♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2018年01月

「今の日本は完全雇用で、ここからは賃上げ」説の間違い

★今朝の日経 『失業率が2.8%で3%割れ、完全雇用、企業が賃金など雇用条件で競い合って人を奪い合ってもおかしくない』と述べている。更に、職種によってばらつきがあることまでは書いているが、なぜ、実際には賃金上げで競って人を奪い合うまでにはなっていないのか、という最も本質的なことは述べてない。

● 例えば建設現場労働者や飲食店等の接客業の求人倍率の「4倍」という数字は載せている。何度も書くが、求人倍率はハローワークという時代遅れの場に登録されている求人の人数とハローワークで応募して採用された人の割合で、その絶対値にはもう殆ど意味ない。実際の採用はネット・スマフォ等の他の手段でされているからだ。唯一意味が少しあるとすると、求人倍率の増減傾向くらいだろう。建設現場も飲食店も、実際に必要な人数の4分の1しか採用出来てない訳でなく、人集めの苦労はあるが、結果的にはアジア人等で埋めているのだ。

● そこで、雇う側として、賃金をそうそう上げる必要もないし、1割上げたら追加で採用できるかというと、人が来ないのは賃金が安いからでなく、職場が嫌だからであるので、賃上げで大した追加採用は出来ない。その一方、もし上げる場合、今の賃金水準でも喜んで働いてくれている現在雇われている人の賃金まで上げないといけないので、そんなことを簡単にする訳がない。

● 一方、製造技術者とか会計実務者とかの求人倍率は0.6~0.7 等とも書いている。これまた絶対値はハローワークだけの数字で意味ないが、需給はそうひっ迫している訳でもないことを示す。そういう中で、安倍首相の願うように、企業が正規従業員に3%のベースアップなんか出すわけない。

● だから、日経の「完全雇用」云々報道にも拘わらず、賃金は上がらない。だからこそ、安倍首相は、最低賃金950円とかを1300円とかに一斉法定値上げするしかないと私は言い続けている。飲食店の全店一斉禁煙措置と同じで、全員一斉値上げするなら、横一斉だから、経営破たん等の問題はミニマムに抑えられる。

● ということで、日経は「完全雇用」とかつまらぬ報道するより、そういう経済の実態を述べるべきだ。    Nat 

トランプ大統領が今、減税法案でやろうとしていること

★トランプ大統領は今いったい、何をしつつあるのか?

● 彼が大統領に就任してから、移民関連の大統領令などパーフォマンスにはなったが結局実効性不発のアクションばかり続き、得意のはずの通商交渉も全く不発という中で、昨年クリスマス前の、共和党と結託した大減税法案の可決は、唯一最大の大きなステップであったと言えるだろう。

● クリスマス直前に庶民向けに「皆さんへのクリスマスプレゼント!」等と、かなりMisleadingなアドバルーンを上げたが、12月の減税法案は①企業の連邦法人税率引き下げ、②企業の個人オーナー減税、③個人所得税では税率は若干下げるが、一方で控除の制限で庶民には却って増税の人も、④資産家にしか関係ない遺産相続税撤廃、と企業と、富裕層にへの恩恵中心のものだ。

● その上、別に米国の経済が今、あれほどの大幅法人減税を必須としていた訳でもない。

● では、トランプの狙いは何か? 皆、評論家が言っている通り、圧倒的に11月の中間選挙対策だろう。
(1)中間選挙には、先ず、これまで関係ギスギスの共和党との関係の大幅修復が重要。中間選挙は下院を中心とする議員の選挙だから、直接大統領の出番はないが、通常、大統領派の与党は批判票を受けて後退することが多い。トランプ大統領は国民の支持率も低いが、協和党内部でもトランプ降ろしの動きがあり、このまま行くと、中間選挙では、共和党議員の数激減、トランプ降ろしの風が一気に強まることを彼は恐れていた。そこで、共和党の伝統的支持層であるビジネス・富裕層の歓心を買えるビジネス・富裕層減税を共和党と完全結託して実現。中間選挙に向けては、彼の熱烈支持の白人労働者が実際には増税になろうが、どうせそういう人には難しいこと分からない。Appleだ、AT&T等が米国の投資や雇用増やすとのアドバルーンさえ上げてくれれば、それで、雰囲気十分という訳だ。
(2)それよりも、何ら実績のないトランプだから、とにかく、11月までに、現在の好景気・低失業率が維持されることだけが最大の関心事。大減税のメッセージ効果での景気は11月までは持つだろう。加えて今年になってインフラ公共投資の大アドバルーンも上げた。これらの無謀な施策の結果、米国が中期的にはおかしくなるという皆が懸念するリスクは、彼としては一切関知しない。

● 以上のような、まったくの短期的政局だけを見据えた施策として、共和党と結託したビジネス・富裕層大減税法案をモノにしたトランプなのである。

● あとは彼を熱烈支持する白人労働者やキリスト教福音主義派の人たちには、今回の減税が実はプラスにならないことは暫し騙して隠しておけばよく、その代り、エルサレム首都問題や、メキシコ壁問題などで、でかいパーフォーマンスで当面誤魔化しておけばいいのである。America First」ではなく「Trump First」でしかない。
―――これが、希代の狂人大統領トランプが今やっていることの本質であろう。 Nat

※1月31日追記: 日本時間の昨晩、トランプ大統領は、超自画自賛の一般教書演説をしたが、上記の私の見立てに全く沿うものであった。 〆

NHKの731部隊報道・・・またぞろ激烈論争

★昨年8月にNHKで放映した「731部隊-人体実験はこうして拡大した/隊員たちの素顔」。8月には見損ねたのが、先週再放送してたので漸く見ることが出来た。

● 今回は再放送だったので、昨年の8月程ではなかったが、昨年8月の時点では、いわゆる”ネトウヨ”というのだろうか、「NHKが、731という全くの捏造された話をまた大々的に!」と強烈な反発記事が多く出ていた。 

● 戦後、米軍と左翼勢力が広めたいわゆる太平洋戦争に関する「自虐史観」の行き過ぎがあり、それに猛烈反発する人たちが、今でも多数おられる。彼らが否定するのは、①南京市民虐殺、②韓国人慰安婦強制連行、③731石井部隊の人体実験。このうち、①は外務省HPでも、史実とは認めつつも被害者の人数論では幅ありとしており、また②慰安婦は外務省HPでも強制連行問題は避けつつ遺憾の念は表明している。しかし、③731部隊問題は、外務省HPも完全に避けている。そしてネットの強烈論争が一番激しいのもこれだろう。戦争中だから、南京での市民虐殺なり、慰安婦問題のあったことは未だ理解出来なくない人にとっても、731部隊が行ったかも知れない中国人捕虜等への人体実験だけは、戦争中と言えども余りにも恐ろしい話だからだろう。そしてだからこそ、自虐史観に徹底戦いを挑む人たちからすると、731だけは、もう「完全デッチ上げ・捏造」というしかないのである。

● 私はここで、自分の意見を展開するつもりはないが、いかに論争が真っ向対立しているかを記しておくと:
(1) 森村誠一が1982年に731問題を書いた「悪魔の飽食」。使用した写真に偽物あり、その後、写真は入れ替えているが、反対派は「森村誠一がその後、本そのものを完全捏造・フィクションと認め謝罪」と言う。森村氏のHP他では写真の間違い以外の謝罪は見つからない気がするが、如何であろうか。(済州島慰安婦の強制連行についての吉田清治の完全捏造とは構造が違う気もするが・・)
(2) また、今回のNHK番組で報道したソ連によるハバロスフク裁判そのものの信憑性も議論される。戦後、4年たった1949年の裁判で、それまでに被告の日本軍人は「赤化」洗脳を受け、刑を軽くしてもらう引き換えに全部ウソのゲロを吐いたとの解釈。NHKの番組に登場する当時青年だった兵隊の証言も「幾らお金もらって言ってるか分からん」等との突き放したコメントをされてしまう。NHKの流した録音テープも「音質がきれいすぎて、偽物では?」となる。かかる反対派に対して裁判の一定の信憑性を説く研究者も多く、私としては実にすっきりしない。
(3)そして最たる議論が、米国がその後公開した、石井らから没収した資料中には、「人体実験の証拠は全くなかった」と主張する人がいること。それに対し「特にフェル・レポートにはっきり証拠がある」との反論、それに対しては「フェルはソ連のスパイに違いない」との反・反論。もう滑稽なほどの醜い論争になっている。

● 過去の史実に関連、いまだに、このように、国内でも醜い言い争い、相手方への憎しみと侮蔑を込めた論争が続いていることこそ、大変悲しいことだと思う。      Nat

立憲民主党の長期電力展望がいよいよ荒唐無稽

★謹賀新年。さて、年末に立憲民主党が「スローガンだけでない原発ゼロ実現政策」を掲げていたので、私からは「中身がない、それこそスローガンだけ」と書いておいたら、一昨日1月2日に、政策を先ずは箇条書きしたものを発表した。

● まず、呆れるのが2030年に電力需要を30%省エネで減らすと書いてあること。政府の2015年の長期エネ計画でも、原発想定が苦しい分、かなり苦しい計画と思っていたが、政府案では、2030年までの省エネは13%するものの、全部、住宅の断熱等での熱浪費節約、あと将来型自動車でのガソリン節約等がその中身。電力は本当は少なくとも漸増はしていくのを、「1%だけ増える」と嘘っぽい計画にしていたのである。処が立民党の案では、何と電力で30%削減するという。どこでどうやって削減するのかは書いてない。書ける訳ない荒唐無稽なものだ。

● 次に立民党案では、電力の中でも太陽やバイオマスの再生エネを何と40%にと書いている。水力(現在でも9%)がこれに含まれているか分らんが、政府案では30年に水力以外の再生エネを現在の3%から11%にする案だ。これでも、日本の太陽エネ事情などを考えると簡単ではない。それを立民のは、水力を入れての40%として、再生エネだけなら31%ということになるが、これもまさに第二の荒唐無稽である。示せないだろうが「中身を示せ」と言いたい。

● 最後に、使用済み核燃の再処理は禁止という。ということは、使用済み核燃はナマのままの投棄になる。どこにどうやって? また、大量のプルトニウムをどうするか等の、そもそも超難しい問題は、一切避けて語らない。

● 私が年末に具体的に言えと書いたから、少し箇条書きにしてみた訳でもあるまいが、何かを言えば言うほど、お粗末というか、国民へのペテンに近い政策であることが明らかになる。立民は、一瞬人気を博したが、将来への中身が全くないので、もう今度こそ解党した方がいいと思う。もっとも、代りのまともな野党は全くないのが悩みだ。2018年も、日本は全くもって、アカンわ。  Nat
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