オバマ大統領のキューバへの“歴史的”訪問。昨年の米国・キューバ国交回復、テロ国家指定解除に続いて、オバマが最後に打ち上げた“業績”だ。
キューバは米国にとっては、ずっと喉に刺さった魚の骨であった。キューバ革命・共産化で1961年に米国と国交断絶。以来続けてきた経済封鎖が、1991年のソ連の崩壊後も続き、キューバの経済困窮も続いたが、カストロがしぶとく体制を維持してきた。革命を逃れてフロリダに亡命したキューバの事業家等の子孫(共和党大統領候補のルビオが典型)のように「カストロ憎し、制裁強化」意見もあるが、特に民主党支持者では圧倒的に「キューバ制裁継続は無意味。もう国交回復し経済関係も」になっていた。しかし米国にとって大問題でないのでどの大統領も腰を上げなかったのを、オバマが歴史に名を残すべく手を打ったと言う所だろう。
私としては北朝鮮問題との対比でこれを眺めてしまう。キューバと北朝鮮は共に自由度ランキング世界最悪の国である。それぞれカストロ王朝、金王朝が支配。そしてキューバは社会主義維持したままで米国と交流して行こうとしており、米国ももう現実的にそれで良しとしている。一方、北朝鮮はいよいよ高ぶりミサイルを乱発。我々も北朝鮮へは制裁強化だ。米国が制裁を続けてもカストロ体制は崩壊しなかったのと同様、北朝鮮も制裁では金王朝は崩壊しなさそうだ。勿論、キューバと違い北朝鮮は核兵器開発の「オオカミ国家」だから同じ扱いは出来ない。しかし、米国の対キューバ同様、北朝鮮とも実際的に交流していくほうが「現実的」ということなのだろうか。 Nat