以上の通り、どことも同盟を組まないで、単独・独立の自衛体制で頑張るのは、一定の規模以上の国のポジションの場合、最早あり得ない。だから、韓国もタイも豪州も、米国との軍事同盟を結んでいる。日本としても何処のグループと軍事同盟を組むしかない。それも、中国やロシアと組む方がベターと思わない限り、現実には米国と組む以外のチョイスはないのだ。但し、米国が明らかに悪魔的国家であれば、いかに強くても米国と組む道は選ぶべきではなかろう。しかし、米国は世界最大の“正義の味方”の面を持つ。そして同時に、国内政治と国民性に由来する傲慢性とダブルスタンダード(例:対イスラエル vs. 対イスラム)という面も持つ。だから、グレーなことは多いが、白黒的な価値判断として米国を「悪」と決め付けるのは難しい。そこで日本・韓国・豪州・タイ・フィリピン、皆、時々“ボス・リーダー”の米国に言いたいこともあるが、概ね「よし」として付き従ってきているのだ。 現実的な選択として、現状ではこれしかない。そこで、次は米国との同盟下での日本のあり方の選択肢の問題になる。