♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2023年01月

★テスラのEV値下げ戦略

★2週間前に、テスラが世界市場でのEV価格の1~2割程度の値下げに踏み切ったとの報道あり。
・・・そして、それで米・中などの市場でテスラが販売台数を増やしているものだから、堪らずフォードもEV値下げ追従とのニュースだ。報道

テスラの値下げだが、ザックり言うと、6万ドルとかだったのを5万ドルとかに下げるものだ。images
・・・きっかけこそ、バイデン政権の新法制でEV購入者が税額控除受けるための価格上限以内に、テスラの売価を下げるものだ。しかし、より本質的には、予想より販売台数が伸びずに、テスラの株価も急落していたのに対して、マスク氏が「それなら」ということで、他が追従しにくい大きな価格下げで、市場を取りにいったものだろう。
◆ロイター報道によると、2022年3Qにおいてテスラは1台当たり粗利益は15,653ドル、これはVWの2倍以上、トヨタの4倍、フォードの5倍に相当するのだそう。
⇒ ならば、ザックリ、今月からの値下げで、数千ドル~1万ドル販価を下げても、まだテスラの場合の粗利益は結構残り、更に、いわゆるContribution margin(販価-変動費)では十分残っているとみられる。
⇒ 一方、その値下げレベルでは、少なくとも粗利益では、VWで恐らくカツカツ、トヨタやフォードでは粗利益が出ないようにも思われる。Contribution marginなら若干残るかもしれんが。
◆EVはガソリン車以上に、規模の経済が働く。特に蓄電池。よって、成長市場に於ける事業戦略として、シェアNo.1のメーカーが他社の追従できないギリギリ価格レベルを設定し、販売で独走、規模を更に稼ぐとの、「好循環型の一人勝ち戦略モデル」は充分あり得ると思うのだが、テスラがまさにそれに乗り出していることになる。
・・・ガソリン車もあるVWやトヨタは全社の懐勘定で「EVでの潰し合い価格の損失」を吸収してついていくだろうが、専業EVメーカーは脱落する可能性がある。ただ、専業の色々いる中国市場はそういう合理主義ミクロ経済学だけでは計れないので、分らんが。
・・・というわけで、今後の市場展開が見ものである。(私は個人的に一切利害も関係もないから、知らんが。)  Nat

★英国のEU離脱で満3年 : 離脱しかなかったのだろ・・

★英国のEU離脱。もう3年になるようだ。
・・・添付の日経報道のとおり、いまや「失敗」だったと思う英国民が6割くらいという。
・・・私などは、終始一貫、EU離脱そのものが愚策中の愚策であると論じ、また、EUとの離脱交渉においても意地を張るメイ首相の英国が「玉砕まっしぐら」とも書いた: 拙文
  
◆ EUの一員でこそ、英国の金融センター機能が生きるし、英国がEU経済の中でそれ相応の役割を果たせるのであって、EU離脱しては「小さな島国経済」に転落必須だったからだ。(解決不能の北アイルランド問題も言うまでもないが。)
◆ しかし、本来、アングロサクソン英国人はそれほどアホではない。それが世界から見ると「アホの限り」の離脱をしてしまったのは何故か?
・・・私ら日本人にはアホとしか思えないのだが、英国人でないと分からないものがあったのだろう。
(1) そもそもベルギーのEU官僚の「支配下」であるという状態は、誇り高き大英帝国の末裔たちからは、もう、たとえ離脱で経済がおかしくなろうと、絶対許せないことだったのだろう。
・・・そして、これはブライド・情念だけでなく、やはり、英国と大陸では、法体系、文化基盤でも「違い」があり「大陸といっしょくたんにはされたくない」という情念の具体的な要因にもなっていた。
(2) 一方、中流・下層の英国国民は、大英帝国の情念・プライドではなく、大陸から移動してくる労働者との「競合」を憎んだ。
・欧州の中で英国の経済は悪くなかった。しかし、経済不振の東欧から、EU内の人の移動が自由だったから、労働者がどんどん英国に入ってきた。
・そもそも比較的に言って、米英文化は、より閉鎖的な欧州各国よりもオープンで、まず入れて、自由競争させるという基盤がある。更に、言語が英語というのは、移動先として選ばれやすいのだ。
・・・だから、欧州内では、皆が英国を目指した。失業率が大幅に悪化した訳もでないが、中流・下層は、大陸からの人たちが自分らの生活を脅かしていると反応した。
⇒ これは、実質今でも移民に鎖国している日本の日本人である我々にはとても理解できない思いだろう。
◆ だから、英国の政治家たちはベルギーEU官僚を憎み、庶民は大陸からの労働者を憎んだ。・・・それで英国の無責任政治家が「大陸と別れても、米国・日本・アジアなどと経済関係を発展させると全然問題ない!」と言うのに、皆、乗ってしまったのだ。
・・・その後、この米・日・アジア云々は、殆ど進んでいない。
・・・離脱して、意固地な島国英国に転落しただけの英国が残っている。これから、EUとの自由貿易の復活を、人間の移動の自由を認めずに、どこまで交渉出来るか、という難題が英国を待つ。どこまでどうなるか、私は知らん。
・・・しかし、それでも英国は一旦離脱しかなかったのであろう。残念でした。  Nat

download 日経 英国離脱_page-0001

★ 温暖化でお米の産地も北上? ― 元々、気候に合わせた移動は人類の“お家芸”

★今朝のTVで、地球温暖化の影響で、日本各地の気温が上がり、採れるお米の品質にも影響出ているという話があった。
・・・地球の平均気温は、ここ100年位で0.7度ほど上昇してきている。・・・ これは我々の体感上は誤差の範囲だが、その影響が大きく出る生物は、お米に限らず色々ある。良く報道されるサンゴの生域の北上など。
・・・温暖化防止で従来は「人為的CO2削減策一点張り」だった欧州主導のIPCCだが、昨年2月のIPCCで、私に言わせると画期的なのだが、CO2削減/気温上昇回避が進まない場合の対処として「Adaptation(適合)施策」も打ち出したのだ。栽培・農耕の場所を少し北に移すといった対処だ。 (⇒昨年の私の説明文ご参照:拙文
◆ 例えば米作だが、もし農家がその土地を動きたくないなら、より南での栽培に適している品種に調整する、或いは、これまでの品種を変えたくないのなら、より北の農地に移動するといったAdaptation策を講じるといい。ところが、人類のCO2放出で平均気温が上がるから、そんな調整を強いられる、迷惑だ!・・・という被害意識が先に立つ。
◆ そこで、今日は大局観から言う: 人類は地球の気候変動に応じ常に「移動」してきたのだ、という点を述べておこう。
(1) 地球の10万年サイクルの気候変動: 添付のチャートを見てほしい。地球の太陽回りの公転軌道が微妙に楕円で、しかも10万年サイクルで地球と太陽の距離が微妙に近くなったり遠くなったりしている。その為、地球は10万年サイクルで気温が上下する。チャートを見てくれれば分かるが、気温の上下は10度ほどもの大きな幅で起こる。現代人類が今IPCCで言っている「100年で0.7度上がっている」とか言うのは、この10度ほどの地球の大きな気温上下動に比べると、誤差の範囲である。世界気象_page-0001
・・・また、お気づきのとおり、このチャートからは、大気のCO2濃度は、地球の公転軌道の微妙な変化を受けて、地球の気温が例えば上がると、海洋からCO2が放出されるので大気のCO2濃度は上がるという具合に、「CO2増加は気温上昇の結果」と読める。しかし、IPCCはここ100年間については、原因と結果とが逆であるとの説で世界政治を動かしている。・・・ただし、今日は、その問題に踏み込まない。もう何度も踏み込んできたし、踏み込むとそちらの話になってしまうから。
(2) 今日、言いたいことは、チャートの通り、12万年前に地球が寒冷化のサイクルに入った結果、アフリカの中央部では乾燥化・干ばつ化が起こり、それが現生人類のアフリカからユーラシア大陸への大移動(一部はアフリカ南端にまで移動)の背景になったということだ。
・・・人類は長らく狩猟採集文化で気候変動に応じ、食べものを追って移動してきた。
・・・それが、チャートの通り1万年位前から、地球が温暖サイクルに入ったことから、人類は農耕を始め、人類に定住文化が発生した。人類 移動_page-0001
⇒ しかしだ、人類はそもそも12万年前の寒冷化で移動を始めて以来、基本的にはその時代時代で移動しAdaptation(適合)施策により、維持・発展をしてきたものなのである。ここ1万年から数千年は「定住」パターンも取り入れているが、地球の気候の状況に応じてAdaptationしていくのは、「人類のお家芸」なのである。その為に人類は「知恵」も「技術」も与えられているのだ。
・・・だから、米作農家が0.7度の気温上昇でAdaptation策を強いられても、気候変動に伴う移動は「人類のお家芸」だと割り切って、変わるのは大変だろうけど頑張って対応して欲しいものだ。  Nat

★非婚が急増する日本

★少子化問題で、赤川先生の本に書いてあった「少子化になった原因の9割は非婚にある」という点に関連、ちょっと、非婚率の推移を調べてみたら、以下のチャートになった。
◆ なんと「生涯未婚」の人の比率って、1990年位までは男女ともに数%くらいだったのだね。それが、90年代以降、一貫して増え、今や男で28%、女で18%だ。(※ ウン? 余談だが、男の非婚率のほうが高くなっている? なるほど、金持ちとかでモテる同じ男が別の女と二回くらい結婚してるということか?!ウ~~ム・・・。)
◆ この推移から、直接、少子化の原因の9割が非婚にあるかどうかの検証迄は出来ないが、いずれにせよ、非婚が少子化の大きな背景であることはその通りと思われる。
問題は、なぜここ30年で非婚が急増しているか?だ。
・・・内閣府の調査を二番目に貼り付けるが、「適当な相手に巡り合わない」、次に「自由、気楽さを失いたくない」、だが、3番と5番に「資金不足」(3番が結婚後の資金、5番が結婚資金)だから「お金」も大きな原因。あと4番目の「必要性を感じない」も気になるね。結婚って「必要だからするもの??」
・・・思うに筆頭の理由の「適当な相手に巡り合わない」は、本当の理由かどうか分らん。90年代以前に比べて、男が男の魅力を、女が女の魅力を喪失した訳でもないだろう。
(1) それを理由にする人は若干、女性のほうが多い(女58.8%、男55.4%)・・・赤川先生の本にもある「女性が自分より収入がかなり高い男でないと結婚する気がしない」という特に都会の女性の傾向。これが増えているのは否定できんだろね。
(2) しかし、直感的には、「いい人いない」は表面的理由で、要は、今や昔と違い「誰でもほぼ全員結婚」ではなくなっている、特に都会はそうだから「無理して変な奴と結婚しない」という雰囲気が支配的、そこに、やっぱ2番目以降の理由の「自由、気楽さを失いたくない」「お金がない」が重なるのだろう。
・・・何かロマン、全くないね。私なんか、この辺のことになると「情」ひと筋なので、少なくとも昔は「とにかく好きになって、いつも、いつも一緒にいたいから結婚申し込む」というのが当たり前と思っていたが、今は全然違うみたいだ。「誰彼構わず好きになる」こともないようだ。
◆◆とすると、非婚は、「人の目」、人それぞれの人生観・生活感・価値観、そして「異性への本能的衝動」度合いなどがミックスした複雑な現代的問題で、やっぱりその辺の政治家が思い付きの政策を提案するのが、多分一番間違いになりそうだ。・・・アカンね。非婚、だから少子化は中々改善しないだろ。・・・結局、またまた、赤川先生の本の結論に行きついてしまう。  Nat


独身_page-0001内閣府の非婚調査_page-0001

【反撃能力による抑止は、“高度のブラフ” -- そして沈黙が最高のブラフ】

★「反撃能力」問題を巡る政治家同士の「議論」には、我々は反応しても意味なさそうだ。
・・・またまた以下の報道では、立憲民主の岡田氏が「まだ我が国に攻撃がないのに相手国にミサイルを撃ち込むのは、とても必要最小限とはいえない」と言い、共産党の小池書記長が「そうだ。自民茂木、公明石井は誤魔化している」と言ったという。報道

◆ こういうのに、もう我々は反応しても全く意味ない。という理由:
(1) 何度も言うが、「反撃能力」と言っても、実際に戦争が始まってしまってから「当初の敵国から受けた攻撃に対して、そこから巻き返そうとする反撃」ではない。防衛新3文書における反撃能力の基本趣旨とは、中国などに「対日開戦の最初のミサイル発射」などをさせない「開戦抑止」だ。
⇒ ならばだ、「日本の反撃能力の使い方」については、中国側に「日本は何するか分からない」くらいの不気味さを感じさせないと「抑止」にならない。images
・しかし現実に中国が日本を不気味と思うか? 現実には、今、日本の政府・政治家・自衛隊幹部が何を言おうか言うまいが、中国は所詮、日本の不気味さは感じない。よって、当面「抑止のための反撃能力」(日本がトマホーク買うこと)だけでは、本当は「抑止」にならない。・・・米日共同で、中国が「これは本気かも」と少しは思い始める、そういう風に持って行かないと意味ない。
(2) その意味で、「抑止のための反撃能力」というのは、言ってしまえば、高度の演技力による「高度のブラフ」である。
・・・ならば、共産党小池の言う「自民・公明の誤魔化し」はその通りだ。国民を騙す位の「本気っぽいブラフ」であって初めて、中国に漸く少し効き目があるかないか位だからだ。
・・・「抑止のための反撃能力」で一番いいのは、トランプのようなまるで予測不能の人か、プーチンのような全くのパラノイアが日本のトップを握っていることだ。自民の茂木、公明の石井、ダメだ。民主の岡田も共産の小池もダメだ。クソマジメすぎる。この4人がトマホーク持って「ぶっ放す」、「ぶっ放さない」と討論会やっても、北京の習政権にはお笑い学芸会にしか見えない。とても、本気でぶっ放しそうな怖く狂った人たちに見えない。
・日本の国民から見ても、自公与党政権では、中国の攻撃開始未確認のまま、見切りでトマホークを突然中国にぶっ放しそうに見えない。もし本気でそれやると、まるでロシアになる。一発で国連憲章違反になるのをマジメな日本人は分っている。だから北京にも、日本人が今そういう発狂的行為をしそうな予感が全くない。ということで、今のところ「ブラフ」は全く不発である。
・なら、残念だが、日本が米国からトマホーク買っても、それだけでは、ほとんど抑止にはなりそうにもない。
(3)折角、高いお金出して米国からトマホークも買い、米日で対中抑止力を構築していくのだとすると、ここからどうすべきか? 政治家がギャーギャー言っているのは中国から見て茶番でしかないにしろ、一通り茶番が過ぎると、日本政府は、まず「完ぺきに黙ること」だ。一切何も言わずにトマホークを買い、米日共同演習を黙々とやる。一方、防衛省・自衛隊内部ではトマホーク発射の条件、そのための体制等、超内密に超精密に議論し準備し演習し、国際法の範囲で実際中国に対する適切な「反撃」はどうしたらどうなるのか、煮詰めて行ってほしい。完璧に押し黙っでだ。中国にはそれが一番不気味たり得る。
⇒ 岡田・小池、茂木・石井ら、政治家の自意識過剰の茶番議論はそのうち収まる。そこから、超沈黙の中で、トマホークという道具を、中国の対日武力行使開始への本当の抑止力にする国防検討・準備を米軍と煮詰めてほしい。超沈黙の中でだ。日本人がひと言何か言うと見え透いてブラフが崩れる。ブラフは沈黙が最高だ。    Nat
記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

NAT

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ