★五輪の日本の柔道の金メダルラッシュ。
● 2012年ロンドン五輪で柔道が金メダルゼロにまでなったのを考えるとスゴイ。一時、有効ポイントとか指導・反則点制とかで、何のスポーツか分からなくしてしまっていたルール問題が、試行錯誤で、改善してきているのも背景であろう。
● しかし、私からすると「柔道」を創始した日本の「お家芸」であるか故の勝利という、「我田引水」論に傾き気味である。
(1) 柔道人口で言うと、ブラジル200万人、仏56万人、独18万人、日本16万人等だから、別に日本の柔道人口が世界最多なわけでもない。しかし、日本の柔道人口16万人に対しレスリングはわずか1万人、一方、米国では、レスリング40万人、柔道2万人。・・・これから、日本で「格闘技」というと「柔道」なのだ。
(2) 逆にいうと、ブラジルでこそ柔道の人数が非常に多いが、組む格闘技としては、世界全体としては、歴史的にもレスリングが中心で、やはり柔道は「日本の格闘技」が欧州・伯に拡がったものとの位置づけだろう。
・レスリングは古代ギリシャの昔からある。スポーツショー(あるいは神技)として行う場合、上半身裸で組み合うのが自然だ。日本の相撲、中国の角力も、裸で組み合う。これが世界の主流。
・一方、柔道の特徴は、柔道着を着て服を持ち合うことだ。何故かというと、日本の柔道の源流は、戦国時代の武士の戦場での取っ組み合い武術だからだ。明治になり、加納治五郎が、今の柔道に纏めた。この経緯は、レスリングにない独自なもので、それがゆえに、柔道を今でもユニークな武術にしている。(因みに、空手など拳法は柔術の一手だが、戦場では殆ど有用ではない。その辺の武術の歴史については、私の昔のブログをご参照。
● 要は、言いたいことは、柔道は、基本的には日本独自の格闘技で、日本ではレスリング・相撲より圧倒的に柔道。そして、欧州・伯に拡がり世界スポーツにはなったが、いまだに、日本のお家芸である、ということだ。そして、色々背景はあろうが、日本がお家芸で圧倒的金メダル、私としては、非常に嬉しいということだ。 Nat