★衆議院選挙が終わり、色々あったが、安倍自民政権が再び主導する日本であり続けることになった。報道では改憲問題が目立つが、日本の抱えている最も重大な問題は、自衛隊の合憲化ではなく、(1)ジリ貧日本経済と(2)社会福祉改革の欠如である。
● (1)の「ジリ貧日本経済問題」については安倍政権は「アベノミクスの再起動」を主張しており、そして、アベノミクスの3本の矢のうち①日銀金融超緩和、②公共工事等の財政投資はさて置き、これまで全く不発であった、肝心の三つ目の③成長戦略については、安倍首相は、盛んに「その為に、生産性の向上が必須」と叫んでいる。
● 安倍自民に投票した選挙民で、安倍首相が選挙前から言っていた「生産性云々」の嘆かわしい意味を理解して投票した人がどれ位いたかと思う。
● 日本経済において、勤労者への付加価値分配(つまり給与等)が実質で減り続けていることと、数字の上での「生産性」(一人あたりの付加価値数字)が特にサービス分野で低く見えるのは、共に、一言で言うと、自民が既得業者の為のシガラミ政治を強力に続けているからである。シガラミ政治の為、規制緩和は全く進まず、既存業者が多く居過ぎたまま。だから、ある意味でつぶし合いで、個々の業者の付加価値(利益)は国際的に非常に低いまま。そして、そういう窮屈な中で成長戦略への果敢な挑戦などあり得ず、自民政権の保護にしがみ付いているだけの所が多数だからである。
● そういう中で、安倍自民政権は、成長戦略といっても、既得業者シガラミを脅かさない話しかできない。だから、インバウンド需要とか、アニメとかのクールジャパンとかを口走ってきた。そして、規制緩和せずシガラミ温存のまま生産性を上げる話をしようとすると、流行りの「AI」とか「IoT」とかを口走っておく位しかできない。
● 以上の通り、シガラミ既得勢力の温存と成長戦略とは多くの場合、一旦、矛盾するのである。だから、シガラミでない、新しい改革保守の二つ目の政権政党が出来ないかと期待し、一瞬、希望の党がそれになるかと思ったが、全く不発であった。勿論、枝野立憲は、旧民主の左派部分であり、今回一瞬票を得たが、野党としては良くても、全く二大政権党になる党ではない。日本は、シガラミ自民政権と共に、このまま更にジリ貧になっていく運命で決まった。ああ、気分が滅入る。(憂国・憂国!と叫ぶ元気も、暫くは湧かない。) Nat
★追記:
付言: なお、社会福祉体制の改革が起こらないのも、勿論、安倍シガラミ政治では、介護も医療も、サービス供給業者の既得利権擁護優先だからだ。そして、シガラミ政治に守られている人が多いから、安倍自民に投票する。しかし、それでは国全体では沈没していくという構造である。沈んでいく潜水艦の中で、乗り組み員が、潜水艦の中の部屋の縄張り争いをしている様に近い。 Nat