慰安婦問題の日韓外相合意。冷静にはどうだろう?
私としては、前にもここで予想していた通りで、日本側は実質10億円の追加資金だけで本問題に少なくとも当面は区切りをつけられるのだから、目論見通りの合意。(日本側のお詫びは、基本的に以前の小泉首相のお詫び文の繰り返しだから、新しいお詫びはない。)
逆に言うと、朴政権としては、10億円の資金以外は実質何も得られなかった訳だ。しかし、本問題で隘路に追い込まれ、振り上げた拳の納め方に困っていた訳だから、これでもしょうがないという整理なのだろう。
ところがだ、韓国側の慰安婦支援団体は、強制連行への日本国家の関与を認めさせた上で、安倍首相が元慰安婦に土下座することを求めていたのだから、彼らからすると、今回の合意は「ゼロ回答」になる。だから、韓国政府は一応「最終合意」ということで、少なくとも当分は黙るだろうが、韓国側支援団体は、強制連行の日本軍関与について強い思い込みをしている元慰安婦の方が生きておられれる限り、大声の抗議は続けるのであろう。例の少女像の撤去もなされるか疑わしい。
とまあ、そういうことだろうが、政府間でも揉めていたのが異常だったので、それだけでも一応正常化したは「良し」とすべきか。
★追記:ネット記事を見ていると、韓国から「二度と蒸し返さない永遠の解決」の約束をもらっても無意味との意見がある。しかし、政権が変わる度にやり直しの韓国、更に言うと1965年の条約による「完全なる解決」を無視して蒸し返してきた韓国だからこそ、敢えて「二度と蒸し返さない」約束をさせているのだ。他の国なら、そういう念押しだけでも失礼に当たるが、韓国に対しては、念押しは毎度必要であり、かつ全然失礼にならない。だから、日本としては、相手が蒸し返してくるのは分かった上で、余計に「蒸し返しなし」と敢えて約束させておき、蒸し返してきた時に先ずは押し返せるようにしておくのである。これは極く当たり前の戦法であろう。但し、今回、合意文書は出さないらしい。合意内容が韓国側の反対運動を刺激し過ぎないためとのこと。だから、蒸し返し歯止め効果も限定的かも。
★追記の追記: 米国のケリー長官が今回の日韓決着は最終的で蒸し返しなしのものと声明出しているが、そういう風にアメリカの横からの睨みを効かせるのが、蒸し返し問題への歯止めとしてはベストであろう。