・・・かなり長い文になり、すみませんが、おかしいものはおかしい。これくらい書かないと分からんと思いますので・・・。
★福島原発の「処理水」の海洋放水。先日、Green Peace(GP)の反対の理由が非常に不適切であることを書いた。(記事:http://iamnat.dreamlog.jp/archives/52094104.html)
★今日、GPがもう少し詳しく書いている記事を見かけたので、それに基づき更に以下を述べる。・・・言っておくが、私は東電の弁護のつもりは毛頭ない。私個人は、東電には不信感大きいし、海洋放水はここまでこじれると無理だろうから、むしろ大気への蒸気での放出を提唱している。しかし、環境派の反対論で、不適切なことにはモノ申す。
【1】GPの反対理由1 – GPは「東電がタンク保管中の、まだ放射性物質が基準以上に残る汚染水を、単に水で薄めて放水するだけ!」と言って、反対している。・・・もし本当にそうなら、100%全員が反対する。というか完全に違法になる。・・・下の写真の「放射能汚染水を海に流さないで」―――当たり前だ。そんなこと誰もさせると言ってない。
● 東電の計画では、①今、タンクの7割はまだ核物質除去前の汚染水 → ②それをALPSという除去装置で、62種の核物質につき基準値以下に除去 → ③除去できないトリチウムを基準値以下にするために②を大幅薄めて → ④それで放水・・・である。
⇒ ところが、GPの反対文では、①の、怖い核物質が未だ入っているのを、③で薄めるだけで放出するように書いている。これは政府・東電の計画とは違う。GPの歪曲だ。
以下補足:
(1)政府の基準は、放水される処理水を70年間毎日2リットル飲み続けても、平均被爆線量が、1mシーべルト/年という一番厳しい上限基準以下になるまで、処理水中の全ての核物質の合計を除去し抑え込むべしというものだ。・・・実際には、その基準をクリアする処理水を、更に、③(希釈)で500倍に薄め、その上で、広い海に流す。70年飲み続けてもOKな処理水を更に薄めて海に流すのですよ!
(2)GPも、恐らく実はその点は分っていても、そうは言わずに一般市民を脅かしたいのだろう。
・・・・一方、2018年までの東電の対外説明は、もう全てのタンクではALPS処理済みみたいな言い方をしてしまっていて、それが、実は7割は「未だこれからで、放水前に処理する」ことが判明。大きく地元の信頼を喪失した一件があった。東電のやり方は最悪だった。⇒ だから、もしGPが言うなら「2018年のウソ同様、本番の放水でも、未処理のまま流してしまうのではないか?!」だろ。そして、もしそう言われてしまうなら、東電に「前科」あり、東電の自業自得になる。しかし、実際のGPは、意図的に歪曲した反対をしている。
・・・・一方、2018年までの東電の対外説明は、もう全てのタンクではALPS処理済みみたいな言い方をしてしまっていて、それが、実は7割は「未だこれからで、放水前に処理する」ことが判明。大きく地元の信頼を喪失した一件があった。東電のやり方は最悪だった。⇒ だから、もしGPが言うなら「2018年のウソ同様、本番の放水でも、未処理のまま流してしまうのではないか?!」だろ。そして、もしそう言われてしまうなら、東電に「前科」あり、東電の自業自得になる。しかし、実際のGPは、意図的に歪曲した反対をしている。
【2】GPの反対理由2 - ALPSで除去できないC14とトリチウムの問題:
● この、理由2の方は、GPの歪曲問題ではなく、科学的に議論すべき問題だ。
・・・・ALPSが除去する核物質、ストロンチウムとかセシウムとかは、通常の身の回りにはない特殊な物質である。逆にだから、除去し易い。ところが、C14 は炭素の一種、トリチウムは水素の一種(“同位体”)だ。両方、普通の炭素や水素に中性子が2個余分にくっついている。そして自然界に一定割合存在するし、我々の体の中にも、普通に微量ある。
・・・・更に、このC14 もトリチウムも、β線(電子放出)という放射線を出すが、超弱い奴で、紙一枚通過できず、海水の中でも1ミリも前進出来ないで終わる虚弱なものだ。そして、特にトリチウムは普通の原発でも発生するので、薄めて海水放出している。唯一、学者によっては、C14やトリチウムが人間の細胞中に一定量以上入り込むとちょっと怖いかも、との意見はある。だから、ちゃんと放水基準を設けて、ずっと放水してきている。
⇒ それでだ、C14の方は、東電も放水基準の特に対象にしてなかったが、2020年に国会でも質疑あり、今では東電の「総量規制」の内数になっている。
⇒ トリチウムの方は、前述のとおり、ALPS処理水を500倍に薄めて、全国の他原発同様、基準以下にして放出する。
◆◆ それでもGPは、トリチウムは、除去技術を開発して除去するまで放水はNGと言っている。今まだ大量処理可能なトリチウム処理技術はない。東電の立場は、2023年にタンク置き場満タンで、技術開発していては間に合わない、とのことだが、そんな言い訳なら、GPから「無理にでも福島県中にタンク置き場拡げろ」といわれるだけだ。・・・・むしろ、むしろ、ここの本質的問題は、全世界で日本でも、どこの原発でもトリチウム水は放水しているのを誰も止めないのに、なぜ福島だけではNGなのか?に尽きるのだ。GPが反対するなら、関電等で放水しているのにも反対しないと一貫性がない。おかしい。
◆◆ しかし、地元漁連は、トリチウム問題含めて、国民には難しく分からないから、風評被害が重大と懸念している。つまり、ことの本質的問題は
①国民・漁連を不信にした東電の誠意ない態度
②科学的判断だけではどうにもならない風評問題
この2点だ。・・・だから、私は、海洋放水は結局無理では?? - だから蒸気での大気放出(注:コストもバカ高いし、大気放出でも懸念ゼロにはならんのは分かっとる・・・)のほうがマッシでは、と言い続けている。
・・・以上、たいへん長文で済みません。しかし、Green Peaceが不適切に歪曲して反対しているので、それに乗せられて反対するマジメな人たちが気の毒ゆえ、しっかり書いてみました。
Nat


