♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2016年11月

福島原発の燃料プールは、やっぱり安全対策が問題では??

今日、また福島で大きな地震。福島第二原発3号機の使用済み核燃プールの冷却水ポンプが、一時間40分も停止。

 過去の事実が風化しないように書いておくが: 今回問題の第二原発3号機の使用済み核燃は、事故(事故は直接には第一の方だが第二も同じ時に止まった)から5年経ち、もう大分冷却が進んだので、今回、1時間40分ポンプが停止しても、大騒ぎにはならなかった。しかし、あの事故の際には、大事故を起こした福島同第一の方の3号機の同様の使用済み核燃プールで、まだ「あつあつの使用済み核燃」が、地震・津波の為に、プールの冷却水が喪失され、大爆発(実際には核爆発だったという専門家も多い)まで起こしたのである。

 核燃料は、堅く防護された原子炉の中にある場合は、まだ安全度がまっしだが、現在の日本中でそうなっている通り、使用済み・使用中の核燃料を原子炉の外のむき出しのプールの中で冷却しているのは、危険この上ないのである。

 そして、規制委員会の安全基準では、非常に遺憾なことに、原子炉の中での核燃冷却システムには第一級の安全基準を求めているが、使用済み核燃プールは第二級の基準しか求めていない。それが、私が、今の基準が非常に甘いと思う理由の一つであるが、今回の地震で、1時間40分もポンプが止まったことで、私としては、改めて、使用済み核燃プールに対する対策が甘いままという大問題を思い起こした。

 これから報道機関が、その点を指摘しないかも知れないので、ここで予め書かせて頂く。但し、言っておくが、今回は、差し迫った危険には至ってない。もう冷えていたから。しかし、もしも「あつあつ」なら怖かった筈だ。 

★追記: 今回の地震の1122日の夜のNHK報道によると、地震でポンプの配管系の中で水が一定以上揺れると、水が空になってポンプが焼き切れるのを防止するために、ポンプが自動的に止まる、そして、その場合、点検の上、再稼働するのに時間がかかるそうだ。一時停止中に、何らかの理由で、2011年同様、プールの水が抜けてしまい、ポンプも止まっているという場合、燃料がアツアツなら、2011年の大爆発が再発する。それを防止するための、バックアップのポンプがなくて、何故平気なのか?? 危機意識が全く欠如しているように思う。専門家の方で、私が気にし過ぎと思う方は、教えてください。 Nat

AI(人工知能)に作曲やジャズは出来るか? その②

 前回述べた、ソニーの研究所が、ビートルズ風のAI作曲として試作した「Daddy’s car」のYouTubeは以下だから、まず聞いてみたらいい。

https://www.youtube.com/watch?v=LSHZ_b05W7o

私はこれ最後までは真面目に聞けなかった。

 将棋ソフトと比べると、作曲ソフト・AIの世界は、まだ研究者も限られ、駆け出しの段階なのであろう。このDaddy’s carも、AIと人間の共作の試作品段階らしい。要は、ビートルズの特徴的な音の動きを、ポップスの世界の中で統計的に検出させて、ビートルズらしい音の動きを2つ、3つを確定し、それに乱数的な音の動きを盛り込んで、あとは人間が仕上げた程度であろう。そんなことなら、僭越だが「溝口音楽教室」でもっと気の利いたことが出来ると思う。

 将棋ソフト・AIも最初は同じく原始的であったろうに、プロに勝つまでに進化した。音楽と将棋の間に、決定的な違いあるからだ。将棋は、途中の道筋は無限にあっても、目的は勝ち負けだけだ。だから、途中の打ち手についてプロの得意技をAIにインプットし、後はビッグデータの解析・学習でAIの「勝ちパターン」を磨けるのだ。

 一方、音楽は、最後に勝てばいいというものではない。その曲全体で感動してもらえるかだ。そして、感動は人により、時代、地域によっても違う。感動も色々あるから、単純に指数化するのも難しく、売れたCDの枚数だけではビッグデータにならない。だから、感動を生む作曲を作るAIというのは、根本的に難しいし、本気でやると膨大な時間・人員・コストがかかる。その割に儲かるかというと、一曲の作曲・編曲で儲かるお金は知れている。だから、作曲を本気でAI化する人とか企業は当分登場しないだろう。将棋ソフトは、勝ち負けの単純世界で、かつAIの見本として分かりやすいので取り組まれただけだ。

ということで、作曲とか編曲のまともなAIが出来るのは、非常に遠い将来と思う。人間って結構すごいんだぞと思う。  Nat

人工知能(AI)に作曲やジャズが出来るか???

 AI(人工知能)の話題が何かと出る今日この頃。

 特に将棋とかチェスとかで、もう人間より強いかもというのが話題になる。

 私の関連の分野では、AIによる作曲の話がある。ソニーの研究所が人間の手も借りながら、ビートルズ風に作曲させた「Daddy’s Car」という曲が、YouTubeでも聞けるから、興味ある人は聞くといい。作曲もやる私としての負けん気かも知れないけど、Daddy’s Carは余り関心しない。まだ人間を脅かすレベルではなさそうに思う。

 しかし、絵画等の美術と違い、音楽はデジタルに非常に馴染む世界だ。音の種類はオクターブの中では基本的に11個しかない。それを縦(和音)と横(リズムと旋律)に組み合わせて何がカッコいいかというのは、確かにAIが分析するのに非常に適している事だろう。つまり、「ビートルズの特徴(あるいはクセ)はこれこれだ」いうのを、明確にデジタル的に定式化は出来るだろう。

しかしだね、では、そのクセに沿った、実際のメロディー展開やコード進行を、AIがどうやって決めるかだ。将棋の場合は、ある将棋ソフトにある局面をインプットすると、次の打ち手は単一の解がアウトプットされるのみと理解する。つまり、最も勝利の確率の高い次の打ち手を計算して一つに決める。しかし音楽ではどうか? まずAIで作曲する場合、まず曲の音程(ロ単調とか)と速さは注文する人間が決めるのだろう。それで、多分、楽しい曲とか悲しい曲とかの種類も指定。更に、ビートルズ風とかベートベン風とかボサノバ風とかを指定。それで、さあAIに作曲しろというと、AIは最初の音はどうやって決める? 

 乱数表で選ぶ? では、その次の音は? ビートルズなら最初の音から良く飛ぶ次の音はコレとコレだという複数の音の候補までは、AIが調べた範囲で決まるだろうが、その中から実際にどれを選ぶかは、またぞろ乱数表になるのではないか? (違っていたら、教えてください。)

という風に、結局、曲の展開は、結構乱数表依存になると想像する。我々のような音楽をやる生身の人間では、その選択は、脳がひらめきで幾つか思いつき、その中で、乱数表ではなくセンスで選ぶ。その「センス」はAIが作曲家ごとにパターン化は出来ようが、実際に音を一つに決める段階では、AIは乱数表に依存するしかないと想像する。ならば、そこそこ、それらしい音楽は出来ても、やはり人間には当分の間かなうまい。広告のBGM位は出来るかも知れないが、人の魂を揺さぶるようなコンサートものは当分無理ではないか。

 あと、私のやっているジャズの分野で重要なアドリブ。アドリブも乱数表と組み合わせて、相当、それらしいアドリブは出来る筈だ。作曲に比べて、アドリブは、人間でも、結局、パーカーは曲が変わってもアドリブだけは同じようなパーカー節になるという面がある。そして、AIがパーカー節をマスターするのは難しくないだろう。何ならAIに最初からパーカー節を人間が教えてやってもいい。そうすると、そこそこパーカーっぽいアドリブするAIがあり得ると思う。しかしだ、AIのアドリブの最大の欠陥がある。人間のアドリブは、サックスを吹いているパーカーがあるフレーズを吹く時、パーカーはそのフレーズに応じた興奮をしている。それが聞いていて見ていて分かるのだ。ピアニストがあるフレーズを弾きながら、自分でカッコいいなと思って、ニンマリ笑ったりする。聞いている人にもそれが伝わる。そこがジャズの楽しい所だ。 AIには心までないから、それはAIには無理だし、AIが人工的にニンマリ笑っても聞く者に感動は与えられまい。

 ということで、私の偏見かも知れないが、AIには「それらしい音楽」を出来ても、「忘れられない感動のジャズ演奏」などを出来るのは、私が生きている間にはないのではないか。 Nat  

トランプ大統領で、米国は「終わりの始まり」になるかも・・・

★米国は年率1%、英国とフランスは0.5%、ドイツと日本はマイナス0.1%。何の数字か?というと、人口増加率だ。

 米国は人口3.2億人もいるが、毎年300万人以上人口が増え続けている。理由は、多くの子を産むヒスパニックと、100万人以上の移民だ。また、その結果、米国民の平均年齢は37歳と若い。それに比べ、ドイツと日本は平均年齢45才の老齢化国家だし、日本は移民も受け付けない、子を産む父母も少ない。

 この結果、先進国の中で高い成長を維持してきたのも米国だ。実質GDP成長率で、米国2.6%、英国2.1%、ドイツ・仏は1.3-1.5%、日本は0.5%。米国の経済成長の理由は、上記の通り3.2億人の巨大な内国市場がある上に、ヒスパニックの子沢山と移民で人口成長続けており、内需成長してきているからである。

 しかし米国の、この経済成長の恩恵を受けているのは、一部の大企業・先端企業とその経営陣・株主、高収入の医師・弁護士・金融プロなどでしかなく、需要成長を支えるヒスパニック・移民、あるいは昔からの白人・黒人一般労働者家庭ではない。ここに米国の病根がある。

 これは構造問題であり、その解決策は実質ない。トランプのように減税・公共投資(大昔のケインズ政策とレーガノミクスのブレンド)と、大企業・先端企業が余計に儲かるだけの規制緩和、あるいは一瞬だけ有効な輸入制限での国内企業保護では、一瞬の覚せい剤効果は別にして、落ちこぼれ庶民は蚊帳の外になろう。社会の公正を少しでも保つのは、結局、民主党的なSafety net(弱者への配分、オバマケアがその事例)と、米国の同盟盟主の立場を悪用して、TPP的に米国有利の国際取引ルールを他国に押し付けるくらいしかない。

 ここで、トランプがまさかとは思うが、米国経済(需要)を支えてきた唯一最大の要因であるる移民の抑制を本気ですると、米国経済は終了である。その上、Safety networkのオバマケアの廃止といった弱者切り捨て施策も、トランプの話術に乗せられて投票した庶民を裏切るものになろう。一方的に米国を利するはずだったTPPも捨てるらしい。(トランプ施策で一番、嬉しいのは、例えば、相続税廃止では、トランプの子どもたちである。庶民は無関係。)

 ヒラリー大統領でも米国は中期的にジリ貧だったろう。それがトランプで(減税・公共での一瞬の輝きを除いて)更に「米国の終わりの始まり」であろう。(それでも日本より、まだマッシかも・・・。)   Nat

原発廃止すると、原発の恐ろしい問題は全て消えるのか?

 原発再稼働、反対意見が国民の過半数。私は、「今の甘い規制基準の下での安易・早期再稼働には絶対反対。新型のPWRタイプを中心に、原発技術・事故総合対策をゼロからやり直してもらいたい。」という「原発やり直し」意見であるので、再稼働反対意見とも重なるが、同じではない。 

 再稼働反対意見の人と話していると、理解が不足しているように痛感するのが、使用済み核燃料の処理の問題。再稼働反対の人は良く「使用済み核燃料の究極的な処理が未だないと聞く。トイレのないマンション。そんな原発は絶対反対。」と言われる。ここで、私はいつも指摘することになる。「今後原発再稼働を一切しない場合でも、日本中には既に50基も原発があり、既に2万トンの使用済み核燃料が存在、また、既に再処理(再利用可能な核燃と高レベル廃棄物に分離)した使用済み核燃料からの大量のプルトニウム、長崎原発の5000発分が日本に溜まってしまっているのですよ。原発を全て廃止することにしても、抱え込んでしまった大量の使用済み核燃、プルトニウム、高レベル廃棄物の処理の問題はそっくり残ります。新しい原発を作らないと、それがもう増えないだけです。だから、トイレのない云々の問題は、再稼働反対では全く解決しません。」と。 

 難しい話なので、分かりにくいが、日本に溜まっている、原発関連の「恐ろしい物質」は以下の種類に分かれるであろう。

1.まだ、全く燃やしてない新品の核燃料

2.燃やしている途中で、原発停止になり、プールで冷やして保管している使用中核燃。

3.もう燃やし終えて、使用済み核燃になり、当座の保管中の使用済み核燃。

4.再処理済みで、プルトニウムを含んだ再利用向けの核燃と高レベル廃棄物に分離された状態のもの。 

 いわゆる「核燃料サイクル」とは、この1.から4.をぐるぐる回す仕組みであったが、今原発を廃止すると、上記の1.から4.が、そのままストップして、そのまま残る。サイクルが前提であった元々は、4.からの高レベル廃棄物を処理することが唯一の処理課題であったので、それについては、人類はもう50年ほども研究開発をしてきており、ガラス化固化による長期保管技術も一応できている。(最終投棄、つまり宇宙にでも捨てるとか、地球の奥深くに押し込むとかの問題が残っており、それがトイレ云々であるが。)ところが、今、原発をやめると、4.からの高レベル廃棄物の処理問題以外に、1.から3.のぞれぞれの処理問題が新たな問題として浮上するのである。この点が、一般的に理解されてない難題である。 

 それについていうと:

・原発を止めたスウェーデンは、3.の再処理しない使用済み核燃の「直接処理」につき、長い間かけて苦労してきている。米国は原発やめていないが、使用済み核燃については基本的にはこれを志向し始めている。日本は未だほぼ白紙。

・一方、最も厄介なのは、2.である。燃えている途中で止めてしまった使用中核燃。これは発熱も盛んである一方、既に高い放射線を長期に発し続ける核反応後の物質が大量にあるし、更に、制御しないと核分裂から核爆発にまで至るリスクがある。正直言って、使用中核燃は、原発を再稼働して燃やしてしまったほうが早いのである。

・1.の未使用核燃は、まだ熱を発する前だから、問題は低いが、日本の原発用に加工したものだから、転売は技術的にも難しく、また国際的な規制上、制度的にも転売は難しい。かつ、これも管理されないと、核兵器転用、核爆発などのリスクがある。燃やしてしまうほうが早いかも知れない。

 以上を言うと、「途中で止めたから、却って怖い物質が残っているのなら、やっぱり、原発再稼働して燃やしてしまったほうが早い」という安易な考えに至りそうだが、それは本末転倒である。現在の規制基準は甘いものであり、その基準での原発再稼働はあり得ない。しかし、原発廃止の意見の人は、実は、上記のとおり、これまでのトイレ問題(4.の高レベル廃棄物の最終投棄問題)とは別の、新しい大問題、特に2.3.の処分問題を抱えるということに、真摯に向き合うべきであろう。原発反対派が、意図的に触れないようにしているのもこの点である。再稼働派も欺瞞的なら、反対派にも欺瞞的な面があるということだ。 

 その辺を総合して、私は、まだ原発を諦めてしまうのでは、エネルギー総合政策的にも日本が苦しくなること、却って上記の新しい処分問題を生んでしまうこと、以上から、規制基準を改めて作り直し、加圧型(PWR)の原発を中心に、もう一度、ゼロからのつもりで開発し直すことを望んでいるのである。        Nat

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