★2週間前に、テスラが世界市場でのEV価格の1~2割程度の値下げに踏み切ったとの報道あり。
・・・そして、それで米・中などの市場でテスラが販売台数を増やしているものだから、堪らずフォードもEV値下げ追従とのニュースだ。報道
・・・きっかけこそ、バイデン政権の新法制でEV購入者が税額控除受けるための価格上限以内に、テスラの売価を下げるものだ。しかし、より本質的には、予想より販売台数が伸びずに、テスラの株価も急落していたのに対して、マスク氏が「それなら」ということで、他が追従しにくい大きな価格下げで、市場を取りにいったものだろう。
◆ロイター報道によると、2022年3Qにおいてテスラは1台当たり粗利益は15,653ドル、これはVWの2倍以上、トヨタの4倍、フォードの5倍に相当するのだそう。
⇒ ならば、ザックリ、今月からの値下げで、数千ドル~1万ドル販価を下げても、まだテスラの場合の粗利益は結構残り、更に、いわゆるContribution margin(販価-変動費)では十分残っているとみられる。
⇒ 一方、その値下げレベルでは、少なくとも粗利益では、VWで恐らくカツカツ、トヨタやフォードでは粗利益が出ないようにも思われる。Contribution marginなら若干残るかもしれんが。
◆EVはガソリン車以上に、規模の経済が働く。特に蓄電池。よって、成長市場に於ける事業戦略として、シェアNo.1のメーカーが他社の追従できないギリギリ価格レベルを設定し、販売で独走、規模を更に稼ぐとの、「好循環型の一人勝ち戦略モデル」は充分あり得ると思うのだが、テスラがまさにそれに乗り出していることになる。
・・・ガソリン車もあるVWやトヨタは全社の懐勘定で「EVでの潰し合い価格の損失」を吸収してついていくだろうが、専業EVメーカーは脱落する可能性がある。ただ、専業の色々いる中国市場はそういう合理主義ミクロ経済学だけでは計れないので、分らんが。
・・・というわけで、今後の市場展開が見ものである。(私は個人的に一切利害も関係もないから、知らんが。)
Nat
