★ 「とにかく、石炭火力だけは、もう絶対ダメ」・・・日本国内の新設石炭火力もダメ、日本メーカーがアジア等に石炭火力プラントを輸出するのもダメ、たとえ超ハイテックでCO2排出少なくてもダメ、とにかく「石炭」といった途端にダメ。今や、とめようもない、世界の潮流がこうだ。
● その上、報道でも「石炭火力はLNGの2倍CO2を放出するのでもうダメ」的な単純決め込み解説が出回る。そもそも、石炭は黒い汚い石のようだし、燃やすと黒い煙がモクモクと出そうというように、人々の「偏見」の塊りを集中的に受けてきた。世界政治の「50年炭素ゼロ」運動の中で、石炭は最大の「scape goat」(いけにえ)、あるいは「魔女狩り」の対象になり、政治家・報道を含めて、もうそれで決定のようだ。
● もはや、以下のような冷静な議論は、「せっかく皆で石炭撲滅を頑張っているのに」として、却って嫌がられる。
(1) しかし、超最先端のハイテック石炭火力の出すCO2はLNGの1.3倍程度の差でしかなく、また、更に、石炭燃料に「炭素フリー扱い」のバイオマスやグリーン由来のアンモニアを混焼することで、LNGのCO2以下にも出来る。更に、CO2の回収という手段もあり得る。・・・しかし、もう何を言っても、「石炭=汚い、LNG=美しい」になってしまった。
(2) そのLNGだが、昨年冬から年初にかけて供給の大不安を巻き起こしたのを、よく分っている人は案外少ない。世界の中で供給源が限られ、石油連動高価格。そして、日本では更にパイプラインなしで液化して運んでこなくてはならないのだから、もう怖くて怖くて、とてもベースロード(本来、原発と石炭がベースロード)には出来ない代物である。
● しかし、もはや世の風潮は、「汚い石炭火力を全廃し美しいLNGにし、出来れば原発もなし、自然な太陽と風で美しいエネルギーを楽しみましょう」みたいになってしまっている。このままだと、間違いなく、日本ではエネルギー・電力供給が途絶えたり、コストが超高騰し、苦しむのは国民だが、政府は知らんフリを決め込んでいる。もう知らんよ、ホンマに。 Nat