♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2011年12月

日本の政治はもう絶望だろう・・

 前回、野田政権の「消費税で不退転の決意」というのは非常におかしいということを書いた。そう言っていたら、2012年度政府予算案が出てきて、私はいよいよ絶望してきた。

 私が前回書いたとおり、財政のプライマリーバランス(PB)が20兆円規模で赤字になり、赤字国債がどんどん増える今こそ、却って、国を改革する機会であると主張した。つまり、増税の前に、歳出構造の合理化を直ぐ行い、更には国と地方の関係の改革を含めた国のあり方の改革の最後の機会と考えた。そしてその為に、私は、前の選挙で、頼りないが敢えて民主党に投票した。しかし、もうこれが全て絶望に終わりつつある。

 2012年度予算案ほど人を絶望させるものはないだろう。なんと言っても野田政権の消費税10%への増税で税収の増加が期待できるということで、一気に歳出への歯止めがなくなり、唖然とするような国の出費が再開されたのである。凍結していたはずの新規新幹線3区域の着工(総工費3.0兆円)、例の八ッ場ダム工事再開(総工費0.5兆円)、環状道路(総工費1.3兆円)、以上の3つの総工費合計で4.8兆円というような、民主党が卒業したはずのコンクリート型の公共工事への税金の投入、そして、肝心の勤務医と開業医の収入バランスの是正でない悪しき単純医療費アップ。更にばらまき的な自動車関連減税という、歳出増大と同様の効果を持つもの等。それでいて、日本経済を少しでも成長に向ける戦略的投資は乏しい。野田「小役人」政権では、こんなことに終わると危惧したのが、まさにその通りとなってしまった。

 このままでは、野田政権が重視したはずの「日本の財政PBの改善」は逆に悪化する可能性のほうが懸念される。よって、当然日本の財政の行き詰りが現実になる。しかしその前に、消費税アップで日本の経済は更に重病になり、失業・リストラ・賃下げが日本中をおおう。

 来年には総選挙になるだろう。そして、当然、民主党は壊滅する。しかし、自民党も伸びない。そこで、日本は、イタリアのような少数政党が幾つか入り乱れる最悪の政治状態に突入する。その結果、今よりも更に、各論における個別勢力への迎合的な政治と、妥協・妥協・妥協の連続から、めりはりゼロの政索が今以上に恒常化する。そして、今以上に官僚が跋扈する。これは、もはや誰も制することの出来ない、日本国の悲しい運命である。

 もはや、国には期待出来ない。それぞれの国民が自衛するしかない。そこで、起こるかもしれない悲しむべきことは、それが、「共生」、即ち周りの人と助け合う気持ちに水をかけ、個々人が自分だけの殻の中で自衛手段を備えるという、殺伐とした社会になっていくことだ。しかし、それが日々に現実になるように思えてくるから怖い。        Nat



 

消費税増税、順序が全然違うでしょ!

 野田政権が、消費税増税だけに「不退転の決意」とかで取り組んでいるのに強い違和感がある。

 まず、当ブログの2010423日と24日の「政府の巨額債務はやっぱり問題なのか その1/2」に書いたとおり、日本政府の債務800兆円は日本国民の純資産1000兆円の範囲内で、余りの200兆円はアメリカ政府などに貸してあげているくらいだから、まだ全然大丈夫だ。しかし、最近、財政のプライマリーバランス(基礎的財政収支;国債の出入り前の国の基本的な収支;PB)がここ2年で見ると13兆円、20兆円と赤字であるので、例えば20兆円のPB赤字が10年続くと、200兆円の余裕を使ってしまう。日本がそこからは国外から借金する国に転落し始め、リスクが高まる。だから、PBの赤字は解消する必要がある。PBの赤字が解消すれば、別に800兆円の債務がほぼ永遠にあっても、さほど問題ではない。
・・・ 以上が去年のブログで書いたことであり、これは変わっていない。(注:正確には、2009年9月16日の当ブログで書いた通り、日本政府・地方政府の債務960兆円から資産を引いた純債務490兆円に企業の純債務300兆円を加えたのが800兆円で、これを支える国民の純資産が1000兆円という話しだが、ここでは単純化して述べている。更に、PB赤字とは別に国債の利息等の国債費用が約20兆円あり、これは過去の金利の高い時代の名残りもあるから近年の低金利時代の発行分が多くなると多少とも減るが、今後、金利が上がる方向であろうし、いずれにせよこれも返せるようにする必要があるのは、その通りだ。しかし、利息等20兆円は、実は国債を保有する日本の資金の出し手の利益となるので、その分、日本の資金提供力を増す。つまり日本の中でお金がぐるぐる回るだけである。よって、基本的にはPBの赤字解消を目指せばいい。
 

 そこで、PBの赤字、例えば13兆円の赤字を解消することは、国家の重要課題である点は疑いようもない。どうして赤字になったかというと、言うまでもなく1989年で経済の高度成長が終わり、税収が横這いから漸減傾向になったのに、景気を支えるための公共事業を続けたことと、高齢化で社会保障費が増える一方なので、支出の増加が止まらないからだ。そこで、例えば13兆円の赤字を解消するには、支出を抑えることと、税収を増やす、その両方を考える必要がある。これが、我ら日本国民が与えられている設問である。

 支出を抑える方は、公共事業は相当抑制されてきたが、社会保障費の自然増は止まらない。だから、年金や医療費・健康/介護保険の制度のおかしい点を是正して、より合理的な支払い体系しようとするのだが、それは政治家が不人気を恐れて決断できない。だから支出の是正は進展しない。ここから、現政権・財務省は一気に増税に走るのである。

 増税といっても、色々な税があるので、色々な増税を検討すればいいのに、一気に消費税増税に走る。何故だろう? 話しを単純にするため、国税と地方税を合算した数字で言うと、国税+地方税の合計で76.7兆円(2011年度)あるが、その内訳は、大きい項目で言って、国民からの所得税/住民税が24.9兆円、法人税13.8兆円、消費税12.8兆円、固定資産税8.9兆円、揮発油・軽油税3.4兆円、たばこ1.8兆円という具合。例えば13兆円のPB赤字解消したいなら、これらの様々な税からちょっとづつの増税を検討するのが普通であろう。ところが、それを、主に消費税(現在5%で総額12.8 兆円)を倍の10%にすると、一気にそれだけで、もう約13兆円が捻出出来るというわけだ。それが、財務省・野田首相の狙っていることだ。法人税はこれ以上上げると日本からの企業脱出が加速するから、やれない。次に所得税/住民税増税は、本当は累進的(金持ちが多く税を払う仕組み)なので、これでの増税が合理的なのだが、これはいかにも露骨な「増税」路線になるので、言い出しにくい。(一応、最近、高額所得者への増税案も申し訳程度に提出されたが。)また、所得税増税は脱税を更に助長するから止めようというロジックもないではない。その点、消費税なら、消費者が気がつかない間にちょっとづつ徴税できるし、取りっぱぐれもない。(中小企業の消費税ネコババはさておき。)ということで、財務省としては、最高級にやり易く好ましい増税が消費税増税なのである。それにまんまと乗っているのが野田首相だ。

 しかし、多くの人が懸念している通り、消費税増税には色々問題がある。勿論、低所得者層への逆累進性で低所得者の生活を脅かす点が大きいが、更に、本質的問題は、消費税増税のもたらす超不景気であろう。97年の5%へのアップの際にもその影響があった。上記の通り、所得税/住民税計で24.9兆円、法人税が13.8兆円。超不景気になり企業が更に給与カットやリストラすると、前者も減る。赤字企業が一気に増えると後者は更に急減する。消費税が倍になって13兆円増えると思ったら、所得税や法人税が合計数億円単位で減ってしまったということになりかねない。そして、日本が超不景気で、国民の生活はいよいよどん底に落ち込む。しかもそれが長期化する。財務省はその点を語らない。わざとだろう。

 とすると、消費税増税を考える前に他でどれ位捻出できるかを先に検討すべきだ。野田政権は順序を間違えている。まず支出の合理化を本気でやるべき。年金・保険の合理化・最適化で、今のように逃げてはいけない。公務員の給与是正も全く進まない。国と地方自治体の二重行政改善は更にもっと進まない。大阪府と大阪市の二重行政を破壊しようという橋下さんを首相にでもしないとダメか。有名な特別会計問題も、総歳出169兆円のうち、国債償還80 兆円、社会保障給付53兆円、地方交付税交付金18兆円、以上計150兆円を除外した19兆円の部分は、例えば自動車安全特別会計は毎年剰余金ばかり等と、多分にメスを入れる余地があろう。今、ここで安易に消費税増税に走ると、これらの合理化は永遠になされない。PB赤字の今こそが、国の仕組み改革の絶好の機会なのに。
 

 また増税の方でも、何も消費税でなくても検討対象があるだろう。金持ちイジメみたいになるかも知れないが、固定資産税(地方税だが)を、法人(企業)を除き、個人からは税率を今の1.2%を倍にするとかを考えろと言いたい。タバコだって、倍にすると2兆円ほど税収アップする。それでタバコ離れ増えたら、それはそれで国民が健康になっていいし、健康保険の収支改善にも繋がる。最近検討案が出た高額所得者の所得税増税も、金持ちになろうとする「やる気」を阻害するとか良く言うが、おおいに検討するべきであろう。

 そこでだ。先ずは当面の増税は、国民の生活と景気へのダメージの大きい消費税ではなく、上記の他の税で先行させる。その間に、歳出の合理化は、公務員給与から始めて出来ることからドンドン進める。冒頭に書いた通り、日本には未だ200兆円の資金余裕から来る、一応の時間的余裕もある。それで2年ほどして歳出合理化が進展したら、初めて必要な%分の消費税アップを検討するのが良い。以上は、誰にでも分る論理だ。しかし、財務省と野田政権は聞く耳持たないようだ。

残念。     Nat


●12月22日追記: 日本の消費税率は欧州などに比べてまだ5%と低いので、上げる余地あるという評論家がいるが、それは違う。日本の税収の直接税(所得税・法人税等)への依存率が高いのはその通りで、間接税(消費税や物品税)にもう少しバランスをシフトした方が景気に左右されず安定税収が得られるという話なら正しい。しかし、今、政府が議論しているのは、直接税から間接税へのシフトではなく、全体としての増税の話しだ。それを消費税が5%と料率が低いからまだ上げられるというのはおかしい。100円のパンが消費税入れて105円で売られているとして、消費者からすると、単にそのパンの値段が105円というだけのことだ。値段が105円として、その内訳として、商品の価格が100円で消費税が5円でも、商品価格が80円で消費税が25円でも、消費者にとっては同じ105円のパンである。どちらのケースでも、消費税が5%アップするとパンが110円に値上がりすることになる。つまり消費者にとっては、単に物価の5%アップに耐えられるかだけが問われているのであり、価格の構成要素として消費税の料率が既に高いか低いかは関係ない。北欧のように消費税が25%の国でも、消費者はそれなりに、それに慣れている。だから消費税25%のパンを、あと5%消費税アップするといっても、負担能力があるなら、それは通るのである。ただ、政治家・政府が「5%を10%に上げたい」というのと、「25%を30%に上げたい」というのと、どちらが、よりあこぎに聞こえるかの印象の違いがあるだけである。消費者にとって5%の値上げは5%の値上げなのである。  まやかしの議論に惑わされてはいけない。 Nat


 


 


 


 


 


 


 

12月23日の夜はNatのクリスマス・ジャズ・ライブです

 最近、このブログを書けていませんが、実は、それは、12月23日のジャズライブの練習を優先しているからなのです。 ということで、12月23日(金・祝)の夜、8時半から、横浜市青葉区荏田の田園江田教会の礼拝堂で、恒例のNatのクリスマス・ジャズ・ライブをします。  もう13年目ですが、今年の曲目と出演者は以下のとおりです。

<出演者>  Vocal 石原 美紀、Tenor sax   安藤 和夫、 Bass  大角 一飛、 Drums   籠利 達郎、Piano/Guitar/Vocal  Nat      

 <曲目>

Winter wonderland
Blue Christmas
赤鼻のトナカイ
The days of wine and roses
It’s only a paper moon
So danco samba
O grand amor
As time goes by
I will wait for you
Misty
All of me
The Christmas song 


 入場無料です。 気が向いたらお越しください。 教会の場所は以下のURLで教会HPでご確認 ください。
http://www.edakyoukai.net/index.html

(駐車場は殆どないですが、田園都市線の江田駅から近いので、それで来てくださるか、車の場合は、周辺のコイン駐車場が色々あるので、そこに停めてください。)   Nat

●2013年5月3日追記: この時の録音は、以下のサイトからダウンロードして、お聞きになれます。是非、聞いてみてください。 Nat 
https://skydrive.live.com/?cid=2060caee80c1da71#cid=2060CAEE80C1DA71&id=2060CAEE80C1DA71%211124
 

記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

NAT

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ