★イランとの緊張で、ホルムス海峡のタンカー護衛に自衛隊が出動出来るか?問題が、選挙前のこの時期に浮上している。
●振り返ると6月13日、日本の国華産業のケミカルタンカーが被弾。米国トランプ政権の「中東でのタンカーの防御は自分でやれ論」がにわかに浮上。そして、その後の米・イランの緊張の高まり。更に、昨日、米軍関係者からイラン沖などを航行する民間船舶を護衛するため、同盟国の軍などと有志連合の結成をめざす方針が発表された。
● ホルムス海峡なりイラン沖に自衛隊護衛艦を派遣できるのか? 米軍関係者の言うような「有志連合の一員」として派遣出来るのか?---この問題は、トランプに言われなくても、日本の安保政策議論上、かなり重要な問題であると思う。しかし、今、国会は閉会中で、そのような問題が国会で取り上げられる局面もない一方、選挙に向けて改憲問題もあり、本来この点は、選挙に向けての議論あるいは報道の中でもっと採り上げられてもいいことではないか、とも思う。
● 日本の自衛隊が、個別的自衛権で、日本のタンカーの護衛が出来るかというと、私の理解では、極めてリスクが高い場合、日本の自衛隊のイージス艦などが護衛に派遣されることは法的にはあり得ると理解している。しかし、実際に交戦になった場合、どこまで戦えるのか?等、ファジーな面が多い。
● 一方、米軍の提案のように、有志連合の一員となると、集団的自衛権上の「重要影響事態」や「日本の存立の危機状況」に相当して、そういう有志連合の一員としての自衛隊艦船の派遣が出来るのか、まさに、今回の選挙の焦点の一つでもある改憲論につながる「集団的自衛権発動の許されるケース」という重要議論の非常に良いケースになる。
● しかし、今日現在の与党、野党の動きを見ていると、一般論で安保政策を主張・批判はしても、今、折角、丁度浮上しているイラン沖のタンカー護衛という生々しい具体的ケースでの議論は、皆、避けているような気がする。違うか??
● とすると、与党も野党も、実際に、日本をどう守るか?という問題は難しいから避けていて、結局、自分の政党・議員の当選にしか関心がないことになる。
・・・政治家って、所詮そんなものかも知れないが、余りにも嘆かわしくないか? どうだろう??? Nat