★米国のテキサス州。日本人からすると、なかなか理解できない、特殊な「独立気質」の州だ。
● そもそもメキシコの一部だったのが、メキシコからの独立戦争を経て、都合上、条約により米国の一部になっている経緯からも、かなり変わった州である。
● それが、まず驚いたのが、先の大統領選挙の投票で、コロナに便乗した不正があったとして、ジョージア州等4つの州を、連邦最高裁に訴えたことだ。僭越にも他の州の選挙のことを訴えるようなことをするのは、全米でも、やはりテキサス州位だろうと思われた。
● ところが、今般、同州で厳冬がゆえの大規模停電が起こって、改めて、同州が、基本的に、米国の他の州の電力送電網から「独立」した電力体系になっていることを知った。もともと石油の豊富なテキサスだ。今では天然ガスと石炭の発電を中心に、広い土地を活かして風力発電も積極的に取り入れている。しかしだ、他州との電力融通を組織的に行うと、連邦政府の規制下に入るのを嫌い、基本的にテキサス州で独立した電力供給体系を作っている。以下の米国の電力網の地図のように、米国の電力送電体系は、東半分、西半分、そしてテキサス州の3つに分かれているのだ。
●だから2011年冬にも限定的だが停電問題を起こしている。それが、今回は大停電だ。温暖なテキサスだが、世界的異常気象で、摂氏で零下にまで下がったものだから、風力発電もガスパイプラインのポンプも凍結するという「想定外」の事態になった。しかし、「電力独立体制」の同州だから、大停電にならざるを得なかった。
・・・・今後は、予備電力の充実などの対策を採るのだろうが、電力の「独立」体制を含めて、米国の中で「独立国」ぶりを貫くの同州の気風は、なかなか変わりないのだろう、と思う。
Nat
