★また日経社説(2018年9月8日)が北朝鮮問題で「終戦宣言の前に非核化、そのためにも核リストと廃棄工程表の提出が先」と書いている。そういうことを米政権が言うのは分かる。安倍従米政権が同じことを言うのも分かる。しかし、日経がそっくり同じことしか言わないのは、安倍政権の完全御用新聞になりたいのか、そうでなければ無思考が故だろう。
● 何度もここで書いてきている北朝鮮の非核化と終戦問題だが、まず簡単な部分から: 小学校5-6年生程度の知能と言われるトランプ自身は、北朝鮮そのものには何ら関心なく、危ない飛び道具を振り回す金氏を「オレが飼い慣らしたゾ!!」と、支持者に自慢出来ればそれでいい。トランプからすると、金氏が拘る「終戦」の意味は全く理解できないだろうし、だから6月にはシンガポールで「終戦、、いいね、いいね」と言ったみたいだ。
● 一方、金氏の「終戦」への執念は1956年の米国の衝撃の休戦協定違反以来、親子3代、62年間の「強迫観念」テーマだ。
(1)そもそも、1953年の休戦協定の結果、外国部隊は一旦引くはずで、中国軍は撤収したが、米軍は米韓軍事協定により駐留継続した。北の金政権からすると、これは限りなく協定違反。北では中国軍はちゃんと撤収したのに、南にだけ米軍が居座り、非常に遺憾であり、かつ大きな恐怖を抱いた。
(2)その上、協定の13(d)項で新たな武器の持ち込みを禁止したのに、1956年に米軍が一方的に13(d)無視を宣言、なんと南に核武装ありのロケット兵器(MGR-1:以下URLの記事)を持ち込んだのである。(今では韓国の陸地には米軍の核は直接はないと言われているが。)http://military.wikia.com/wiki/MGR-1_Honest_John
● これに驚愕した一代目の金日成が自国を防衛するために、親子3代かけて核兵器開発に乗り出すと共に、米国との終戦に執念をかけるのは当然であろう。
● 小学生のトランプはさておき、マティス国防長官らは「終戦」になると、米軍駐留(中国・ロシアへの睨み)の根拠が崩れる、また、先に終戦決めると、北が核を温存する、という理由で、当然のごとく終戦宣言より非核化が先と言う。
● しかし、まだ米国との潜在的な戦争継続中と捉えている北が米国に非核化の「口約束」はしても、”敵国”である米国に自分の核兵器のリストを渡す訳がない。
● だから、あり得ぬことを日経は書いている。政治家は往々にしてあり得ぬことを平気で言う。しかし、報道機関が同じではいけない。
● 北朝鮮の核問題、終戦問題は、ほぼ「不可能な方程式」である。小学生トランプの自慢話ネタくらいにしかならない。
そして、残念ながら日経は小学生以下かも知れない。 Nat