辺野古新基地の件で、沖縄県と本土の政府が全面対決。国民の多くは「地元がごねている」とか「政府は強硬過ぎる」などと、喧嘩評論はしても、「沖縄海兵隊は日本にとって必要なのか」という根本問題には無頓着ではないか。
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政府の建前は「沖縄海兵隊は抑止力のかなめ」だろう。しかし、海兵隊は戦争開始された際に、実際敵地に上陸する切り込み部隊だ。その前に、より近代的な装置型の武力である空軍での制空、海軍での制海があることが前提だ。だから、米軍としても極東の抑止力の軍事上のかなめは、むしろ沖縄嘉手納などの空軍、横須賀の海軍第七艦隊であろう。
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だからこそ、沖縄の海兵隊の実戦部隊は既に各地からの交代要員だけになっており、また今後大半はグアム等に移転する。米国として、沖縄に形だけでも海兵隊基地を持っている必要があるとすると、台湾防衛の為だろう。日本の防衛には、象徴的意味しかない。ましてや、1兆円かけて、新しく辺野古に海兵隊専用の飛行場基地を作る軍事的意味は、米国サイドには乏しい筈だ。
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ならば、自民党政権は、何故ああも強硬に辺野古基地を推進しようとするのか? 一つは武力行使の象徴的存在の海兵隊が日本から全て出て、グアム・豪州に行ってしまうのでは、「米国の日本放棄」の始まりになり兼ねないという懸念から、海兵隊を「人質」にとっておきたいという思惑。もう一つは1兆円プロジェクトへの各種利権だろう。
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ということから、実は、日本国民の為の純粋国防上は不要な1兆円基地が、斯くも強硬にゴリ押しされようとしている訳である。どうなることやら。
Nat