★トランプ政権が、ついにトランスジェンダ―の法的保護を廃止する検討をしているとの報道。
● 日本ではトランス(T)を含めたLGBTの是非に関する喧々諤々議論は、米国に比して圧倒的に少ない。そもそも「原理」的にものを考えない民族であり、かつ神仏混交のごとく宗教的に寛容、更に伝統的に「性」に大らか、少なくともLとGには寛容な文化である。
● 一方、米国という、キリスト教が信仰というよりも「価値観」「原理」を構成する文化・社会では、LGBTはどちらの立場でも強烈主張と議論と対立を産む。
● その中でも、LGBより、Tが更に問題視される場合もある。LGBは要はセックス・性愛以外の要素では、「普通の男・女」であるのだが、Tはそもそも根本的自己意識からして「私は男ではなく女としか思えない」とかいうものだから、場合によっては、LGBより「異常視」され得る。
● さて、今回、トランプが中間選挙に向けて「Tの排除」で票を期待するキリスト教原理主義の人は、どういう根拠でTを罪悪視するのであろうか。
● ここで、超有名な議論、Tは先天的か後天的かという点に入っていく必要あろう。先天的であれば、原理主義者も、生まれつき手がない人にも人権と神の祝福を認めるように、Tの人への神の愛を認めざるを得まい。しかし、原理主義の人は、Tの人は、神に作られた段階(先天的段階)では男は男の意識のはずだったのが、生後、どこかで狂って女の意識に迷い込んでいると見る。だからそれは「神のみ心に反する」として、保護ではなく矯正しようとし、それでも矯正され得ない人は、どうしても「人を殺そうとする」狂った人同様、狂った罪人視するのである。
● しかし私は言う。(1)研究の結果、科学的にもTの先天性はかなり強い、(2)また、仮に後天性度合いの強いTがいても、殺人鬼の場合は相手への「愛」も「配慮」もないが、Tの人はそれとは全然違う。自分の性意識がDNAや性器と異なる人格であっても、Tの人も「愛の人」たり得る。
● だから、Tの人をただただ「矯正」しようという原理主義者は、イエス・キリストが一番憤った、人々を裁き矯正しようとするのみのユダヤ教パリサイ派の人たちになっていないか??と、私は問い質したい。Tの人のどこが「罪」なのか?もしTの人が罪人なら、そういう貴方には罪はないのか?と。(そういう原理主義者からの票狙いのトランプは論外であるが。) Nat