♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2013年08月

シリアの化学兵器―米国が大量保有する化学兵器はどうする?!

 米国がシリアに爆撃しそうだ。シリアの子どもたちの毒ガス被害のニュースを見ると胸が痛む。そして米国の言う「ここで爆撃して示しをつけておかないと、シリア以外にも化学兵器使用が飛び火する」という説明に「そうだ!」と言いたくもなる。

 しかし、事はもっと複雑だ。米国は人類史上原爆を実際に使用した唯一の国だが、化学兵器でもそれに近い。戦後日本との秘密取引で日本軍の化学兵器技術を独占的に引き取り、ベトナム戦争で多用したことは知られている。1993年の化学兵器禁止条約に米国も参加しているが、イラク戦争・アフガニスタン戦争で米国が化学兵器使用した疑いが消えない。更に同条約では、米国とロシアの既存化学兵器を20124月までに廃棄することにしていたが、両国とも応じていない。つまり、米国は化学兵器禁止条約違反状態にある。自分は大量の化学兵器を温存しておいて、シリアなどには使わせないということになる。

このように、米国には常にダブルスタンダード(自分は棚に上げ、人には厳しい)の印象がつきまとう。シリアは(北朝鮮もだが)、同条約には参加していないので、人道的にはおおいに責められるべきであろうが、少なくとも条約違反はない。そして、今回、米国がシリア爆撃すると、恐らくシリアは米国のダブルスタンダードを突いてくるだろう。米国の爆撃は必要悪かも知れない。しかし、その場合、米国は自国の化学兵器廃棄の道筋も同時に発表すべきだろう。   Nat

●830日追記:
 
シリアへの攻撃を決意したオバマ大統領の発言をナマで引用すると:we do have to make sure that when countries break international norms on weapons like chemical weapons that could threaten us, that they are held accountable. である。シリアは化学兵器禁止条約に参加していないので、ここでわざわざ「international norms違反」という表現をしている。しかし、一昨日からここに書かせてもらっている通り、米国も参加している化学兵器禁止条約で20124月までに化学兵器を廃棄することを定めたにも拘わらず、廃棄を拒否し今でも化学兵器を大量に温存している米国は、normsどころか明確に条約違反している。この構図から分かることは、米国は(1)シリアを攻撃するのは米国を守るためであること、そして(2)自身を守るために今後必要な際には、米国自身は化学兵器を使用する権利を留保するとも見えることである。繰り返し言うが、もし、シリアへの攻撃が世界平和の為ならば、米国は保有化学兵器の廃棄のスケジュールを発表すべきである。もし攻撃が自国防衛のためだけならば、軍事大国の横暴であり私はそれに反対する。

●8月31日追記:
 
英国議会を含めて米国のシリア制裁攻撃案に慎重な意見も多い。オバマも強引な単独攻撃は難しい。しかしオバマは引っ込みがつかないし、確かにここで何もしないと、アサドが悪乗りする懸念も強い。一方、国連は麻痺している。そこでだ、この際、ロシア・中国はほっておき、自由主義国家多数で「シリア非難決議声明」を発表。その中で「自由主義諸国家は今回のシリアの化学兵器の非人道的使用に抗議して、随時、シリアへの制裁攻撃を行う権利を留保する」と強い声明を出す。その辺りが現実的に可能でかつ適切な措置ではないか。

  
●9月6日追記:
 
シリアの化学兵器問題。米国はシリアが1000トンもの化学兵器を保持して使用を躊躇しないことを非難している。しかし前にも述べた通り、米国は以前には3万トンもの化学兵器を保有していた。化学兵器禁止条約の定めた保有化学兵器の全廃期限である2012429日までに、多くを廃棄したが、まだ2千トンを残したまま、残りの廃棄は2023年までかかるとしている。「安全廃棄が困難」とか「予算がない」とかが理由であり、そう言う面は確かに否めなさそうだが、「若干量は温存しておきたい」という本音が隠されていないと本当に言えるのか。前に書いた通り、化学兵器を理由にシリアを空爆するなら、米国は自身の化学兵器の、より早期の全廃を宣言すべきではないのか。しかし、日本の報道ではこの点を全然聞かない。何故か?

●9月16日追記:
 
シリア政府保有の化学兵器の2014年まで廃棄の米露合意が出来て、何か「一件落着」のような雰囲気だ。しかし、今回の合意の本質は、シリアというネタを巡って、米国とロシアが自国の国際政治におけるポジションを争い、今回はロシアが圧勝という結果に終わったものだ。そもそも世界が深く憂慮したのは、シリア政府の非人道的な化学兵器使用だった筈だ。しかし米露合意からそれは消え落ち、ロシアの狡猾な策謀で廃棄問題にすり替えられた。そしてオバマが取引としてそれに乗ったものだ。ましてや、今も毒ガスの後遺症に苦しむ何千人ものシリア市民の治療への国際的支援などは米露間の話題にもなっていない。前にも述べた通り、廃棄技術上の問題を表面的理由に挙げているものの、米露はそれぞれ2000トンレベルの化学兵器を今も温存している。両国の自国エゴの為の狡猾なる国際政治の動きの陰で、戦火に苦しむシリアの市民がいる。我々は米露合意に目をくらまされず、シリアの苦しむ市民への寄付や祈りを捧げるべきであろう。そして、どうせ日本は、米露間のような大国の国際取引のかやの外なんだから、米国の横でチャラチャラとコメントしているだけではなく、この際、オウムの時のサリン被害者の治療経験を活かすことも含めた、シリア市民への支援をこそ打ち出すべきではないのか?

 

明治維新以降の人口急増は何故??

 戦前に日本政府は、海外移民を奨励した。ハワイ、カリフォルニア、ブラジル、そして満州・朝鮮・台湾。人口の急増に農業の増産が追い付かなかったので、人減らしをしたものだ。現地で移民は大変苦労したが。

 ここまでは何とか知っていたのだが、戦前までの人口急増は
何故?という点が気になって調べてみた。徳川時代は3000万人くらいで安定。それが明治維新から急に増え、戦争前では8000万人台に達した。医療・農業・産業の向上は誰でも思いつく理由。しかし、それ以外にも二つ理由があった。徳川の頃は、母も農業で働き手だから、夏に生まれそうな子は堕胎した。これを明治の初めに禁止している。また、徳川の頃の農村では長男以外は耕作地を継げないので、結婚出来なかった。それが明治になって、農地改革・地租改正等で体制が変わり、次男以降も結婚するようになって出生率が向上したらしい。これ、知らなかった。

今こそ、明治維新の頃の発想の転換に倣って
、少子化トレンドを逆転出来ないか? そう思った。Nat 

集団自衛権の見直し・・何のため??

 安倍政権が集団的自衛権の法解釈の見直しに動き出している。 

 米国の軍艦が北朝鮮等から攻撃された時に、近くにいる自衛隊の軍艦が援軍できるように見直すという話だ。何で今? というと、何も米国が「助けてくれ」と言ってきている訳ではない。言う訳もない。では何故か? 米国の軍事予算の制約から、安保条約上の日本防衛を本気でやってくれない不安がある。そこで「日本も必要なら、米国の援軍しますから、日本の防衛もお忘れなく」と念押ししようということだ。日本は憲法9条で「専守防衛」しかしない。日本が攻められても、自衛隊は本土においてのみ最低限の反撃をするだけだ。後は米国が守ってくれるのを待つしかない。そこで、米国による守りを確実にするための対米関係強化が今回の「見直し」の本質で、まさか実際の援軍行為は想定してないだろう。 

 そもそも日本の自衛隊のルールでは、自衛隊の軍艦は、近くにいる仲間の軍艦が攻撃されても援軍出来ない。攻撃された軍艦のみが正当防衛の反撃できるというルールになっているからだ。ましてや、米国の軍艦への援軍は実際にはあり得まい。 

 ということで、安倍首相は見かけ上はもっと攻撃的に見えようが、実は安倍政権の「見直し」の本質は「米国依存の確認」であろう。そうなると、我々一般国民は悩ましい。自衛隊強化もイヤだし、米国の助けは欲しい。しかし、憲法9条を崩していく集団的自衛権見直しにも不安がある。さあ、貴方はどうする? 

 結局、この問題は、日本の国防の根幹問題に行き着く。日本の憲法9条と、それに基づく武力攻撃事態法では、「本土における最低限の自衛的な反撃の武力行使」のみを想定している。この「最低限」がクセモノ。まず、何が最低限かで意見が分かれる。また、最低限でしかないから、不十分ということにもなる。だから、米軍に依存せねばならない。しかし米軍依存では、いざという時の不安もある。 

 思い切って「完全非武装、無抵抗」、つまり攻められたら無抵抗のまま皆で殺されるというスタイル。これは大昔の社会党のポリシーだが、非常に分かり易い。日本が完全無抵抗なら、それを侵略する国があった場合、国連等の動きも迅速にとりやすい。「日本が先に攻めたから」というような言い訳は成立しないからだ。しかし、完全非武装・無抵抗は美しい思想ではあっても、国策としては非現実である。非武装といわれるコスタリカやアイスランドも自衛部隊は居る。それなら「最低限の自衛」+「米国依存」で、米国に守ってもらうためのお金を払うとか、今般のような集団的自衛権で「日本も米国に援軍出す」と言ってみるとか、米国のご機嫌とりをする現在の路線。これが二番目の路線。そして最後の三番目の路線は、米国とたもとを分かち、日本独自に武装強化することになる。という風に(1)完全非武装・無抵抗、(2)限定的自衛+米国依存路線、(3)日本の独自の武力体制強化の3つに一つしかない。先ず、国民はこれを選択する必要がある。しかし、現実に、そこを突き詰めて考えている国民が少ないように思う。そこにこそ、現在の日本の問題があると思う次第。   Nat

 
●追記: (1)非武装・無抵抗と、(2)最低限自衛+米国依存 の中間で、「最低限自衛(米国には依存せず)」というチョイスを考える方は割と多い。
アイスランドのスタイルがこれに近い。しかし、アイスランドと日本では、国際政治の中でも、地政学的にも置かれた立場が全く違う。また、最低限の自衛部隊だけというのでは、実質、何の役にも立たないので、(1)と同じになる。それなら、下手に「軍隊もどき」を持っているより、(1)の完全非武装のほうが、逆説的だが、却って攻めにくいということもあり得るくらいだ。ということから、(1)と(2)の中間は、上に書かなかったもの。 Nat 

宇宙・地球は6000年前に出来た??

 アメリカを中心に「創造論」科学の学者が結構多数いる。「宇宙・地球は6000年前の6日間に神が創造した。」「生物も、その4日目~6日目に全ての種が同時に創造された」という説である。久保有政氏なる牧師兼サイエンスライターが「科学の説明が聖書に近づいた」等の本を書き、創造論科学を紹介しているので、それを読んでみた。また、創造論科学に対してはネットでも賛否両論のやりとりがあるのもざっと見てみた。 

 創造論では、「宇宙・地球は6000年前に創造され、最初から各種生物も創造されたのだが、4500年前に地球規模で大雨・大洪水が起きて、大きく変わった。」と考える。地球の上空にあった水蒸気層が隕石などの刺激で一気に地上に雨となって降り注ぎ、聖書で言う「ノアの洪水」を地球規模で起こした。その水の重みで、海底で大陥没する所、その影響で大きく山になる所が出来るなど、地球は激変する。その時の大量の土砂・泥で生物が一気に埋もれた結果、化石が出来、石炭や石油も一気に出来たとする。そして、水蒸気層が無くなり温室効果が無くなったことから、地球は氷河期になる。氷河期はその一回だけとの説。その際に、氷漬けのマンモスなども出来る。創造論の大筋はそんなところだ。 

 こういう創造論を支えるための様々な説明や証拠が掲げられる。今見えている星の光が例えば何十万年前の光というのと6000年前に宇宙が出来たというのとの矛盾は、神の創造の6日間の間は光速が無限大に近い速さだったから矛盾しないと説明する。地層の上の方に高等生物、下の方に下等生物の化石が見つかるという進化論の根拠に対しては、洪水の時に高等な生物ほど上に逃げられたからだと説明する。(しかし、上部地層にも貝が多数見つかるとか、下層に人間の石器などが見つからない等という矛盾には触れないらしい。)豪州で積み重なる多層状態の地層を一本の木が貫いたままで見つかったのも、洪水の際に一気に地層が出来た証拠とされる。(その写真は確かに不思議だが。)年代測定(放射性炭素法など)は誤差が激しくて信用できないと却下する。原人はヒトに進化したのではなく、同時に生きていたのが、洪水の際、原人は絶滅したとする。(ノアの箱舟には原人は入れてもらえなかったからだ。) 

 創造論が人の直感にむしろ合う一つの理由は、進化というものが実際起こってきているとしても、非常に長い時間の中でのことであり、人類としていまだに眼前で生物の進化を目撃していないということだろう。だから創造論者に「今も生物は進化しているというのですか? それの証拠を見せてください」と言われると困るのである。また、創造論がアピールするのは、進化論科学の弱さの裏返しでもあろう。進化論は生命の誕生と多様性を、極力、物質の科学原理だけで説明しようとする。従って、原始の時代にアミノ酸の偶然の集積で単細胞生命が偶然誕生。その後、その遺伝子の偶然の変異に自然環境の淘汰原理が作用し、長い長い間には魚や鳥や人にまで変化したというのが進化論だろう。このブログでも進化論への疑問を何度も書いてきたから探して見てみて欲しいが、このような現代科学の進化論は、物質の偶然の変異という原理だけで進化を説明しようとするので、結構無理がある。例えば、トカゲのような恐竜が、空を飛べる軽い骨格、羽根構造を偶然の変異で発生させ、首尾よく鳥になった等という説明は、仮説としてはあり得ても、実際の化石等に照らして、事実として理解していくのには結構困難が付きまとう。しかし、そこから創造論者のように「だから、進化なんてなかったのですよ。最初から全ての種が創造されたのですよ」と言われても、それにも同調しづらい。 

 私もクリスチャンの端くれであり、確かに聖書の創世記における宇宙・地球の成立のプロセスの記述は、現代科学が解き明かす宇宙・地球の歴史に驚くほど合致しており、これらのことを古代の人が良く書けたものだと感心する面は多いにある。また、ノアの洪水にしても、メソポタミアだけで川が氾濫した等というのを大きく越えて、地球規模の大変異があった可能性は十分あり、創造論科学者の研究成果から学ぶべきものもあろう。しかし、何も、本当に聖書の文言通り、宇宙・地球が6日間で出来たと受けとめなくてもいいだろう。地球は46億年前に出来、最初の生命は40億年に出来て、その後、進化のプロセスの解明はまだ不十分だが、とにかく生物は進化してきたという現代科学の理解と、聖書の創世記の投げかけている「真理」は十分両立すると、私は思う。 

 何といっても、進化論の科学がまだ未解明のことが多すぎるのが、創造論が受け入れられる余地を作っていると思う。だから、科学者たちにはもっと頑張ってもらい、進化論の科学を誰が聞いても納得できるものにまで早く高めて欲しいと思う次第だ。 皆さんはどう思いますか?     Nat

日本の農作物は農薬まみれ??

「日本の食の安全をTPPから守れ!」との声もある中で、「実は日本の農作物こそ農薬まみれ」との記事もあり、困惑してしまう。

まず下の最初のグラフ。農地面積当たりの農薬使用量では、日本が米国の7倍でダントツと良く言われる根拠の数字だ。しかし農水省のHPでは、それは米国が農薬が少なくて済む小麦が多いからで、個別の農産物ごとに見るとそうでもないとある。

また、TPP反対を叫ぶ人が言うのが、ポストハーベスト農薬(収穫後の殺菌・防カビ剤)で、日本では禁止なのが米国では使っているということだ。

しかし、一番気持ち悪いのが、ミツバチが突然いなくなる原因と言われるネオニコチノイド系農薬。植物中に染み込んで洗ってもとれない神経毒物質。これの残留基準の表が下の二番目のグラフ。どう見ても日本が非常に高い。ブドウもお茶も気持ち悪い。ブドウの皮を剥いてもダメ。中に染み込んでるから。実は、安倍政権の振興しようという日本の野菜・果物の輸出に対し、世界の厳しい目が注がれているという。何を信じていいのだろう??  Nat農薬使用量-page-001ネオニコチノイド-page-001

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