♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2015年05月

日本の戦争は「悪」だったのか?

 共産党の志位委員長がポツダム宣言に絡めて安倍首相に、「日本の侵略」「間違った戦争」を認めるのかどうかと執拗に追及。安倍首相は逃げた。

 安倍首相の肩を持つものではないが、人類史の中で日本だけがその戦争行為を「悪・罪」と断罪されたという歴史的事実がある。近代史で特に欧州各国は戦争を繰り返し、負けても「悪・罪」とはならず、賠償で償うだけであった。

 ドイツは戦争責任を深く表明している等と大きな誤解が拡がっているが、第二次世界大戦で、ドイツはソ連やポーランドへの侵略戦争の責任は一切問われていない。戦時中に、戦争とは別にナチスがユダヤ民族を大虐殺した「人道的な罪」だけを問われているのだ。ドイツはソ連等にも賠償金も支払いもしてなければ、連合国と平和条約も結んでない。(注:一部、ソ連内に放置したドイツ資産をソ連が没収等したが、それだけで、賠償金は一切なしで済ませた。)ずっと戦争をし合ってきた白人同士という事もあろう。ドイツは「戦争やりっぱなし」で放免されたのだ。勿論、戦後の東西冷戦開始の中、ドイツは東西分離支配になったので、責任を負わせるべき「単独ドイツ」がなくなってしまったということも関係している。しかし、要するに、ドイツは戦争の「罪」は一切問われていないし負ってもいないのである。(本年3月10日及び5月5日の当ブログ記事、ご参照。)

 これに対し、日本は、ポツダム宣言でもそうだが、日本の戦争行為そのものを「侵略」や「罪」として断罪されたのである。一つは白人の秩序の中での唯一「アジア人(日本人)による挑戦」ということも背景だろう。それよりも、既に東西冷戦開始で、米国が日本へのソ連支配を排除するため、日本に本来人類史上最悪の戦争犯罪となるべき原爆を落してまでソ連を威圧した経緯の中で、「日本=軍国主義の悪」、「米国=民主主義の善」という構図に持ち込みたい国際政治上の思惑があったからである。かくして、日本は人類史上唯一、戦争に負けた上に「罪・悪」と断罪されたのである。しかも安倍首相の言うとおり、原爆で威圧された中で、無理やりそのような歴史観を日本に押し付られたのは、間違いなく歴史的事実であろう。何も日本が戦時中行なったことは、誰も「善」であるとは言わない。戦争はどの国がするものも「悪」である。しかし、日本の戦争を一方的にアメリカの都合でアメリカに断罪されるのは、本来はフェアではないということだ。

 そこで、安倍首相ら自民党右翼は、この屈辱を晴らそうとする。しかし、ここから、私と安倍首相とは道を分かつ。安倍首相は、流石に「日本だけが罪・悪であったわけではない」とまで露骨には言わないまでも、国際的にはそれに近い位置づけにまで修復されることを目指しているだろう。しかし私は言う。日本国内で、戦勝国に押し付けられた卑屈な断罪を、客観的に振り返り、そうでない面を再認識するのはいいだろう。でないと、若い人を含めた国民も徒らに偏った認識のままになってしまうから。しかし、国際的に、日本(軍部)の罪・悪を断罪した東京裁判の結果を受諾したサンフランシスコ講和条約を今更のように蒸し返すに等しい言動は、日本を再び孤立化させるだけであり、日本のためにならない。国際的には、どんなに言いたいことがあっても、ここは ”大人に”なり、「屈辱でも、耐えるべきものは耐えるべき」である。そして、何度も言うとおり、日本が中国などで行った行為については、もはや、国対国の懺悔ではなく、神が創り給うた命の大量抹殺であったとして、「人類から神への懺悔」として深く祈りを捧げるべきであろう。

 だから、私は共産党の志位委員長にも全く組みしないが、屈辱を国際的に晴らしたい安倍首相にも組みしない。しかし、日本人、特に若い人には、戦後の日本・ドイツそれぞれの戦争責任の処理につき、冷静に的確に認識して欲しいと思う。  Nat

貧民比率の増える日本

相対的貧困率-page-001 (1)
子どもの貧困率-page-001
 先日、日本が「貧民化」してきていると書いたら、「貧民化」という表現が極端とのご指摘も受けた。しかし、私はそう「極端」でもないように思う。

 1.最初のグラフは「相対的貧困率」。つまり、その国の社会の中で最低生きていけるギリギリ水準以下の人口の割合。グラフの通り、先進国では米国と日本がダントツに相対的貧困率が高い。米国は勿論、実力主義だから、大金持ちと貧民の差は激しい。では、英・仏など欧州では相対的貧困率が低いのに、日本で高いのは何故か? それは、日本は雇用を重視するので、最低賃金は欧州より相当低く、欧州は高い。その分、欧州は失業が多いが、それを失業保険でカバーしているからだ。だから日本は失業者は少ないが、ギリギリの賃金の貧民が多い。

 2.次に、年と共にどうか? 二番目のグラフの通り、相対的貧困率は上昇の一途。更に、最近問題になっている「子どもの貧困率」(子ども一人あたりの収入の中央値の半分以下しか収入のない子どもの比率)も上昇の一途で、2012年には16.3%、今や「6人に1人は貧困児童」と言われる時代なのである。何故か? 多くは離婚・死別での母子等の家庭の子で、そういうお母さんの賃金が低いのでギリギリ生活なのだ。勿論、途上国の貧しい人たちに比べると絶対的にはまだ生計レベルは高いが、同じ日本の中で、教育一つとっても、何となく「おいてきぼり」になって、大変精神的に惨めな立場に置かれるのである。・・・だからこそ、自民党政権も昨年の8月に「子ども貧困対策に関する大綱」を閣議決定したのである。

 ということで、私は日本の貧民化問題、特に若い世代、子どもたちの貧民化問題は、日本の直面する大問題と考える。しかし、最低賃金アップは日本の産業の競争力を直撃するし、やはり、根本的な成長戦略・産業の競争政策(法人税適正化、産業のエネルギーコスト負担の低減等を含めての国家政策)が急がれる次第である。     Nat

戦争責任の「謝罪」は、人類史上例がないのだけど・・・

 日本の謝罪。 

 米議会での安倍演説は終わり、韓国・中国の次なる標的は、815日の終戦70年首相談話だ。50年で村山首相が「謝罪」、60年でも小泉首相が「謝罪」。安倍首相としては、70年でも「謝罪」すると、もう永遠に10年ごとに「謝罪」を言い続ける異常な国になるということだろう。 

 私は、悔しくても、「謝罪」は言い続けるしかないのが現実であろうと言ってきている。しかし、安倍首相ら自民党右派の気持ちも分からないではない。何故なら、人類の歴史の中で、戦争責任を「謝罪」したのは、後にも先にも恐らく日本だけだからだ。英国は中国とのアヘン戦争の謝罪等全くしていない。米国もベトナム人に死者500万人も出したベトナム戦争の謝罪等していない。中国も朝鮮戦争で朝鮮全土を蹂躙した謝罪等していないし、韓国も謝罪を要求すらもしていない。 

 ドイツについては、何度も書いた通り、良く誤解されているが、ドイツ国のポーランドやソ連侵略の謝罪や賠償金支払いも講和条約締結も一切していない。ただただ、ナチスのユダヤ人虐殺の謝罪をしているだけだ。そして、それがまさにニュールンベルグ裁判で裁かれた「C級戦争犯罪」(ナチスの人道的罪)だから、ドイツはそれに適切に応じているだけだ。 

 日本も東京裁判で、東条らA級戦犯の「侵略の罪」が裁かれたので、本来、ドイツ同様「日本国民が、一部の軍部責任者の暴走を許してしまったことを反省し謝罪する」で良い筈だ。ところだ、「日本人一億人総懺悔」という、人類史上例のない「一国の他国に対する侵略の謝罪」をしてきた経緯がある。右翼の人は、この異常性を問題視しているわけである。 

 私としても、国同士の戦争責任の謝罪は確かに異常だから、そろそろ卒業したい気持ちもある。しかし、中国・韓国、特に韓国はそれを許さない。それが悲しい現実である。

 本当は、戦争は人類の神への罪である。だから、いつまでも他国への謝罪を問われ続けるのではなく、神に罪を犯し続けてきた人類として、皆で共に、神に赦しを乞うようになれればと思う。 Nat

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