♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2016年08月

終戦直後の満州の日本人最大の悲劇はこの時期に・・・

戦争は815日で一応終わったが、満州の日本人の真の悲劇は、ちょうど今くらいからだろう。今、それをしっかり思い起こす時だ。

 ポツダムでの米英ソ合意で、戦後、日本本土は米国が、満州はソ連が支配することになった。欧州も適宜分割された。そういう中で、鬼スターリンのソ連が露骨に略奪しようとするのに、米国は一定の歯止めしか出来なかった。北海道の北半分を取ろうとするのを阻止したことや、ドイツから賠償金を取るのは諦めさせるなど。そこでソ連は、戦後、負けたドイツと日本(満州)から、国際法違反おかまいなしに、徹底的にモノと奴隷の収奪を行った。

 実は、あの戦争で最も壊滅的な国家破壊された国はソ連であろう。対ドイツ戦で2500万人が戦死、国土は完全に破壊された。それを復興するため、スターリンとしては、戦後に収奪するしかなかったものだ。

 満州では71年前の今頃、陸軍に見捨てられた一般日本住民150万人ほどから、50万人位が、ソ連軍に殺害・暴行、あるいは集団自決、そうでなくても病死・餓死か残留孤児になる悲劇。そして、陸軍捕虜56万人と1万人の一般日本人が、奴隷としてシベリアに移送されるのが始まったのも今頃だ。

 中国に強引に日本の分国「満州国」を作った大日本帝国の末路がこの悲劇だ。

 この我が民族最大の悲劇は、戦後となったはずの、今この頃から9月初までの間に起こった。その事を今、しっかり思い起こしつつも、日本人居住者を捨てて一早く家族と日本に逃げた陸軍幹部の卑劣さを憎み、スターリンの残酷さを憎むばかりではなく、戦争という人類全体の神への罪をこそ憎むものでありたい。    Nat

★追記: 日露戦争の結果で日本の領土となった、南樺太(今のサハリンの南半分。)そこにも30万人余の日本人と、日本が朝鮮半島から連れてきた朝鮮人がいた。1945年のソ連の対日侵攻開始で、ソ連軍は南樺太にも攻め入った結果、満州のように非常に多数の一般日本人居住者への残虐行為まではなかったようだが、日本、朝鮮に帰れず、ソ連領に残留した、日本人、朝鮮人が居たようだ。今朝のNHKで、それに触れた報道があった。一応、樺太の方のことも付記しておく。 

8月14日、ソ連軍に虐殺された満州の日本住民(葛根廟事件)

 明日8月15日終戦記念日の前日の今日8月14日は、テレビで思い出した、そういえば葛根廟事件だった。

● 8月9日の突然のソ連の満州侵攻。虚を突かれた陸軍関東軍は実質、軍を引いた。満州に日本の未来を夢見させられた200万人の移住日本人民間人は、無防備のうちにソ連の猛攻にさらされたのである。

● そして最初に起こった悲劇が、8月14日、葛根廟という場所で逃げ遅れた日本人婦女子を中心とする1000人が白旗を上げ降参したのに、ソ連軍に大虐殺・暴行された事件だ。第一級の戦争犯罪、しかし戦争犯罪として裁かれなかった事件である。(下の絵は、その際の光景を日本側で描いたもの。)

● この後、民間人を中心とする満州の日本人は、一部の民間人まで含めソ連に奴隷として連行されシベリアで大半が凍死・餓死した65万人、それを免れた者は日本に独力で逃げ帰ったか、残留孤児などになり悲惨な推移をたどった。

● 8月9日のここFB記事に書いたが、終戦時の最大の悲劇は、実は米国による原爆ではない。ソ連による、満州の日本人(民間人)への恐ろしい戦争犯罪である。

● ソ連の暴虐の背景には、人間への尊厳感を失ったスターリンの恐ろしい共産党政権もあるが、日本軍部の、悲しいまでの大局的判断ミスと、軍部さえ良ければ良いという独善と狂気があった。原爆に並行して、このことをこそ、若い世代に語り伝えるべきであろう。   Nat   

天皇の生前退位: 国粋主義者への天皇の闘い

天皇陛下の「お気持ち」放送。

 「個人として」と前置きを付けざるを得ない異常な形で「平成の玉音放送」だった。

 国民は、専ら天皇へのシンパシーを感じ、安倍政権も重い腰を上げざるを得なくなったから、天皇は目的を果たした。

 しかし、天皇をして、ここまで追い込んだのは何か? 言うまでもなく、安倍首相ら国家主義的な政治家、そしてご存じ日本会議勢力の「天皇の生前退位は国体を損なうもので絶対反対」という強い声であろう。そのような勢力に抗して、天皇としては、あのような「玉音放送」による強行突破しかなったと思われる。そして、日本会議などが「天皇は憲法上、意見は言えない」と意見を封殺しようとしてきたので、天皇は「個人としての意見」との発言でそれに対抗したのである。

 古代、天皇が世を支配していた時代には終生天皇制であったが、武士の時代になり天皇がお飾りになると、天皇は生前にコロコロ替えられ、島流しにまでされた。それが明治薩長政府になると、薩長政権の権威づけのため「王政復古」の形を採り、そこから帝国憲法上の「天皇終身制」が復活したのである。という流れを、安倍政権・日本会議は踏襲している。

「国体」等と言っているが、結局、天皇の「人間」としての実態を消して「神」とする動きである。だから、人間天皇が老齢化しようが、無関係なのである。

 天皇を神として国体の核に置く安倍政権・日本会議系の動きに、天皇自らが一人で対抗され始めた。まさに、終戦を拒否する軍部に対抗し、国民を想い、責任を一人でかぶられた昭和天皇のご子息ならではの動きである。尊重したい。 Nat  

8月9日: ソ連の対日参戦と終戦決意を振り返る日

今日、89日、一般的には、6日の広島に続き、長崎に原爆投下された日として覚えられている。しかし、9日は、昭和天皇が初めて「終戦」を口にされ、終戦の方向が決まった日。そして、それを促した最大の要因は、911時の長崎原爆というよりも、同じ9日の朝に日本に情報の入った、ソ連の対日参戦(満州への侵攻)だったであろう。

  726日のポツダム宣言での日本の降伏勧告を受ける受けないの議論の中で、86日の広島新型爆弾の衝撃は大きかった。

  しかし日本政府・軍部は、米英中との間の和戦交渉をソ連に託していて、ソ連が日本のために動いてくれることに期待していたから、それを待ち、ポツダム宣言は一旦は無視していた。ところが、そのソ連、そして日ソ不可侵条約を交わしていた「親日」と思ったソ連が、条約を破り対日参戦布告をした。この衝撃は、原爆よりも遥かに大きかったのである。それで実質、この日、終戦が決まった。

 今の感覚からすると、米英は日本人から見て比較的親しみがあるが、ロシア(スラブ民族)は、ウクライナに侵攻するわ、オリンピックでドーピングするわで、ズルく信用できない印象になっている。そして、終戦時には、北方領土を奪取され、多数の日本兵をシベリヤに抑留させたという、大変な国際法違反をしたのがソ連(ロシア)であることを思うと、そんなロシアに、和戦交渉役を期待する等、今からすると、戦争中に日本政府・軍のした愚かな判断の中で、最も愚かなものであろう。

 ということで、今日、9日は、長崎もだが、日本政府・軍の愚かな期待を嘲るようにソ連が対日参戦した日、それで日本が実質、終戦を決意した日として、我々は深く胸に刻みたい日である。 Nat

関連のネット記事 

孤軍奮闘の都知事と「日本のムラ社会」

 小池百合子氏が新しい東京都知事。

 早速、議会との融和が試されていると書かれているが、その前に、本日からの登庁で、まず官僚との関係に苦しむのであろう。

 アメリカでは、国でも地方でも、官僚は、ある時は官僚、ある時は会社役員になったりという具合に、出入り自由のプロ職業である。大統領が替わると3000人くらいの幹部官僚が入れ替わり、NY市の市長でも100人くらいは入れ替わるらしい。つまり、新しい首長は、自ら選任したプロ官僚チームを従えて、自分の政策実行を開始するのである。

 これに比べて、ムラ社会の日本では、官僚は閉じたムラである。都知事は、副知事4名と教育長1名を指名出来るが、それも議会承認が要るので、実質、誰一人として、自分の為のプロチーム員は自由に選べない。だから、たった一人で、ムラ官僚組織に落下傘着陸するのである。要するに、「よそ者」の新首長が、簡単には、ムラの秩序を変えられないようになっているのだ。

 NHKの大河ドラマで、中央政府を掌握した長州が、群馬県の初代知事に長州から小田村伊之助(俳優:大澤隆夫)を送り込み、たった一人の新知事が、群馬県のムラ役人に徹底的にほされる話があった。そういう構図は、明治維新の頃から現代まで全く変わっていない。新知事は、徹底的に「お飾り」にまつり上げられる強い力学の中で、孤軍奮闘するのである。

 日本が変わらない、進歩しない根本的な理由は、この「ムラ構造」にある。しかし、日本人としては、米国流の「プロチームによる改革的取り組み」では気質的に合わないから、「ムラ」が基本でずっと日本はやってきている。だから、日本が変わらないのは、日本人自らの気質の結果であるとも言えよう。

 首相に次ぐ権力を持つと言わえる東京都知事だが、実際には「孤軍奮闘」になる小池百合子氏が「ムラ」社会とどう関わるのか、良く見届け、日本人の本質を理解していこう。 Nat

●追記: それでですね、日本のムラ社会は、恐らく相当長くこのまま変われないだろう。なぜなら、日本中がムラ社会で、人材が「プロ」として別組織に自由に転職する市場が矮小だから、部分的にプロ組織を形成しようとしても、ロクな人材が集まってこないからだ。植物体の中に、突然、動物組織を培養しようとしても無理なのと同じで、悪循環になる。 だから、日本はずっと息苦しいムラ社会のままになりそうだ・・・。

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