★沖縄の辺野古、埋め立て開始。
● 辺野古問題に関する皆さんのご意見は、そもそもその意見を言う人の「基本的な立ち位置・価値観」が分かると大体何を言うかが分かる。
● そもそも沖縄県に対して、いわば「本土からの ”上から目線”」の人もいる。「沖縄県には手厚い補償・配慮をしてきているから基地負担に文句言う筋合いはない」「普天間の危険性を言うなら辺野古移転に文句言うな」「もう決まったことに一つの県として従えないなら国民でない」等。こういう人は、埋め立てへの抗議座り込み等にも憤慨する。
● 一方、沖縄の琉球併合、戦争時の沖縄米軍攻撃・上陸、戦後の米国化、日本復帰、基地被害、、等を総合して、沖縄県民の(もらってきたお金もあるが)苦しみの歴史を重視する人は、安倍政権の埋め立て強行突破を強く非難する。
● ということで、上記の両派の間には対話も成立しない。丁度、安倍政権と玉城知事間に対話が成立しないのと同じ構造である。
● しかし、斯かる、いわばイデオロギー的な、ある意味で「偏り」を排して、客観的にみるとどうか? 私の頭の中には、今、次元の違う二つのIssuesがある。
(1)前から論じている通り、普天間の米海兵隊の大半がグアムに移る中で、沖縄に残り辺野古に基地を持とうという第31海兵遠征隊もこの際、思い切ってグアム移転でも軍事戦術的には大問題はないのではないか?(中国等との開戦初期対応は嘉手納の米空軍、横須賀の米海軍で対応、次の段階の突撃上陸等の段階にグアムから来れば足りることが多いはず。)しかし、①米軍の中で海兵隊が空軍と海軍に政治的に劣後することへの海兵隊勢力の拒否反応と、②2.6兆円の辺野古プロジェクトへの利権から、グアム集中代案は、一応、当面封印されてしまっているだけではないのか?
(2)行政不服審査制度は、国民私人が不服を申し立てる制度であるのに、沖縄防衛局長が「私人」を装って申し立てた不服を国交省が不服に軍配上げた今回の措置は、多くの人が違法に近いと言っており、しかも、沖縄県がそれを12月初に国地方係争処理委員会に持ち込んだ所なのに、その審議を待たずに、国が湾の不可逆的な埋め立てを実行しているのは、さすがに、安倍政権のやり過ぎと言えないか?・・・これも本土の報道機関では、やんわりとしか取り上げてない気がするが、手続き論的にも釈然としないのではないか?
・・・以上から、私は、イデオロギーを排しても、安倍政権の埋め立てには多いに疑問を呈している。 Nat