♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2022年06月

★各政党がいまや皆Active defense政策 - となると・・・

★参議院選挙に向けての各党の政策の話で、前には原発政策のことを書いたが、今回は、国防・安保政策について、ひと言。
・・・着眼点は、いわゆる以前の日本の純粋専守防衛の「Passive defense」対 最近の「Active defense」が、各党でどうなっているかだ。
◆ その点に関する各党の政策:
(1)自民党: 「弾道ミサイル攻撃を含むわが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し対処。」(注: この4月に、「敵のミサイル拠点などをたたく“敵基地攻撃能力” のことを、自民党としては、マイルドに聞こえるよう、「反撃能力」に言い換えることとした。)
(2)立憲民主党: 「弾道ミサイルへの抑止力を重視」(ただし、専守防衛との整合性)
(3)国民民主党: 「攻撃を受けた場合の“自衛のための打撃力(反撃力)を整備」
(4)日本維新: 「積極防衛能力を構築」
※公明党には、そもそも、政策に国防の項目が実質ないので省略。
※日本共産党: 「相手国に「敵基地攻撃能力」を使って攻め込み、「指揮統制機能等」という国家中枢まで攻撃するのでは、相手国の大規模な報復を呼び、全面戦争となり、日本に戦火を呼び込むことになります。ここに日本が直面する最大の現実的な危険があります。」
・・・ご覧の通り、温度差はあるが、そもそも世の中のミサイルが高度化し、日本から迎撃するのが難しくなっていた中での、ロシアのウクライナ侵略だ。だから、何と、共産党以外の全ての党が、既に、実質、Passive defense主義を非現実とし、Active defenseを追求しているのだ。国民民主に至っては「打撃力」という表現までしている。自民タカ派も、1年前であれば、「敵基地攻撃能力」等という話はしなかったであろう。
・・・自民、民主党系が揃って、Active defenseにシフトしている日本。ある意味で、理念・原理・イデオロギーではなく、全てのことをプラグマチックに考える日本人だから、当然ではあろう。そして、この時点では、具体的に、どこまでの「敵国への打撃力保有による抑制」を追及するか、良く審議して欲しい。
◆◆◆ しかし、日本人が理念・原理・イデオロギーに囚われないのであればあるほど、Active defenseを具体化していく今、私としては、憲法9条は、今のまま、どこかで暴走しないための「理念的歯止め」として維持することを唱えている。・・・この点、9条の実務的弊害はないにしろ、もう形骸化しているから、改憲しようという合理派の皆さんとは、アプローチが違ってくるが、私としては、それで進んでいこうと思う。 Nat images

★日本共産党の新エネ政策への公開質問状

★日本共産党の参議院選挙の公約「2030年に新エネ50%、2050年には新エネ100%(原発、石炭、ガス火力をゼロ)」は、マジメに私が応答すべきようなマトモなものでないのは自明であろうが、国民の中には、そういうのに騙される人もいるかもしれないから、「公開質問状」を出しておく。images
・共産党は新エネにバイオマスも少し入れているが、基本的には太陽・風力という前提で以下を書く。
【2050年であろうが、2070年であろうが、太陽・風力100%が実現できるわけがない。】
(1)一週間、太陽が照らない、風が殆ど吹かない場合: 極端だが、共産党は、系統用の大型蓄電池で、太陽・風力の電力を蓄えておいて、太陽・風がない場合に、それを放出する構想だと仮定しよう。(勿論、実際には、火力でバックアップしないとペイしないが、蓄電池で対応可能と仮定してあげよう。)
(2)元々、太陽は直流、風力は周波数デタラメな交流ゆえ一旦直流変換する。それを、直交変換器でギザギザの疑似交流波形にする。それを均してキレイな正弦波にまで整流するのは、家庭用の太陽からのコンバーターでは、そこまでやるしかないので、そうしているが、メッチャ電力ロスするから、発電事業では、ギザギザ止まりだろう。あと、系統用蓄電池からの直流も同様、ギザギザ交流変換をする。
(3)問題は、そこから、各太陽・風力発電からのギザギザ交流は、波の位相(タイミング)がバラバラ。そのまま合流させると系統がバンザイして直ぐ停止する。通常はどうするかというと、原発・石炭・LNG発電などの真正なる正弦波の交流電力で、位相をキレイに合わせておいて、それをベースとし、それにギザギザ太陽・風力交流を少しずつ乗せ、ベースの位相に吸収していくのだ。
(4)100%がギザギザ、まちまち太陽・風力の交流だと、これは出来ないので、系統はただちに停止する。又ギザギザだけなら、交流モーターなどの工業需要家は、バンザイになる。
【共産党への質問】
・上記の周波数、波形、位相の系統統合問題、あるの、分っていますか?
・分っているとして、100%新エネは、原理的に不可能なのですが、2050年までには、共産党が何か画期的な技術開発で、これを可能に出来る根拠をお持ちでしょうか。どういう技術でしょうか。
・・・そうでない場合は、国民を欺くだけの「あり得ない政策」であると認めてください。  Nat

★中絶の件 ー 「う~~む」

★先日、米国の「中絶が憲法上の権利であるとの過去の判決を覆す」との最高裁の判断に関連、米国で強く主張される、Pro-ChoiceもPro-Lifeのどちらも、日本文化では強烈な主張にはならず、日本文化的には、もっぱら「人にどう思われるか」、あと、「医者の先生様がお決めになることに沿うしかない」が規範になりがちとの文化論を書いた。
◆ 米国では、これから中絶禁止の州と中絶容認の州に二つに分かれそうで、そのイデオロギー闘争が、米国を激しい内戦状態にする懸念も書いたが、では、私自身は、どちらの派かなどは書かなかった。
・・・というのは、米国の容認州の法律でも、無制限に中絶を認めるものではなく、日本の母体保護法と余り変わらないし、禁止州でも、概ね妊娠14週以降からの禁止で、実際の「対立」点は、思ったほどではないからだ。つまり、実務上の「対立」点は、「何週目まではOK」になると理解されるが、真の「対立」は、Pro-ChoiceとPro-Lifeのイデオロギーの衝突で、だから、激しく感情的対立になるということだろう。ダウンロード
 ※ ざっくり整理すると:
(1)日本の母体保護法:①妊娠22週未満で、②医師が「妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合」(と暴行・強姦の結果の妊娠)と判断した場合で、本人(+配偶者)の同意がある場合。
(2)米国でも、当然、容認州でも医師の適切なる判断が条件になっているが、実務的には専ら、マサチューセッツなどの容認州が妊娠24週間以内とかのルールであるのに対し、ミシシッピなどの禁止したい州の場合、それが14週間以内となる。ただし、いざ、禁止州で医者に依頼しても、14週以内でさえ断られることが多い、ということだろう。
◆ 医学的には、日本の22週、米国の容認州の24週間のように、概ね22~24週以内の胎児は安全に排出されたとしても、自律的には生存不能とされるので、それ以前の中絶は、実質「殺人」にはならないという考え方もある。そこで、Pro-Choiceは、24週以内の中絶を決める権利は、その女性自身にあり、というイデオロギーになる。一方、Pro-Life派からすると、たとえ14週間以内であっても、そのままお腹の中で大事に育てると、しまいには、人間として生まれてくるものを、その子の「生きたいかも知れない意思」に反して中絶するのは、実質、殺人と同じだ、になる。
・・・・う~~む。私は、聞かれれば、
① 胎児の命と、母体の人権のトレードオフは難しく、他人が口を挟める問題ではないのでは? と思いつつ
② 一方、安易に中絶を認め出すと、確かに胎児の命の問題がおろそかにならないかと懸念も感じる人である。
・・・だから、どちらに軍配を上げることもなく、日本の文化論だけ論じたものだ。幸い、というか、日本文化の特質から、日本では、米国のような、強烈なイデオロギー衝突になってないので、私も「う~~む」で終わりにしている。   Nat

★電力逼迫: その② ― 先日の改正電事法の “超姑息” ― 国民よ、怒れ!!

★昨日、私は、今の電力逼迫・節電要請もだが、この冬に経産省が明確に「電力不足の危機」を警報していることこそ、これまで経産省は「電力逼迫は、地震・悪天候など不幸な事が、偶々、重なったからだ、電力自由化のせいではない」と苦しい言い訳してきたことを、遂に半分以上「実は構造的問題である」ということを自白しているようなものだ、と書いてきた。
◆ 簡単に言うと:
・ 2016年に、経産省は、従来の地域電力会社に長期の電力供給義務を負わせる従来の制度を廃止、誰でもが自由に電気を作って売れる「自由競争制度」に大転換した。
・その結果、自由競争の下、利益確保プレシャーに曝されることになった従来の、東京電力などの地域電力会社は、運転すればするほど赤字が出る古い火力発電をどんどん廃止、その代わりは、温暖化問題もあり、
①LNG火力(燃料を2ヵ月ほどしか貯蔵できず、しかも供給源が極く限定され、非常にリスクの高い電源)
②新エネ(もっぱら太陽―お天気次第、しかも未だ組織的蓄電方式伴わず!)
の二つに依存。一見10%ほどありそうに見えた「予備率」が、実は、かなり危ういものになっていたのだ。
⇒ それで、今年の3月22日に今年度の一回目の危機、今の夏に二回目の危機、そして、冬に遂に足りなくなる本格危機、ということだ。(詳しくは昨日の私の以下記事参照:
◆ 今日、続きで言いたいことは、それへの経産省の対策が、例により、典型的な「姑息な弥縫策」を小出しにしていくものでしかないことに対する、私の怒りだ。
・・・先に閉会した国会で、実は電気事業法の姑息な改正がなされていることを理解している国民は少ない。政府も姑息であることを自覚しているせいか大声で言わない、だから、報道が日和って言わないからだ。改正法のポイントは以下だ:
(1)電気事業者が既存の発電所を廃止する場合、計画の「事後届け」だったのを「事前届け出」に改正。
(2)電力の追加供給計画を「公募」し、いわゆる「容量市場」で入札させるのだが、落札した業者が供給を実現する義務を法的に明確化した。
(3)太陽光・風力発電などの不安定電力を、一旦、大規模蓄電し系統に流す「系統蓄電事業」を初めて法制化した。
・・・3つ目は、超遅ればせで、今ごろ・・・と嘆きつつ前にここで書いた。しかし、今日のポイントは(1)(2)だ。
◆ 2016年の自由化以前は、地域電力会社の新しい発電所計画も、既存の廃止計画も、全て経産省の許認可事項だった。その分、電力会社は長期的な安定供給義務を負う見返りに、長期的な利益を保証されていた。2016年の自由化は、これを破壊し、誰でも自由にお金儲けの発電・売電事業を競争して出来ることにしてしまった。その結果、従来の地域電力会社は古い効率の悪い火力発電所を軒並みに閉鎖したのだ。(報道例:https://www3.nhk.or.jp/.../20220613/k10013669641000.html
⇒ そこで、本来は、自由化政策を半分大きく再転換して、一部の電力会社には、旧来の供給義務体制復活すべきところ、経産省は絶対自由化の弊害を認めたくないから、姑息な弥縫策をするのが、今回の改正なのだ。
・法案の検討段階では、発電所の廃止は、実質事前承認制にし、その代わり、操業継続の赤字を政府が補填するか・・との「自由化政策の大修正」発想も一部にあったが、そういうのは、勿論採用されず。
・採用されたのは、「兎に角、廃止計画は早めに政府に教えてくれ。そうすると政府は、早めにその穴埋めの新規設備の公募をするから」と言う風に、飽くまでも「自由競争主義」を護持し、穴埋め計画も公募で対応するものだ。つまり結果的に「穴埋め公募」が不発でも、「やらんよりマッシでしょ」という無責任体制で、当面様子を見ることにしたのである。
◆ こんな、無責任な体制、政府もうすうすマズいと思うから大声で言わない。だから報道も忖度して触れない。・・・忖度しない溝口がここで指摘して、初めて知った読者は一体どれくらい居られるだろうか、と思うと、非常に怒りを感じる。
・・・それでいて、電力逼迫、「節電は2000円ポイントを差し上げます」だと!? 国民よ、怒れ!  Nat  K10013669641_2206131511_0613154428_01_02

★電力逼迫 ー その本質は?

★電力需給逼迫問題。改めて、コメントする。
・・・要は、経産省は「これまでの逼迫は、偶々不幸な事故が重なっただけで、想定外のこと」と言っていた。しかし、今や「今年の冬は本当に不足の恐れあり」と言っている。ということは、先行きのことだから、得意の「想定外」では誤魔化せず、遂に「逼迫は構造問題(多少とも自由化の影響)」と認めたようなものだ、というのが、私の主張。
【1】これまでの需給と、昨年からの二度の逼迫
(1) 2020年までの需給: 
イ)以下の最初のチャートの通り、2011年の福島原発事故以降、原発停止で電力供給力は減ったが、政府の節電要請もあり、実際の電力需要に対して電力供給予備力は、10%程度は確保されてきていた。
ロ)その背景としては、電力供給力の方も、二つ目のチャートの通り合計量では微増してきていることがある:
①火力は、2016年の電力自由化以降、石油がLNG/石炭に置き換わり火力全体ではキャパ微減になっているものの
②一方、一部の原発の復帰と、あと、不安定電源だが、新エネ(専ら太陽光)が加わっているので、供給力のKW数字は微増してきている。それで、イ)の通り、予備力10%位で推移の形になっている。⇒ ここまでは、「電力自由化の弊害」は、まだ表面化していないことになる。
(2)2020年冬~2021年1月の逼迫:
・世界的にコロナからの復帰での経済が回復してきた中で、天然ガスの供給タイト。ところが、日本の電力構成は、チャートでも分かる通り、LNG依存が高まってしまっていた。LNGはその性質から2ヵ月程しか貯蔵が効かないリスクの高い燃料であるのだが、その弱点がモロに出て、LNG火力発電が抑制余儀なくされた。そこに、幾つかの石炭火力の事故が重なり、日本の電力逼迫が発生。⇒ この逼迫の本質的問題は、リスクの高いLNG発電依存度が高すぎることだ。
(3)2022年3月22日の逼迫:
・これは、一義的には、①福島沖地震のための大規模石炭火力の停止、東北からの連携線の事故発生、②3月にしては厳寒(暖房需要)、③悪天候で太陽光発電ゼロ、以上が重なったことが原因。
・そこで、経産省がムキになって反論している通り、「電力自由化のせいで供給力確保に失敗した訳ではない。偶々の不幸が重なっただけ。」というのは、半分はその通りだろう。上記(1)の通り、2020年秋までは、予備力10%程度で走ってこれたのだから。
【2】これから予想される逼迫
・問題は、これからの逼迫だ。今、既に節電要請されている通り、この夏は、特に東京管区で予備率3%程度にギリギリになる。更に、この冬では、マイナスにもなり得るとされている。
・過去2回の逼迫は、LNG依存問題だったり、“たまたま” 地震と悪天候の重なりが起きたことが原因だったかもしれない。しかし、この冬の逼迫は、より構造的な問題なのだ。
① 火力の休廃止増加(太陽光不調などの場合のバックアップ力不足;石炭・LNG火力がイザという時の代役予備火力の欠如
② ウクライナ戦争の影響でのLNG供給リスク(今や主力のLNG火力の供給力を低めに想定必要。)
・・・ここまでは経産省も認めている。
⇒ しかし、私がこれに関連、ここで言いたいのは以下だ:
A) 電力構成において、長期安定型の原発が非常に限られ、火力比率の肥大化、しかも;
①リスクの高いLNG比率が肥大、更に、
②見掛け上の合計供給力の微増を支えていたのは新エネ(太陽)であって、お天気次第という構造になっており、
・・・予備電力確保の中身が、安定力の乏しい①LNG火力と②新エネになっていたのである!!!
・・・そうであれば、従来発想以上に「予備電源のプランニング」の重要度が実は既に高まっていたのだ。にも拘わらず、自由化で、それを中央集権的に中長期プランニングし、設備投資実行させる仕組みが喪失されていた。これが本質的な問題というべきであろう。経産省がムキになって反論する通り、今年の3月22日の逼迫までは、自由化のせいとまでは決めつけにくい面もあったが、この冬からの逼迫は、構造的なものだ。
・・・要は、2020年までは、自由化にも拘わらず、何とか「少なくとも見掛け上の予備率」を確保してきたつもりだろうが、遂に、それも行き詰ってきた、ということなのだ。
・・・そして、今年の3月の逼迫までは「不幸な事故の偶然の重なり」のせいにしてきたが、今回、まだ先の今冬につき、今から「足りない」と言っている。これは、実質的に、遂に、経産省が構造的な問題と認めているようなものだ。
B) そして、遂に経産省も認める「予備電源」ニーズだが、飽くまでも自由化に拘る経産省は、それについても、今後、容量入札制度で対応することを想定している。私は、この点については、自由化前の地域電力会社による「供給義務体制」に一部戻す、つまり、自由化と公的供給のハイブリッド構成にしないと、こと、電力設備の長期プランニングについては、何でもかんでも、自由競争原理だけでは済まないだろうと思っているのだ。
◆ 今冬の逼迫を経て、日本の電力が経産省の自由化拘り路線だけで回るのか、体制はどう改善されるかどうか、その辺をジックリ見極めたい。  Nat

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