★★安倍政権の振り返り評価。ちゃんとやろうとするには、私に、時間も能力も不足するので、もうアベノミクスについて、ザックリの一言だけ。
●経済指標で、政権期間中に顕著に向上したのは、雇用者数と、株価だろう。以下の2つのグラフ。しかし、株価は、庶民は株なんか持ってないので強調しても受けないから、専ら、政権の自画自賛は雇用の方になる。
●そこで、雇用の推移をザックリ: 2009年リーマンショックからの回復時期には、企業が正規を減らし非正規に切り替えて収益の回復を図った時期。処が、その後、2015~18年には正規も増えた。
●その時期に何が起きていたのか? 先ず、2014年の消費増税(8%)、社会保険料負担の増加もあり、消費者の消費はサッパリのままだった。しかし企業活動が、ちょっとした「ミニバブル」したのだ。何故か? 3つ目のグラフの異次元金融緩和でお金は溢れ、金利はゼロに。それで、リーマンから立ち直っていた企業は、金利がゼロの中、利益も増やし、設備投資も多少復活、かつ、業容拡張で人を雇ったのだ。それまでの、介護分野に加えて、サービス・製造・金融等で特に女性が雇用された。
● 18年、19年は、それに加えて、中国人などのインバウンドで、飲食店・旅館などの非正規(更に女性・学生・アジア人)採用が増えた。
● このように、雇用増は、消費者の消費回復なきままの、異次元金融緩和のもたらした「企業レベルの一種のミニバブル」であったのだ。しかし、それも、今年のコロナで、上記のインバウンド消失と併せて、終ってしまった。
・・・・こうやってみると、超金融緩和は、デフレ脱出、消費者の可処分所得の向上と雇用増の好循環は全く伴わないままだが、株価上昇と併せて、企業レベルでのミニバブルは生んできたのである。それがアベノミクスの最大の「成果」だろう。一方で、肝心の規制緩和・成長戦略は実質ゼロだったのだから。