★どうでもいいのだが、明日で「平成最後の・・」も終わりだ。・・・と思うと、明後日からは今度はやたらと「令和初の・・」が始まる。
● 斯く斯様に、日本文化では、時に区切りを入れるのが大好き。春夏秋冬の季節の区別のはっきりした日本の気候の中でずっと続けられた稲作農耕は、季節・時期ごとに、ムラ全体で一斉に区切りをつけるのを好む日本の文化を生んだ。
● だから、日本人は着るものでも、ある時で区切りをつけて、一斉に切り替える。年末には「仕事納め」の儀式があり、正月が明けると「仕事始め」の儀式がある。
● 一年の中の小さな区切りに加えて、大きな時代の区切りも好きだ。「xx時代」「xx世代」とのレッテル付け。だから元祖の中国でももうやってない、元号で時代を区切るのを今も国民全員でやる。という具合に「皆で一緒に時の区切り」が大好きな日本人。
● とはいっても、「区切り」意識は、案外、軽い気分的なものであって、命や存在をかけてケジメを付けるために戦うという程のものではない。「時の区切り」で大きく得るものも、失うものもなければ、それにより、世界の中で尊敬を得るものでも、迷惑を与えるものでもない。その都度「区切られた時間」に「ムラ社会共通の色」とかを付けて仲間意識を味わう、日本人の軽~~い趣味である。
● だから、「平成最後の・・」も「令和初の・・」も、軽~~く聞き流していればいい。はい。
Nat
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以下、更に加筆
★昨日、「平成」から「令和」への切り替えに関連、日本文化が稲作農耕文化をベースとし、「ムラ全体で一斉に時に区切りを付けて時の切り替えをする文化」であると書いた。
●今日こそが「平成最後の日」なので、例により報道機関も大晦日のように「感慨深く」語っている。今日の夜中にカウントダウンでもするのだろうか??
●ぞれでだ、、「平成とはどんな時代であったのか?」という歴史的振り返り論も盛んだ。
● そういう中で、しらけ気味の私で恐縮ながら、「平成はどんな時代であったか?」と聞かれると「平成は、昭和天皇崩御から、平成天皇が85歳で高齢によるリタイアされた時までの時代」としかいいようがない。たまたまその期間中に起こったことを羅列することは可能だが、天皇が憲法上「象徴」であり世の中で起こることに「影響」があってはいけない建前である以上、「平成はどんな時代であったか?」について、世の政治・経済・社会の事象から論じるのは、建前違反であるとすら思う。
・・・しかし、てなこと言うのは、日本文化の中では「屁理屈」となり、全然好かれないと思うので、ここで筆を置きますね。。。はい。
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更にに加筆
★私の先ほどの意見:「平成がどう時代であったか?」につき、政治・経済・社会の推移で述べるのは筋違い、論に絡み、更に一言。
●「平成時代」は「平成天皇が天皇であった時代」以外には意味があり得ない訳だから、「平成はどう時代だったか?」については、唯一、天皇制のあり方として平成天皇がどうであったか?に絞って述べるべきであろう。
● 平成天皇の最大の特徴は、現行憲法の「国と国民統合の象徴(シンボル)としての天皇」という規定との関係で、昭和天皇よりも、平成天皇が圧倒的に国民の中に降りて行ったことだろう。
(1)憲法の定める、天皇の行うべき「国事行為」とは総理大臣や最高裁長官の任命や法令・条約の公布行為等である。それ以外の、国事行為ではないが、公的な感のある行為は「天皇の公的行為」とされ、国会開会式や国民体育大会などへの臨席、外国への公式訪問などは、誰でもが「準国事行為」と理解するだろう。
(2)一方、公的行為の中で、議論の分かれるのが、「国内巡幸」。国民との距離を保ち近寄りがたい「象徴的存在」が車とかで巡幸し、国民は日章旗を振る。そういうのに留めるのか、それとも、平成天皇ご夫妻の通り、被災地の被災者一人ひとりに膝を折って対面し、手を握って声をかける所までするのか?(しかも、右派の人が猛烈に反発している通り、皇后陛下が、天皇とは別に、天皇の片割れのように国民と接するのがいいのか等という問題まで包含する。)・・・ここまで来ると、憲法上の天皇の役割(象徴としての国事行為あるいはそれに類する”儀式”)を越えること、つまり”儀式”ではなく、天皇のより積極的な新しい役割を、平成天皇が開始したことを意味する。儀式の国事行為だけなら85歳でも出来るはずとの議論もあったが、平成天皇の拘った国民一人ひとりに向き合う役割は85歳でリタイアだったのであろう。
● 安倍首相を筆頭とする日本会議派(右系)の人たちは、天皇はむしろ、象徴・儀式にとどまり、国民から遠い「スクリーンの向こう」で良しとする。一方、憲法の規定を殆ど気にもしない一般庶民は、天皇ご夫妻の一人ひとりの手を握るのに感動し喜びを感じている。かくかように、為政者と庶民の受け止め方にかなりギャップが出ているテーマでもある。
● さて、令和天皇は、恐らく、平成天皇路線の更なる推進の方向なのであろう。それに対し、右の巻き返しなどが出て来る、それが令和時代であろう。