♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2022年10月

★ESG投資: 余り書く気がしないが、ひと言

★今日の日経にもESG投資に関する4人の人のコメント記事あり。
・・・「ESG投資」という単語が、もう溢れて、やや食傷気味な気もする。皆さんも、それぞれ、色々思うところおありだろう。images
ESG投資というテーマについてひと言書くにしろ、それは案外難しい。人によって、頭に描く設問が異なるからだ。
◆◆ 「ESG投資をするべきか?」という問い:
・ 誰の立場で聞いている?で違ってくる。 個々人の投資家に聞いている? 投資ファンドに聞いている? 企業年金運用者に聞いている? 
・また、「べき」って何? それは、「べき」の基準問題。ESG投資した方が結局は高いリターンが出ると信じるから「投資すべき」と言っているのか? それとも、リターンは別にして、社会運動として「そうすべき」と言っているのか?
・・・この辺がごっちゃごっちゃで議論されるから、もう面倒くさい。
◆◆ 更に、色々な用語が踊りヤヤコシイ。「インパクト投資」は、明らかにリターンではなく「社会を変革・改善するインパクト狙い」の “投資による社会運動”だろう。「サステーナブルファイナンス」も、どちらかというと、社会をサステーナブルに持っていくために、リターン追及中心のファイナンス行為を社会配慮行為と「両立」させようとするものだろう。
・・・しかし、「ESG投資」とだけ言うと分らん。人により「インパクト投資」をイメージしている人から、「結局、リターンが一番高くなる」という話を信じて、銭儲けの原理としてそうしようとする人まで、幅がある。
◆◆ ということで、私は、この件について、余り長々しく見解を述べようという強い意欲はない。よって、以下のクイックコメントに留める。何か、これに対して言いたい方は、コメント欄にどうぞ。
(1)ESG投資と言っても、最も消極的なNegative screening、つまり、反社的企業、環境破壊企業などには投資ししない、、、これは、多くの人がやってきているので、ESG投資の内数に入らないだろう。専らPositive screening、つまり、積極的にESG度合いの高い企業に投資するのが、ここで言う「ESG投資」。
(2)次に、ESG積極投資をすると、長期的には、そうでない投資よりリターンが高くなるはずとの仮説が問題になる。
・優良企業は結果的にESG配慮度合いが高いから、ESG積極投資すると、結果的に優良企業投資していることになり、リターンが高くなる、というのはあるだろうが、それなら最初から「優良企業投資」を目指せばいい。
・よってこの説の趣旨として、短期的にはESGのためにコストや投資負担が発生、財務リターンは抑制されるが、長期的にはそこがwinnerになるという信念があるか?だろう。それへの私のコメントは:
①長期のことゆえ、まだ統計的には全く検証できない。
②しかし、社会がESG原理を更に追及し、ESG追及企業が結果的にビジネス的に得する仕組みを増していくなら、結果的にはそうなる可能性ありかもと思う。ESGのうち、S(社会)、G(ガバナンス)は言わば当たり前のことだが、E(環境)の中でも特に「低炭素」に注目だろう。その「低炭素」だが、少なくとも短期的には企業にとり「“余計”なコストや投資負担」でしかない。しかし、将来もし高率の炭素税が広く拡がったら、早くから低炭素に投資していた企業が結果として儲かる、、とかいうことはある。・・・しかし、今は、まだ分からん。
(3)とすると、むしろ、インパクト投資的な主旨で、「リターンはさておき」「世直し一揆的に」企業にESG圧力をかける、そういう意味でのESG投資が、最後に問題になろう。
・・・これは、株主の一つの運動モードとしてはあり得る。しかし、ひたすらに財務リターンを重視する他株主との間で、コンフリクトがあり得る。そのコンフリクトの調整が問題。両派間の適切なる議論が先ずなされ、その後に多数決で方向が決まるならいい。
・・・また、企業年金の運用等においては、運用者が独善的に決めるのでは、年金の受益者である従業員は投資先を選べないのだから、その利益が歪む。だから、投資ポートフォリオ中のESG投資の割合などが、然るべき議論と多数決などのプロセスにより、慎重にバランス良く決められるものでないとイケないと思う。
・・・もうこの辺で終わりにする。このテーマは、これ以上、書く気力が湧かない。悪いけど。  Nat

★日経記事にモノ申す: 日本の省エネはダメではない!

★今朝の日経の「日本の省エネがもうダメ」みたいな記事に大不満。
・・・・日経のポイントは 【1】消費エネルギー単位が産むGDP(ドル)では、日本はもう英国・ドイツに追い抜かれた、【2】米国と比べても、過去30年のエネ効率改善度合いで、米国が遥かに大きい改善だ・・・ということ。(日経記事は以下にコピー添付。)
◆ 私の不満を述べよう。
【1】GDPのエネ効率論のmisleading性:

・日経の掲載しているGDPドル/消費エネルギー(Kwh)のチャートでは、1990年から2018年の推移で見て、この数字で、日本は30%位しか向上してないが、同期間で英国は90%ほど、ドイツは倍以上になっていることを示している。

・誰でも一瞬で、このチャートは、エネルギー消費効率の向上を表しているというより、各国の経済成長ぶりを表しているのではと思うだろう。
⇒ それでだ、日本、英国、ドイツの同期間のGDPの成長具合をチェックしてみると(自国通貨ベースだが)、日本は1.2倍、英国3.2倍、ドイツ2.6倍で、皆、分っている通り、日本だけ経済成長出来てない。また、それをドルGDPで考えると、ドル・円が1990年145円→ 2018年110円、ポンド・円で257円→147円と、その30年間では円がドルやポンドに対して強くなっているので、ドル換算のGDPの比較では、日本のGDP成長は更にみじめなものとなる。

・もうお分かりの通り、日経の掲げているチャート(GDP/エネ)の日本・英国・ドイツの比較は、もう圧倒的にほぼGDP成長構造の愕然たる差を示しているのであり、そして、単に、英国やドイツの経済成長は当然、エネルギーを余り使わないサービス産業出の成長が寄与している、ただそれだけのことなのである。(注:英国やドイツの経済成長がサービス産業主導であることは自明であるが、それを裏付けるチャートがあったので、最後尾に添付しておく。)⇒ だから、日経の示すGDP/エネの表は、「見掛け上のエネ効率」しか示さない、そういうこの表を日経が省エネの話に使うのは完全なる間違いである。

・更に、GDPとの関係で見るにしても、日経の今回掲げたチャートと異なるチャートもある。同じ日経が2020年8月に掲載したチャート(以下に掲載)では、GDP100万ドルを算出するのにエネルギー(石油換算)で、2018年で日本が世界一低い数字になっている。
恐らく、今朝の日経のチャート(Our World in Data)では電力換算、以下のチャートでは石油換算だから、電力と石油の変換係数の問題であろう。日経にはよく確認してほしい。
⇒ それでだ、省エネの話をしたいなら、GDP比より、人口一人あたりの数字から始めるのが普通だろう。私の二つ目のチャートを見てほしい。

・2019年の数字だが、一人あたりでは、横軸の一人あたりエネ消費(GJ)で、日本はドイツ、フランスより省エネだ。英国とイタリアには少し負けているが。何も今朝の日経が嘆くような「日本だけがダメ」との構図ではなかろう。日経記者はやっぱりGDP比エネルギーのチャートを見て思い込みをしてしまったのだろう。情けないことだ。
【2】省エネの進展度合いが米国のほうが遥かに大きいこと:
・日経は、1990年と2020年比での炭素削減の進展度合いが、米国では32.4%減、日本は3.7%減でしかなく、しかも、日本は経済低成長と人口減で減っているものである一方、米国はエネルギー効率改善が寄与している、と述べている。

・しかし、もうこれは言う気になれないが、発射台が全然違うのだ。以下の三つ目のチャート。一人あたりの炭素量。一番上の赤い線が米国。車のガソリンが大きいが、一人年間20トン以上の膨大な炭素量を放出してきた米国人が、漸く2010年頃から減らし出して今は15トン/年位にまで落ちてきた。日本は、下の方のグリーンの線。もうエネルギー資源はゼロだし、加工貿易に生きる国だったので、昔から必死に省エネルギーをしてきた。その結果、1990年でも8トン/年位、それが、今でも横這い8トン位なのだ。・・・この出発点・絶対レベルの大違いを捨象して、日経は、米国が大きく進歩という。もう呆れてモノが言えない。
・・・日本は、地球温暖化問題が出る前から省エネルギーに励んできたのに、更に、励めと言われて苦労しているのではないか!? 日経には自分の国のことを、もう少し理解してほしい。

・・・日本は、残念ながら、経済は病気っぽい、しかし省エネで卑下することないのだ。
 Nat


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★また、岸田政権の賃金上げ策の悲しさ・・・

★岸田首相は、国民にリスキリング(国民が仕事k関係の学び直し)をさせると、より成長企業の方に人材がシフト出来ると期待しているようだが、私は、日本の雇用文化では、特殊なIT・金融など専門家以外は、転職すると給与水準が下がるので転職は出来ない、という日本の企業文化・雇用文化の構造問題を書いてきた。
(リンク: 前の文 )
◆昨晩見た報道(以下リンク)では、岸田首相は、賃上げした企業を補助金などで優遇するという。
・・・あ~~あ。それやるとだね、企業はある年度に一回、その企業全体の賃金水準を少し上げて、その年度には補助金をもらうが、その企業の昔からの報酬体系・人事体系は温存されたままになるのと、更に、悪いのは、そういう企業は、既存の従業員の賃上げした分だけ、リスキリングで転職してくる人材に払うお金の余裕はもう残ってないので、却って、転職者には厳しくせざるを得ない方向だろう。
・・・リスキリングでの転職者の転職促進なら、従業員全体の賃上げではなく、そういう転職者を受け入れた企業に補助金出す施策のほうが、まだ意味あるだろう。しかし、そういう、取って付けたような対症療法的な施策では、そもそも、「働かないオジサン」を飼ったままにすることを含めた、日本企業の雇用文化はそのままになるだけだ。ということは、企業ムラ社会はそのままで、転職者にだけ高い給料払う仕組みとなってしまう。それでは、その企業ムラの中で、妬み・嫉みだけを産むだけで、そもそも日本では上手く行かないね。 
・・・日本の雇用文化(働かないオジサン、年功序列、解雇不能)そのものを改革させるのに、政府が何か出来るかを、まず真剣に考えたほうがいい。改革が無理なら、漸次改善でもいい。でないと、賃上げ補助金、リスキリングなど、安易な対症療法は完全なる無駄である。  Nat

★中国電力の上関新原発建設への、反対派実力阻止への民事訴訟!

★日本でも、原発の新規建設・増設の機運が出てきているが、その前から、既存の新規計画が全国8か所で存在してきている。うち建設中断中の青森の2か所(大間とは東通)以外の6か所はまだ計画段階である。その中の一つが、中国電力の上関原発計画だ。
・・・それが、今般、建設予定地の海のボーリング調査に対する地元反対派の妨害について、民事調停決裂で、中国電力が反対派組織に対して民事訴訟を起こしたとの報道が出た。
・・・原発を巡る地元との訴訟と言えば、専ら、電力会社の行為を差し止め請求するものとなるが、今回のは会社側が、地元自治体ではなく反対派に対してであるが、住民サイドに起こした訴訟で珍しいと思う。確たることは言えないが、もしかして、通常、地元に気を遣う原発関係では、初めてかも知れない。
◆ ザックリ背景をたどると、上関原発は、1982年に計画がスタートしているので、もう40年もの間、プロセスを経てきている。瀬戸内海の上関町の長島という島に建設する計画だ。現在の計画では、原子炉は革新次世代型まではいかないが、改良型BWR(ABWR)である。
・80年代、上関町は地域振興への期待もあり、計画を誘致。
・90年代、環境調査開始。
・1996年、山口県知事は、建設許可。
・2005~9年、詳細調査。しかし町内で、賛成派、反対派が激突。
・2009年、国に原子炉設置許可申請、安全審査始まる。
・2010年に埋め立て工事着工。しかし、反対派の町民や対岸の祝島の漁民ら活動家グループによる作業の実力阻止。
・2011年、福島事故で、作業中断。山口県も、慎重にとの要請。
・そのまま現在に至るが、今回、そろそろということで、海のボーリーグ調査を再開せんとしたに対して、地元反対派の妨害(実力行使)。
・2022年10月23日、上関町の町長選で、原発促進派の町長が当選(得票率70%)。
・この10月25日、会社側が埋め立て免許の延長を申請、と同時に、反対派に民事訴訟。
◆ 今年の夏、岸田政権は、原発の新規計画にも前向き姿勢を見せ、更に、再稼働の文脈でだが、地元対策には、国が前面に出るという方針を打ち出した。日本でも電力不足懸念が出ており、新原発への世論の風向きも変わってきている。
・・・と思っていたら、この中国電力の上関原発への阻止実力行使反対派への電力会社による民事訴訟という、聞いたことのないような動きが出ている。・・・これは、賛成・反対、どちらの観点から見るにしろ、注目に値する。

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★敵地攻撃能力問題 ー いよいよ米トマホークが日本へ

★一週間前、ここで「今年中に決まる敵地攻撃能力問題」と題して、国会議論も含めて国民的な理解・認識が進まず世論も分かれる中、日本の敵国攻撃能力整備計画は、進んできていることを書いた。
・・・そして、日本国産(三菱重工製)の射程距離1000kmの巡行ミサイル(現行の12式の改良版)の導入が決まっていることも何度か書いてきた。前の文
・・・また、従来の「矛」=米国軍、「盾」=専守防衛自衛隊、との棲み分けの中で、最近は米国からの要請もあり、日本の中距離巡航ミサイル導入の決定も、斯かる米国からの要請・圧力の下と解釈できることも書いてきた。
すると、本日の報道で、ついに米国が、あのトマホーク巡航ミサイルを日本に供給することに前向きになったようだ。トマホークは米国の軍事機密の粋の兵器で、英国以外には一切供給されていない。2017年に日本から打診した時点では、断られている。それが、今般、ついに米国が前向きになったようだ。一つには、国産のは、開発完成が2026年になるからだという。
・・・公明党は、受け身で「敵地攻撃能力(反撃能力)はこれから与党協議」と言っているが、米日の防衛関係者・軍部間では既定路線になってきているのであろう。
・・・今後とも、この辺は支持派としても慎重派としても、要ウオッチだ。  Nat

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