★いつも、私は、ここで、「日本はジリ貧」論を書いてきている。
・・・GDPはずっと殆ど成長してないし、就労者の実質所得もずっとほぼ横ばい、実質可処分所得は漸減、、、どう見ても、もう全く勢いがない「ジリ貧国家」「ジリ貧経済」であることは間違いない。
★下の最初のチャートは、国民一人あたりのGDPだが、日本は真ん中の青い棒グラフ。他の国が伸びる中で、日本はこれが伸びないのだから、今後、このグラフで、日本は右のほうに転落していくのだろう。
・しかし、右端の国、チリ・メキシコ・トルコ・コロンビアでは、国民が皆貧民の余り、毎日泣いている、そして、毎日どんどん飢え死にしている、、というようなことはない。各国、それなりに皆、暮らしているのだ。
・とすると、日本が、右のほうの国に転落して行っても、少しづつ、右に移動していくのだろうから、日本の国民、特に若い人は、「世の中って、こんなもん」という割り切りをして、それなりに、比較的貧しい日本の中でも、そこそこ幸せに生きていくのだろう、と思う。
★つまり、日本国民が全体として、少しづつ貧民化していくのなら、皆が、それなりに、そこそこの幸せな生活と思えるのであろうが、大問題は、やはり、格差であろう。
・二つ目のグラフの格差係数である「ジニ係数」。上の青いジニ係数のグラフで、日本では格差が広がっているのが分かる。下の赤い方は税金と社会保険で調整後は、何とか、格差拡大が補正されているようには見えるが、平均の話だから、個別には補正し切れてない格差状態の国民が増えていると思うべきであろう。
・三つ目のグラフは、世界の中での格差状況、右のほうにある米国はもともと格差がヒドイが、日本も、比較的格差は大きく、かつ、上記の通りそれが拡大中だ。日本の場合、就労構造上、「非正規」というのがあることと、高齢化が背景だ。
★ということで私が懸念するのは、国民全体が一様に貧民化していくならまだしも、格差が拡大する形での日本の貧民化では、社会の歪みが許容範囲を超える恐れあるという点だ。
・・・・今回の自民総裁選の討論で、誰も「経済の成長」つまり、分配前の「パイの拡大」をまともに語れなかった。もう、それは無理なのだろう。なら、岸田氏や野田氏の語ったように、格差問題への対応、せめて、今後、それに取り組んでほしいものだ。
Nat
