科学雑誌Natureに、ネアンデールタール人のDNAの完全な解析が完了し、多くの発見がされたとの記事が出ているようだ。以下、記事からの要約だがワクワクする発見が多い。
・現人類とネアンデールタール人(以下「ネ人」と略称)とデニソワ人(注:4万年位前までいた別人類)は相当混血されていたというこれまでもあった説が、今回確証された。
・つまり、現人類は6万年前にアフリカを出たグループが、他と異種交配せず純血のまま、「ネ人」等を滅ぼし世界中に拡がったという従来の考え方は間違いという話だ。
従来ありがちな見方は、「ネ人」なんてのは「レベルの低い人類」で、だから現人類がそれを滅ぼしたというもの。つまり、現人類に「ネ人」の血なんか混血されてたまるかという偏見。しかし、元々私は「ネ人」は現代人よりも脳が大きい位だし、滅びたというより現代人にミックスして残ったと考えるほうが自然と思っていた。それが立証されたすると何か嬉しい。
但し、今回の研究結果、「ネ人」のDNAはヨーロッパ人にも1.5~2.1%入ってるが、アジア人、米インディアンの方に多く入ってらしい。これ見て、ヨーロッパ人が「やはりアジア人の方がレベル低い!!」等と偏見で言いそうな気もする。そういう偏見とかは止めようよと言いたいが。
Nat
★追記: アフリカで発生した人類の祖先は、紫外線対応で、今のアフリカの人のように黒い肌、黒い髪、黒い瞳であった筈。それが、現人類(ホモ・サピエンス)の元になったと言われる人たちがアフリカを出て、ヨーロッパに行った時、そこにはそれよりも10万年以上前から、先にアフリカを出てヨーロッパに移住していたネアンデールタール人が、先住民として住んでいた。そして、ネアンデールタール人は、長い間の寒冷適応で、体がずんぐり(熱の放射する体表面を小さく)し、鼻もぼってりしたが、今の白人のように白い肌、金髪的で、碧眼(青い目)に進化していたと思われる。アフリカから移住してきた新参者の現人類(ホモ・サピエンス)も、寒冷な欧州の気候の中で、時間を掛けて自分で白人的に進化していった面もあるかも知れないが、少なくともネアンデールタール人との交配で、ネアンデールタール人の白人的なDNAを取り込んで、急速に白人化していった面が否定できないのである。だから、実は現代人のうち、少なくともアフリカ系の人以外は、欧米系もアジア系も、顔の白い人は、ヨーロッパで寒冷適応して白人化したネアンデールタール人のDNAを取り込んでいると言えるのであろう。・・・と思うと、これまでネアンデールタール人のことを、「サルのような劣った人類、だから滅んだ旧人類」などと思うのは、相当、事実に反しているということになりそうだ。 Nat