♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)
生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等
2008年02月
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2008年02月25日
21:48
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その他色々だよ
お墓って何だ? その3
中国でも圧倒的に土葬が主流だ。1950年代に毛沢東が、封建的な風習を打破するためもあって火葬を提唱し、それ以降、少しは火葬も行われるようになったようだが、やはり土葬が多い。中国では3つの宗教が入り混じる。道教、儒教、仏教だ。インド流の火葬をする仏教もあるのだが、中国の伝統的土着宗教は道教(各自が仙人になることを目指す宗教。)そして、儒教も道教と影響し合いながら根付いていった。この道教と儒教の両方で土葬をする。だから中国では土葬が主流ということになる。しかも、それは数千年の歴史を持つ。
道教でも儒教でも、人の魂は死んだら二つに分かれて、片方は墓を拠点にして地上に留まり、もう片方は天に登ったり地に下ったりして「あの世に行く」。(前に述べた古代エジプトと考えが共通している点が興味深い。)だから中国でも墓に死体を保存して、魂の半分の拠点を残すのである。
但し、中国では、墓は単に死体の保存場所だけの意味ではない。道教も儒教も先祖を尊ぶ。先祖の霊を祀ることで、子孫に安寧がもたらされると信じる。そこで、祖先の霊を祀るためには、お参りするためのお墓が必要ということになる。これがお墓のもう一つの役割なのだ。死体を保存し、霊魂の地上での居場所を確保するだけではなく、その場所に子孫がお参りし拝むことで祖先の霊からの加護を得る。中国では、特に4月初めの清明節の時に一族が大々的に墓参りをする。供える食べ物を持っていき、日本と同様に線香を焚き、そして日本と違うのだが、最後には爆竹まで鳴らす。こうやって祖先の霊に礼を尽くすのだ。この文化が日本にも伝わり、埋葬と墓参りという習慣になっている。欧米では埋葬し死体の安置場所は確保しても、そこにお参りしたりはしない。墓参りは、中国を源流とする文化なのだ。
次はいよいよ日本だ。 Nat
3
2008年02月23日
18:15
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その他色々だよ
お墓って何だ? その2
前回、死んだ人の体は焼いて捨ててしまうインド流儀と、一方で死体をミイラにして永久に保存するエジプトの両極端があり、他の文化はそのレンジの間のどこかにあると書いた。それにしても、焼いて捨てるインド流儀は何かドライ過ぎる感じがしないだろうか。日本でも近年は火葬が主流だが骨や灰くらいは埋める。インドで死体を全く重視しないのは、前回書いたとおり、彼らの死生観では、人間は死んでも別の生に輪廻転生するだけで、「死んでしまう」とか「あの世に行ってしまう」わけではないからだ。体は一時の乗り物に過ぎない。だから捨てる。このような輪廻転生観はインド以外でも、古代ギリシャのオルフェウス教徒など他にも一部あるようだが、死体を焼いて捨てるくらい徹底して割り切っているのは、やはりインドだけではないだろうか。
だから輪廻転生のインド流の「焼いて捨てる」はむしろ少数派で、人類文化の主流は、死体ごと埋める土葬であろう。死体はそのままだと持て余す。かといって谷などに捨てる訳にもいかないし、普通なら焼くなんてむごいことは出来ない。せいぜい岩や樹の上に置き鳥に食べてもらって、天に昇ることを祈る程度だろう。しかしそういう方法でない場合、通常なら埋めることになるはずだ。だから旧石器時代から、死体は大体埋められている。これが基本だろう。
でもそれだけなら、埋葬したというより、邪魔にならないよう土の中に捨てたに近い。ここで「墓」という概念が登場する。埋めるだけではなく、たとえ肉は腐っても骨や皮くらいは残し、遺体の一部はこの世に保存するという考えだ。このように墓の一義的な目的は遺体を大切に保存することである。だから埋めるにしろ箱に入れたり甕に入れたりする。遺体の一部でも保存するのには理由がある。先に述べたエジプトでは、霊魂の半分は遺体を拠点にしてこの世に残り、もう半分はあの世に行く。だから遺体が無くなると、この世には霊魂の居場所がなくなり、復活の可能性も絶たれるのだ。だからミイラまで作る。次にゾロアスター教の影響下で発展したユダヤ教・キリスト教・イスラム教では、「最後の審判」の際に死者が復活するとの信仰がある。だから、死体を捨てたりは出来ない。死体がないと復活も出来ないからだ。従ってこれらの宗教の国では、少なくとも基本的に土葬だ。米国でも極く最近になって土葬は大変だから火葬して骨を埋めるスタイルも少し出てきているが、圧倒的に土葬文化だ。次に、もう一つの大文化である中国はどうだろう。そこから次回。
Nat
2008年02月21日
20:39
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その他色々だよ
お墓って何だ? その1
私はもう両親とも葬った。火葬して、骨にして壷に入れて、お墓の下の穴の中に設置した。そして神さまに対して「もう父/母は、今やあなたのもとにあり、平安の中にいることを信じます」などと祈った。しかしそうなると、骨をお墓に突っ込むことには、いったい何の意味があるのだろう?と思った。
人類はなぜ、人の死体を埋葬したり、火葬しても骨は埋めたりして「葬り」ということをするのだろう? 遡ると、旧石器時代の頃から「葬り」ということはしていたようだ。といっても、民族によって死体の「処理」方法に違いはある。焼く、埋める以外にも、鳥に食べさせる鳥葬や、あるいは樹上葬などもある。しかし、家族の死体を粗末にドブの中にでも捨てておくなどというのは、どこの文化にもなさそうだ。たとえもう死んだ体といえども、ゴミのように扱うのは、気持ちとしてとても出来ないというのが基本だろう。だから大なり小なり、死体を特別の方法で「処理」することで、その人に最後の敬意を払おうとしてきたのだろう。少なくともこれは人類共通だ。
しかし、死体を一応「処理」はするが、死体そのものに殆ど意味を見出さない文化もある。それはインドだ。古代インドのバラモン教(古代ヒンズー教)の頃から、そもそも肉体は余り重視されていない。霊魂は死後、輪廻転生してまた別の命に生まれ変わる。あの世に行ってしまうわけではないのだ。肉体は輪廻で毎回生まれ直すごとに宿る乗り物に過ぎず、死んだ後の抜け殻は物体でしかない。そういう物体は焼いてしまう。焼いて捨てることを「荼毘(だび)に付す」という。焼いた後に骨が残るが、それは河に流して捨てる。だからインドには伝統的にお墓がないようである。もっとも釈迦の遺骨の場合は、悟りを得た人の特別な灰として分けられ、卒塔婆に奉られたが、普通の人の遺骨は流されて終わりだ。
焼いて捨てるインドの対極にあるのが、エジプトのミイラだ。エジプト人は、人が死ぬと魂は肉体を離れて死者の国へ旅立つが、魂は肉体が完全になくなると存在し得ないと考えられていた。だからミイラを作り、また古代王家などではミイラが破壊された時の代理品としての死者の像も墓に入れた。そして体がある限り復活もあり得ると信じた。このように死体の保存を重視するエジプトでは、お墓もとても重要で、それが嵩じてあのピラミッドになった。
死体を焼いて捨ててしまうインド。ミイラにして永遠に保存するエジプト。人類の死体への対応は、この両極端のレンジの中で、様々な形を採ってきたと思われる。その中で、他の文化や、日本ではどうだろう? それを次回に。 Nat
2008年02月11日
17:26
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平成維新と明治維新 その9
これまで、先ず、地元利権タイプの国会議員が国家予算のタカリをしないように、税収・支出とも地方分権を実施すること。その上で、国会議員の支出内容の徹底開示で、票をお金で買うような行き過ぎた行為に待ったをかけること。一方で政策意見をNHKやインターネットサイトなどで常時掲示するようにすることで「政策指向の選挙」に誘導することを主張してきた。他方、収入面では、当分、企業が政治家個人に献金出来なくなるよう抜け道も絶つこと、激烈なショック療法にはなるが、個人・企業の献金も当分寄付先を政党に限ること、そしてそれでも不足する費用は国家公金を政党に助成金として出すことを厭わないこと。以上を主張してきた。これが全部出来ると、地元の個別事情への対応は、県議員・市会議員と地方行政とでやることになり、一方で国家レベルの施策は国家のことを考える国会議員によってリードされ、それを霞ヶ関行政が実行する体制に是正できる方向になると述べてきた。
ここで、まだ大きな問題がある。国家のためを思う、本物の国会議員が永田町に選出されたとして、彼ら・彼女らが、本当にそういう役割を果たせる仕組みになっているかだ。政治家個人が幾ら政治的な意識が高くても、個々人の力量だけでは施策の検討・立案には至らない。現在も政党の仕組として、政調調査会や審議会というものがあって、そこで議員が勉強したり、専門家の意見を吸収できるような場はある。しかしそれらの実態は、役人が自分たちの作った法案をスムースに法案を通すため議員(特に与党議員)に教え込むとか、逆に議員が自分の利権を役人に押付ける場だ。あるいは学者の意見も一応聞いてますよというパーフォーマンスに過ぎない。心ある議員主導、あるいは政党主導の仕組みはこれまでなかった。しかし、2005年から自民党、民主党の両方が政党シンクタンクを小規模ながら発足し、更に民主党から始めて、選挙にマニフェストが導入されたのは、政治家・政党主導の政策時代の幕開けを告げる動きだ。
前にも述べた通りアメリカは寄付社会であり、ブルックリン研究所などの独立した政策シンクタンクが大きな役割を果たしている。日本は寄付社会でないので、シンクタンクも勢い政党のお抱え組織にならざるを得ず、専業のプロスタッフを起用する予算も出ない現状だ。しかし、国家からこの為の資金はもっと本格的に政党に給付されるべきである。そうやって、次第にでも、政党・議員に政策の本格的検討・提案が出来るようになって欲しい。そうなると、その政策実現のために相応しい民間人材を官僚の要所要所に政治任命するという動きも現実性を帯びてこよう。
以上の通り、地方分権、政治資金の出入りの改革、政党シンクタンクの公費による増強、以上の施策が平成維新の必須条件だ。日本の今の3大問題、国家予算分配の機能不全、政策・組織の大改革能力の欠如、外交・安全保障政策の欠落、いずれも、もうこれ以上はヤバイ。明治維新の時のように政治家主導で平成維新
を実行すべき時は今だ。(本シリーズ了) Nat
2008年02月07日
23:11
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その他色々だよ
平成維新と明治維新 その8
一方の収入の方だが、これは現在、?公金(税金)の議員への直接給付、?政党への公金による助成、?政党による献金獲得、?政治家個人による献金獲得の4種類がある。政治献金は、個人が出すのと、企業が出すのがある。
まず、いわゆる「クリーン・マネー・オプション」といわれる、公金だけに限定し、寄付献金を一切禁止する発想、これは世界中のどこでも実現されていないし、理想に過ぎないだろう。
そこで、より現実的な政策として、1.企業の政治家個人への寄付・献金を本気で厳禁すること、2.献金先を個人よりも政党中心の制度にすること、3.公金給付は必要と思えば今の数倍出すことも是とすること。この3つを考えたい。
まず企業の寄付・献金だが、ご承知の通り、直接議員に出すのはご法度だが、実質的には政党支部経由で大いに行われている。政党の地方支部に本当に献金したいこともあろうが、結局政治家個人に流れる現状に鑑み、当分の間、これは禁止すべきと思う。次に、特に建設・ジェネコン業界は、余分に税金を払ってでも、露骨に巨額の使途秘匿金扱いで、裏金献金を出し続けているが、こういうのは、どうやって止めればいいのだろう。使途秘匿金などというものは、株主に対しても公開・説明できないものでその意味でも大問題だし、マスコミ的に大きく報道するといった社会環境を醸成するしかなかろう。こうやって、企業の政治家個人への献金を完全に絶ちたい。
次は、献金先。国民個人が政治家個人に献金するのは許されているし、本来あっていいと思う。しかし、企業の実質個人献金を絶つためにも、また、古い利権政治家を駆逐するためにも、非常に過激な施策だが、当分の間、個人サポーターからの献金でも、政治家個人に向けられるのを敢えて禁止するのはどうだろう。要は、献金は政党(しかも政党の中央本部)だけに限るという激烈な施策だ。そうなると、国政への政治家立候補の風景は、根本的に塗り変えられるに違いない。地元に癒着的なだけの政治家は駆逐され、政党の政策に基づき、それを各地方の観点からホンモノにしていく真面目な政治家だけが、政党から助成金をもらえ、当選し、政治活動できる。劇薬だが、平成維新ではこれが必須ではないか。癒着型議員からの強烈な抵抗があるから、このような施策は通るまいが。ちょっと夢見てしまう。
その上でだが3つめ。日本は寄付社会でないので、献金が政党への純粋な支援献金になればなるほど、金額が縮小しよう。その場合、国家予算からの公金による政党経由の政治家支援は惜しむべきではないと思う。意味のない道路を毎年作るなら、国の政策に力を尽くす議員にその分の資金を振り向けたい。
今回、相当、理想的なことを書いてしまった。クリーン・マネー・オプションだけを主張すると、もっと馬鹿にされただろうが、上記の3つの施策も、相当非現実的ではある。特に自民党から“秒殺”されそうだ。しかし、この分野は、漸進的な改善ではどうにもならない。ひとつでもいいから、一気に思い切った施策を実現してほしい。 Nat
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