹介してよ、と言われそうだ。では、一曲だけ紹介して、と言われると間違いなくこれをという演奏を紹介しよう。曲は、案外、有名で誰でも知っている「酒とバラの日々」。そうヘンリー・マンシーニ作曲の有名曲。ムード音楽にもよく使われるあの曲だ。あの曲を、ジャズピアノの巨匠、オスカー・ピーターソンが彼のトリオで弾いているのがある。日本でもポリドールから出ているアルバムで「The Oscar Peterson Trio / We Get Requests」という有名曲のリクエスト演奏のレコード・CDがあるが、その中に入っている1曲だ。その演奏を聴いてみてほしい。裏にびしびし入るアフタービート、前に攻めるシンコペーション、ブルーノート、テンション、そして当然全て4度進行。これが、ピーターソンの超人的な迫力ピアノで展開される。この演奏を聴いて、ジャズの前進エネルギーに圧倒されない人は先ずいるまいと思われる。それほどの前進エネルギーだ。他の曲も全部いいので、探して買ってみるといい。絶対いいから。(ついでに言うと、あのレコード・CDは、1964年の録音だが、録音品質の素晴らしさでいつまでも有名なものだ。絶対買って損はない。) Nat
でも、こんな難しいこと言っても、全然わからないでしょう。そんなこと言うより、この曲、この演奏がジャズだ!という一曲を紹介してよ、と言われそうだ。では、一曲だけ紹介して、と言われると間違いなくこれをという演奏を紹介しよう。曲は、案外、有名で誰でも知っている「酒とバラの日々」。そうヘンリー・マンシーニ作曲の有名曲。ムード音楽にもよく使われるあの曲だ。あの曲を、ジャズピアノの巨匠、オスカー・ピーターソンが彼のトリオで弾いているのがある。日本でもポリドールから出ているアルバムで「The Oscar Peterson Trio / We Get Requests」という有名曲のリクエスト演奏のレコード・CDがあるが、その中に入っている1曲だ。その演奏を聴いてみてほしい。裏にびしびし入るアフタービート、前に攻めるシンコペーション、ブルーノート、テンション、そして当然全て4度進行。これが、ピーターソンの超人的な迫力ピアノで展開される。この演奏を聴いて、ジャズの前進エネルギーに圧倒されない人は先ずいるまいと思われる。それほどの前進エネルギーだ。他の曲も全部いいので、探して買ってみるといい。絶対いいから。(ついでに言うと、あのレコード・CDは、1964年の録音だが、録音品質の素晴らしさでいつまでも有名なものだ。絶対買って損はない。) Nat