何度も言うが、加計学園疑惑は、本当はどうなのか分かりにくい。新設獣医学部の認可等、国民にはそもそもさっぱり分からない。だから安倍政権も、突っ張り通していれば消えていくと読んでいたに違いない。ところが前川前次官の爆弾発言が出た。それで読みが狂い、現在余計に突っ張っている訳だ。
● 獣医学部の新設は50年以上ないが、獣医学部に限らず、人間の医者の数にもずっと抑制が働いている。「医者」という命に係わる職業が粗製乱造されない為という大義名分がある一方、供給過剰を回避したい医師会・獣医師会は常に自民党の応援団であったからだ。
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日本の獣医師は、人口当たりの数で先進他国より若干とも多いくらいで、決して不足ではない。獣医師で地方の公務員になる人が足りないようだが、一番収入もいい動物病院については、まず飼い犬・飼い猫の数はそれぞれ9900万匹でむしろ微減中である。動物病院勤務の獣医師の為に、獣医学部新設するニーズは取り立ててないようだ。
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一方、確かに地方の公務員獣医師はなり手が少ないようだが、これは勤務条件、報酬の改善が検討されている。よしんば、既存の獣医学部で供給が不足するなら、これまで各大学の獣医学部定員も増員されてないが、まず定員増を検討すればいいことだろう。ということで、規制緩和で、特区での新設が議論された時も、石破4条件で、よぼど「なるほど」という例外に相応しい理由がないと、新設の必然性は乏しいとなっていたものだ。
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これからすると、やはり、今治に加計学園の獣医学部を敢えて新設する必然性は乏しかったかも知れない。前川前次官がそう指摘し、自民党で前に担当していた石破氏が疑問に思うなら、やはり「怪しい」と思える。安倍の指示を最初から決めてかかるのは禁物だが、やはり怪しい。
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というなかで、安倍政権・自民党の「強引無視路線」がいよいよ強まっている。ネット世論の中でも、「こういう下らないことばかり追求していないで・・」という議論もある。しかし、私は驕り高ぶる傲慢安倍政権の「一事が万事」的な疑惑として、やはり、国民は注視すべきことであろうと思う。たとえ、安倍は結局、逃げ切るとしてもだ。 Nat