ウクライナ東部の独立に向けての「住民投票」がなされ、一応「大多数」が賛成という結果になったとされている。これに対し、ウクライナ政府は「違法、違法」と反対するのみだ。
ウクライナに限らず、そもそも一国の法律の中に、一地域が独立する手順を取り決めている処はない。日本でも、例えば沖縄等一地方の独立の手続きを定める法律はない。中国のチベットやウイグルでも投票したら独立派が圧倒的に勝利するだろう。しかし、それを許す中国の法律はない。イスラエルからのパレスチナ独立も同様だ。支配国の法律からすると「合法的独立」というのは、そもそもないのである。全ての独立運動は、支配国の法令制度では有り得ないのに抗して行なわれる。そして、独立を成功させるものは、国際的に「なるほど」と思って承認してもらえる客観性である。
よって、東ウクライナの人達も真に独立したければ、今回のようにロシアと共謀して武力により強引に進めず、世界にアピールしつつじっくり独立運動をすべきなのである。それに反対するウクライナ政府も「違法、違法」と言うだけでなく、東ウクライナの国民に共感持ってもらえる施策をもって連帯を保とうとすべきなのである。それがお互いになされずにいる。結局、ほくそ笑むのは、なし崩し的に国土を拡げつつあるロシア・プーチンであろう。
Nat
2014年05月
リンク集
記事検索
最新記事
月別アーカイブ