♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2009年06月

「ハチの大量死」の本読みましたか? その2

笑顔 「ハチの大量死」の本を読んで、認識を新たにした第一点。それは、地上の花という花の多くは蜂によって授粉しているという、多分当たり前だろうが私が全く忘れていた事実だ。麦やトウモロコシなどの穀物は、花粉を風で飛ばして授粉する。あのアレルギー性鼻炎の元の杉もそうだ。しかし、我々の馴染みのフルーツや農作物の多くは、花を咲かせる植物で、蜂を筆頭とする昆虫のお陰で初めて授粉できて、それでもって実がなる。リンゴ、オレンジ、桃、ブルーベリーなどの果物に限らない。その1で書いたアーモンドだってそうだ。そして牛の食べるクロバーもアルファルファも蜂がいないと絶滅する。キュウリ、カボチャといった全てのウリ科植物もしかり。チョコレートの元のカカオだってそうだ。ヒマワリ、レタス、ブロッコリー。勿論ワインの原料のブドウもだ。これらの植物は、蜂がいないと、受粉が出来ない。そうなると、人間の労働者を大量動員して、手で授粉して回るしかなくなる。ヨーロッパ人がアメリカ大陸に移住した時、リンゴの木を移植したと同時に、ヨーロッパから蜜蜂を連れてきて授粉したという話も書かれている。・・・・私はこれらの話しを、何ひとつ知らなかった。なんという無知のまま、リンゴジュースを飲んでいたのだろう。

ショック  そして、そんなに超重要な蜂を、人間が無神経に死滅に追いやっていることも全然知らなかった。養蜂家は蜂のことを研究しつくして蜂のことなら何でも分かっていると思っている。それだから、平気で長距離に移動させたり、プラスチックの巣の板を使ったりしてきた。農薬のメーカーは世界に冠たる大企業。アメリカのFDAなんて官庁にも頭のいい科学者がいっぱいいて、何が安全な農薬かを研究している。ところが、自然の仕組みは、このような頭のいい研究者たちの想定をはるかに越えて、思いもかけぬような相互連関で出来ているものらしい。浸透性農薬の毒性を試験した農薬メーカーやFDAは、蜜蜂がそれを摂取することまでは想定していなかったのだろう。だから今ごろそれが問題になっても、もう今さら気がつきませんでしたとは言いにくくなる。大規模養蜂家もコーンシロップで養った蜜蜂が、自然の蜂とは違い免疫力が低下するとは思わなかったのだろう。そこで、そのことに気がつくと、今度はウイルス消毒のための殺菌剤を大量に巣箱に吹き込む。もうそうするしかない。もはや、自然のバランスの範囲での養蜂では、大規模農業の授粉ニーズに追いつかないのだ。農業は超マスプロ化し、自然のバランスを大きく越えている。しかし一旦そうなったら、不自然・人工の連続業で行ける所まで行くしかない。それがアメリカの大規模農業の必然的帰結のようだ。

泣く 私は、そういうことが起こっていることを全然知らなかった。一方、私は、変に「自然」を主張するエコ至上主義者にも辟易とする。科学、技術で活かせるものは活かしてでも、食糧を生産しないと、人類皆が食っていけない。そのことは、去年の6月にこのブログで連載したとおりだ。純粋水栽培のトマト工場でも、皆が飢え死にするよりいい。しかし、人間はちょっとこの「技術」「人工的システム」に溺れている面もあるのではないか。自然の仕組み・システムには人間がまだ理解していない面が色々あり得るという、自然に対する謙虚さがもっと必要ではないか。「ハチの大量死」の本は、そのことへの強烈な警鐘である。  にっこり  Nat

追記: 今日(7月1日)の報道で、海外における蜂の病気のせいで、日本への女王蜂の輸入が出来ず、日本のさくらんぼの授粉に支障が出ているとの話があった。日本にも影響が出始めているみたいだ。  Nat

「ハチの大量死」の本読みましたか? その1

本 「ハチはなぜ大量死したのか」という本が2月に出た。Rowan Jacobsenという食べ物や環境のライターが書いた本で、原作の題は「Fruitless Fall」(The Collapse of the Honey Bee and the Coming Agricultural Crisis;実りのない秋 - 蜜蜂の崩壊と来るべき農業危機)というものだ。「近年で最も知的刺激のある本」との書評に惹かれて買って読んだのだが、確かに全く知らなかった世界が描かれていて少なからず衝撃を受けた。ひと言でいうと、多くの農作物が授粉のために蜜蜂に依存しているが、その蜜蜂が現代の文明の中で危機に瀕している。その結果、農業が危機に瀕しているという話だ。

びっくり 米国や欧州などで、養蜂業が大変な局面に直面しているという処から本は始まる。2006年のある日突然、飼っていた蜜蜂たちが居なくなってしまったのである。Colony Collapse Disorder (CCD;蜂群崩壊症候群)という。盛んに蜂蜜や花粉を集めていた蜂の巣箱から一斉に蜂が居なくなり、養蜂業が壊滅する現象だ。蜂の巣箱の中で死んでいるのではなく、一部の蜂を残して、飛び立った蜂が皆戻って来ないままで終わるというものだ。

落ち込み その理由はどうも複合的原因のようだが、最も効いているのが農薬らしい。米国でやっているような大規模農業は、作物につく害虫を除去するため農薬を使う。その中で特に蜜蜂に問題なのは浸透性農薬というものらしい。浸透性農薬に植物の種を浸して、その種を撒く。そうするとその種から育った植物の葉などを食べた害虫は神経を侵される。微量なので人間には無害。普通の農薬のように散布しないので、環境にもよさそう。ということで、この「夢の農薬」が大量に使われているという。しかし、これが蜜蜂にも効いてしまう。そのような種から育った作物の授粉を手伝った蜜蜂は神経を軽だが狂わされる。それで、元の巣箱に戻れず死んでしまう。これが先ず、最初に書かれているCCDの基本的原因だ。

びっくりびっくり しかし、それだけではない。私は認識していなかったが、多くの農作物の授粉は、人工的に蜜蜂を動員するのだ。世界のアーモンドの生産の大半はカリフォルニアで行われているらしいが、見渡す限りのアーモンド畑の授粉は、その季節になると養蜂業者の蜜蜂を他の地域から長距離輸送で何十万箱も運びこんで行うらしい。その移動のストレスが蜂を弱らす。また、授粉前の期間には、天然の様々な花の蜜や花粉の代わりに、コーンシロップを餌に与えられる。蜜蜂の作るプロポリスから分かるように、蜜蜂は様々な花からの蜜や花粉により、強い免疫力を作り出している筈なのだが、コーンシロップでは免疫力は出来ない。そこでウイルスにやられる。人工的なデザインの箱の中で成長するため、自然では排除されやすい寄生ダニがはびこる。このような人工的過ぎる蜂の利用法が蜂を狂わせ、CCDに繋がっているというのだ。

泣く 人間の飼いならした蜜蜂だけでなく、天然の地蜂なども絶滅しつつあるという。たかが、蜂なんか居なくなっても・・・と思いがちだが、どっこい。これが大変なことなのだ。続きは次回。
Nat

魅惑のコード(和音)のお話しの続き その4

笑顔 1~2月にこのテーマで、続きのその1から3まで書いた。ふと、また続きの続きを書きたくなった。今日はドミナントにおけるテンションの話の続き。1月31日のブログで、ドミナントの7thコードで9bと13度のテンション音を入れる、超カッコいいコードのことを書いた。ドミナント7thというと、Cのキー(ハ長調)のドミナント、つまりG7、つまりソシレファのことだが、このG7にどう調味料を入れるかという話で、前回は9bと13度という調味料を入れた。

音符 今日、ご紹介するのは、調味料として5+と9度を入れる話。G7の場合でG7+5 /9。つまり調味料(テンション)の音は「+5度」(増5度、augmented 5th)つまりD#と、9度のAの二つ。とにかく、まあピアノで左手でソ(G)と上のファ(F)、そして右手で、その更に上でシ(B)、レの半音上の黒鍵(D#)、ラ(A)を押さえてご覧なさい。甘いサウンドでしょう。これがG7+5/9。そして、右手のラ(A)以外は押さえたまま、右手のラを一旦ソ(G)にして、そしてソ~~ラ~~と動かしてみよう。その上で、次に左手はソ(G)、上のミ(E)、右手はレ(D)、ミ(E)、シ(B)に移動。これはC(トニック)コードにDとBというテンションが入ったもの(Cmaj7/9)。非常にナイスな動きとなったでしょう。何でしたっけ、曲の題名を忘れたけど、あのStevie Wonderのあの曲になるでしょ。

譜面 G7+5/9が何故、そんなに魅惑のコードなのか? ちょっと難しい話になるけどいいですか?その秘密は、Gという土台の上に乗っている音の間隔にある。先ほど両手で押さえてもらった音をもう一度やってみて。Gという土台の上に、まず左手の二番面の音がF、そして右手のB、D#、A・・・となると、聡明な読者は気づいたであろうか? このF~Bと、D#~Aの音の間隔が両方とも減5度なのです! なんて言っても意味判らないよね。FとBを押さえてみて。安定感はないでしょ。そう。この音の幅、間隔が減5度といわれる、とても不安定な二つの音の組み合わせなのです。周波数の比率がややこしい比率で微秒なサウンドになる。元々、この不安定な減5度の音幅の音であるF、Bを配置しているのが、Cコードに落ち着きたいエネルギーを持ったG7コードなのだ。それに、D#、Aというもう一つの減5度を加えたら、超不安定なサウンドが出来る。どこかに落ち着きたいというエネルギーいっぱいの不安定サウンドになる。そんな次に移りたいエネルギー持ったG7+5 /9コードを、安定系のC(テンション入りで先ほどのCmaj7/9)に落とし込む。この落とし込む瞬間に、タマラナイ魅惑感が出来る。

マイク 魅惑の曲を聴いていると、結構、この7th+5 /9コードが使われているのに気がつく。Star Dustのバース(歌の始まる前の語りの音楽の部分)でも、実はこれが使われている。High up in the sky the・・・の部分だ。後は自分で研究してみてください。  にっこり Nat
記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

NAT

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ