♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2009年10月

鳩山民主党の「郵政民営化見直しって何?」 その2

まる 今回の鳩山政権のマニフェストで郵政につき一番問題視しているのは、民営化で地方の郵便局がなくなったり、郵便配達員が郵貯の取扱いをしてくれない等という、特に地方での利便性の低下のようだ。また、「財政投融資復活」とまでは書いてないが、地域活性化とは書いてあるので、郵貯・簡保資金を地域活性化に使おうとの趣旨が最初からあったかも知れないし、事実亀井大臣はそういう発言をしている。 

家 過疎地での郵便局問題は当然重要な課題だ。過疎地の人に郵便局なしで我慢しろとか、その割高のコストを全て受益者として自分で負担しろというのでは、日本の都市集中、東京一極集中がますます進んでしまう。ユニバーサルサービス、つまり日本のどこからでも同じ料金で郵便出来るというのは、国の方針としては大事だ。それが民営化では出来なくなるかどうかが問題になる。米国では、民営化ではユニバーサルサービスが難しくなるだろうと判断して官営を維持している。一方、ニュージーランドでは基本的に民間原理での効率化を図りつつも、店舗数確保を政府との間でルール化し、現実にはルール以上の店舗を確保しているという。このように過疎地サービスの確保は、本当は民営化でもやり方次第であろう。

はてな 他方、官営の場合の運営効率化もやり方次第であろうか? 小泉民営化で分社化された郵便局会社では確かに郵便局の統廃合もし、過疎地では郵便局が消えて無くなったりもしているようだが、物流の改善、人員効率の改善は進んでいたようだ。そういう効率化は、やはり官営ではなかなか難しかろう。ということから、民営化を進めながら、ニュージーランドのように、過疎地郵便局問題には法令でルール化してきちんと対応させるという手があるように思う。今回の鳩山民主党による見直しが、そのような「民営化の欠点の調整」を目指すならいいのだが、どうも4分社の再併合とか株式売却の凍結とか、単なる官営への回帰になる懸念が強い。

お金お金 また小泉民営化の最大の眼目であった財政投融資の廃止はどうだろう。これは実際には、昔の財政投融資特別会計が、郵貯・簡保資金による財投債(財政国債)購入という風に形を変えただけの面がまだ強い。それでも前よりは透明性は増したが、郵貯・簡保資金を民間にも回すという当初の狙いは未だ全然始まってもいない。元々、今でも合計280兆円もある郵貯・簡保資金を、いきなり完全に民間ベースでの投資原理に任せるのは無理がある。国債以外への投資に大きく流れては国の財政も困るし金利も高騰するだろう。また大きな投資バブルの再来という歪みも生じかねない。民営化の下でも、秩序を保ちつつ、バランスの取れた投融資計画となっていくのは必然であった。しかし、時間はかかるとも思われた。それを見届けていこうと思っていた矢先に、今回の見直しだ。今のところどう見直されるのか明確ではない。地方活性化に使いたいとの亀井大臣発言もあるが、それは、民営化のままでもやれる。どうせ多くの郵貯・簡保資金は国債で国に入るのだから、一部を国策として国会の管理・監視の下で地方に回せばいいことであろう。不透明な昔の特別会計などというゾンビの復活を意味するなら非常に憂慮すべきことになる。

びっくり ということで、今回の「見直し」は、たぶんに政治家・政党の世界での論理で大きくそうなってきていると思われる。それがおかしな方向に行かないためには、国民の監視が必要だ。私も国民の一人として、これからの具体的推移を注視していきたい。  にっこり  Nat


鳩山民主党の「郵政民営化見直し」って何? その1

笑顔 民主党になって、小泉・竹中の郵政民営化の大きな軌道修正がありそうだ。思えば2005年9月に、郵政民営化を焦点にした衆議院選挙で小泉さんが圧勝したわけだが、あの時に国民が期待したことは何だったのか? そして、今回の鳩山民主党では、マニフェストの55項目のお約束の中の33番目に郵政事業の抜本的見直しを掲げているものの、今回は国民の多くが特にそれに注目して投票したわけでもない。ということで国民からすると、何となく訳が分からない間に、郵政の方向性の大きな再転換がなされようとしていることになる。

落ち込み 2005年の時、多くの国民が小泉さんの「郵政民営化」を支持したのはなぜだろう。あの時、自民党は二つに割れた。特定郵便局長会という「古い利権」の象徴のような存在を擁護しようとした自民党内の反小泉勢力を、小泉さんは「抵抗勢力」として悪者扱いするのに成功した。自分は古い利権にあやかっていないから割を食っていると感じている国民は多い。そういう古い利権を破壊しよう!そのために悪者を懲らしめよう! という小泉さんに、国民は「変化への期待」を感じたのである。そういう意味では、今回の鳩山民主党政権の「変化への期待」と、根を同じくするものであろう。

OK しかし、国民も馬鹿ではないので、郵貯・簡保資金からの財政投融資が、旧来の郵政の最大の問題であることを知っていたと思われる。事実、郵貯資金などは財政投融資として不透明な形で特殊法人(河川工事をする水資源開発公団とか、日本道路公団の類い)に流され、壮大な無駄がなされてきたのである。私もこの点に鑑み、小泉郵政民営化に賛成した。もう一つ国民が感じたことは、郵便配達事業は必要だが、いつまでも官営では既得権擁護のため効率化がなされず、国鉄などと同じで、いつかは国民の大きな負担になるのではないかという懸念であろう。つまり「官」ではなく「民」への期待だ。

まる それが、今回の鳩山政権で、大きく「官」への回帰をしようとしている。果たしてこれは国民が期待したことを、実はより良く実現するものなのか?それとも、単なる政治家の争いに、郵政が翻弄されているだけなのであろうか? それを次回。 にっこり  Nat

日本語のビミョウな表現

笑顔 英語で「I love you」は、中国語でも、ほぼ同じ構造で、「我愛ニイ」(ウォ アイ ニー;注 ニイは漢字が出ないのでカタカタで標記)という。一方、日本語ではどうか。「僕ねえ、君のことさあ、愛してるのよ」とか「私は貴方を愛してます」、「オレさあ、君をね、愛しちゃってるわけよ」とか、様々なバリエーションがあり得る。私は中国語のことは良く知らないので、英語の方で言うが、英語でもビミョウな言い方で言おうとすると「I guess I kind of love you」とか言えなくないが、基本的に「I love you」と言うしかない。そこで、ビミョウなニュアンスを出そうとすると、身振りとか、顔の表情とかを使って、味を出すしかない。一方、日本人は、日本語が極めて多様なニュアンス表現を可能とするので、言葉でビミョウさを出す反面、アメリカ人ほど手振りや顔の表情を大げさに使うことは余りない。

笑い 同じアジア人の中国人が、愛する人に愛情を告白するときに、とにかく「我愛ニイ」(ウォ アイ ニー)というしかないというのは面白い。勿論、声のトーンを調整して、猫撫で声で言うとか、かすれたような声でささやくとかの技はあろう。しかし、言葉としては、とにかく「我愛ニイ」(ウォ アイ ニー)。ポン、ポン、ポンと単語を投げる。そこに「ねえ」とか「さあ」とか「なのよ」とかいった助詞は全く付かない。これは日本人には耐えられないほどの、シンプル過ぎる直球勝負になる。「オレ、キミ、好き」になってしまうのだから。

落ち込み 思うに、日本語の千変万化の助詞などの使い方、一人称でも二人称でも様々な表現を使い分ける特徴は、他人との関係に関する日本人独自の心理構造に根ざしているものであろう。日本人は、とにかく、相手にどう思われるかを常に非常に敏感に気にする民族であり、そういう文化を形成してきた。だから、特に否定的な発言をする際などは、国際的な標準からすると、異常なほど、ややこしく婉曲的な言い方をする。英語や中国語で「I disagree with you」とずばり言う局面で、日本人は「私は君に反対だ」とは、なかなか言えない。「私の場合はね」とかいう風にまず切り出す。最近の若い人などは「ワタシ的にはですねえ・・」とか言う。そして「ちょっと違う見方をしてみたりしているのですよ。ええ。まあ。」とか言う。

びっくり これは相手への思いやりとか解説されることもあるが、より本質的には、相手と直球勝負するのが恐いのである。自分を保護するため、ビミョウな言い方に限り、あとは先方がうまく理解して合わせてくれることを期待する。一方、アメリカ人とか中国人は、人をどんどん攻撃し、自己主張して、結果的に自分を守るのだ。

はてな アメリカ人や中国人の言語がビミョウな助詞などを伴わないから、その結果として、直球勝負の文化になった、日本人はビミョウ言語だから結果としてビミョウな対人文化になったのか、あるいは、逆に、そういう文化だから、そういう言語になったのか? どうだろう。世界の言語の標準を考えると、日本語だけが世界の中でも異様にややこしい助詞の変化などを伴うものになったと思われる。つまり、そもそも日本人は、太古の昔から、自分が人にどう思われるかを気にして、特異な文化と言語を作り上げてきたのだろう。

にっこり ということで、日本人は国際的には何を言っているのか、何を思っているのか分からない奴らだ・・と思われる部類になった。そして日本人は、アメリカ人や中国人の直球は苦手だということになった。一見大変国際化してきているようにも見えて、実際は、対話のしかたひとつとっても、日本人とそれ以外の民族とのギャップは、非常に大きいのである。 Nat
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