♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2023年02月

★消費税インボイス制は、財務省の陰謀なのか?

★消費税制度の改善に向けた、いわゆる「インボイス制度」が10月1日から始まる。images
・・・ちょっと税務実務的な話なので、苦手な人は飛ばしてくれていいが、インボイス制に関連、一部のコメンテーターが、財務省の消費税20%化への布石では等との、うがった見方を書いていたりする。
・・・そこで大した話でもないのだが、しょうがないので、ひと言だけ書いておこう。
【1】いわゆる 免税事業者の 消費税 ”益税” 問題: 
・1989年の消費税導入の時から、売上1000万円以下の事業者は、自社の販売売上に対する消費税納税を免除されている。
・一方、そういう消費税免税事業者が商品を販売する際に、当然、消費税分も価格に乗せて客からお金を受け取る。つまり上乗せされた消費税は、免税事業者が自分のポケットに入れていい。
・・・これを通称 ”益税” という。1989年の消費税の導入を円滑に行うため、小規模事業者に配慮したのだ。私は、これかなりおかしいとずっと思ってきたが、もう30年以上、日本はこれでやってきた。(注:但し、免税制は欧州などでもあって日本だけではない。)
【2】インボイス制:
・それが10月からは、その事業者の売り先である顧客(ここで
は顧客も企業だとして書く)に売る際に、「適格請求書」(インボイス)という、税務署に登録した業者のみが公式に発行できる請求書つきで売らないと、買った顧客企業の方で、支払った消費税を、自分が納付する消費税から控除できなくなるのだ。
・そして、インボイス発行は消費者免税事業者のままでは発行出来ない。そこで、免税事業者のままインボイスなしの商売しようとしても、顧客企業が消費税控除できないので嫌がられて取引してもらえなくなるから、実質、多くの免税事業者が、消費税納税義務を負う通常の課税事業者にシフトせざるを得なくなるのだ。
【3】インボイス制を巡る是非論:
(1) 政府・財務省の目的:
① そもそも長らく”益税” なるものが発生するのはおかしいと思う人も多かったので、「税の公平性」の観点から、そろそろ「本来の姿」にするものだ。
② 売上1000万円以内に納めるために、会社名義を複数にしたり、良からぬことをする企業も多く、公正性上問題であった。
③ 食品は8%、その他10%が混在するがインボイス制でそれが正確に処理されやすくなる。
・・・一方、今回、実質、免税事業者をなくして得られる消費税歳入の増額は2500億円程度に過ぎないので、財務省として大きな歳入改善ではない。そもそも、だから、これまで見逃してきたものだ。
(2) それにイチャモン付ける人の弁:
例えば、フリーライターの犬飼淳氏の以下の文: 報道
・・・零細事業者は、税金負担と事務が増えるので悲鳴を上げている処も多い。そういう声に対する「受け」を狙うライターが必ず登場してくるのだ。
①法理論的には、消費税は顧客の負担だが、納税義務は販売事業者にあるので、消費税は事業者の「預かり金」ではない。単に売上の一部との解釈になる。よって、免税事業者が顧客からは消費税相当のお金を受け取り、免税だからポケットに入れて利益を出すのは「結果論」であって、「不当利益」(”益税”)ではなく「正当な差益」だと主張する。・・・溝口:これは、その通りだが、理論的な位置づけ論に過ぎず、実質は「小規模事業者だからという理由で、消費税の公平性の趣旨に反して、長らくお目こぼしされて、ポケットに入れてしまっていた」ものである。
②だから、正当な差益であるのを、無理にインボイス制で、免税はもうヤメにするのは、財務省が、これをきっかけ・突破口に、消費税20%化にまで進もうとする陰謀である。・・・溝口:財務省が体質的に陰謀なのは同意だが、今回のインボイス制は、いわば「本来の税の形に是正」するものであって、20%への布石とは話が飛びすぎである。インボイス制、あるいは零細業者を免税でなくすのが、どういう風に20%への増税の布石になるのか、全く説明がない。
◆◆以上のとおり、犬飼淳氏が書いている、政府の答弁で「遂に正式には”益税”というものではない」と「決定的答弁」を引き出したなどと書いているのは笑止千万である。その手のくだらないライターが多過ぎる。・・・それでも変は変ゆえ、私がそれを是正・反論するために、今晩、大事な時間を何十分か費やしてしまったではないか。クダラン。 Nat

★日本人の婚姻率低下の一途: 少子化はその結果

★昨年の出生数が79万9728人と、初めて80万人を割ったとの報道。報道
・・・そして専門家も指摘している通り、出生数が減ってきたのは、結婚する人が減ってきたからということになる。下の一番目のグラフの通り、出生数減は、とりも直さず結婚数の減少が背景だ。
・・・人口1000人当たりのその年の婚姻数、即ち婚姻率で見たのが二つ目のグラフ。
・1972年が結婚ピーク: 婚姻数が110万組、婚姻率は10.4だった。それが婚姻率は今や4.1。
・1972年のピークは、我々ベビーブーマーの結婚ラッシュ。
・一通りべビ-ブーマーが結婚してしまうと急落し、90年代後半のベビーブーマーの子どもの結婚でちょっと又小さなピークだが、それも過ぎて、もう低下の一途だ。
・2020年からは、コロナで余計に結婚のチャンス後退。しかし、コロナ終わっても大きなトレンドは変わるまい。

◆なぜ結婚しなくなったのか?
① そもそも1970年頃までは、結婚は「お見合い結婚」が多かった。つまり、年頃になると親の手配で結婚したのだ。
・・・しかし、1972年のベビーブーマー結婚の頃以降は、恋愛結婚が基本になり、要は、結婚したい人が自分でいい人を見つけて結婚する文化に変わった。つまり結婚しない自由のある社会になったわけだ。
② 加えて、女性の社会進出。何も「結婚退社して主婦専業、母になること」を急がなくてもいい社会になったのだ。
③ その後は、経済ゼロ成長、高齢化で社会保障費負担増もあり、可処分所得の低迷という、「とても結婚なんて・・」という今の様相になってきているものだ。
◆ 岸田政権も、「もっと子どもを産み、育てられる社会に」とかいって「子ども関連」施策は一応考えているが「結婚促進」は、そもそも無理と判断しているのだろう。課題・施策にも実質出て来ないに近い。
⇒ ということなら、何度も言うとおり、岸田政権も、実質、少子化なんてのは、実際には幾ら頑張っても改善無理と思っているに近いのだろう。・・・お金バラマキで、政権の人気が改善すれば、それでいいのだろう。
⇒ ということで、日本は、確実に人口8千万人時代に向かう。  Nat


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★社会保障費問題の解決策案の一つ:退職金・企業年金への社会保険料チャージ】

★昨日、日本の少子高齢化問題で一番大問題なのは、総人口減による様々な問題よりも、就労者の一層の経済的困窮。つまり、当分の間、高齢者を支える就労者人数が相対的に少なく推移する問題 ー 今、就労者2人で1人の高齢者を支えているのが、今後は就労者1.3人で1人の高齢者を支えることになる。このことから、就労者の平均収入がこれから増加に転じない限り、就労者の国民負担率がだね、私の暗算で今の47%位が57%位にまで重くなってしまう! つまり可処分所得が43%しか残らず、就労者年齢の国民が完全に行き詰まる、そこにこそが最大の問題があると書いた。昨日の拙文
そして、その解決策として、社会保障制度の改革もあるが、本質的には、日本人の平均収入が20年間ゼロ成長だったのを「収入が増えていく日本」にギアチェンジすることが唯一最大の課題とも書いた。
・・・ただし、このギアチェンジは、さまざまな既成保守勢力が障害になって実現されそうもないとの悲しい見通ししかないので、しょうがない、社会保障制度の改革の方のことを考えよう。
◆ 最初に、超・超・各論で恐縮だが、突然、企業の退職者への退職金か企業年金から社会保険料(健保・介護・年金・雇用保険料など)が引かれない問題についてコメントする。images (1)
・・・これは、若い就労中の人もだが、私のような高齢者でも余り問題意識のない人の多い点だ。
・・・就労者のもらう給料・賞与からは、税金以外に15%とかの社会保険料が引かれてしまう。また、国民年金・厚生年金という公的年金給付からは、少なくとも介護・健保料は引かれる。しかし、しかし、企業が退職者に支給する退職一時金や企業年金は、若干の所得税は掛るが、社会保険料は一円だに引かれないのである。
・・・世の多くの中小企業・零細企業の場合は、退職一時金もなかったり少ないし、企業年金なんてあり得ない。そこそこの退職金・企業年金が出るのは、大企業の恵まれた退職者なのである。
⇒ そこで頭の中で試算。
・退職一時金・企業年金の年間支給総額は約30兆円くらい。
・そこから社会保険料を、現役の負担しているのと同じ料率15%で徴収すると4.5兆円になる。
・今の消費税歳入は年20兆円くらいだから、上記の4.5兆円が国に入るとすると、消費税率換算で2.2%位消費税増税したくらいの歳入増になるのだ。
・今、社会保障給付の不足分として国庫が負担している金額は30兆円台もあるが、これが更に今後ドンドン増えていく。上記4.5兆円だけでは全然足りないが、庶民にも襲いかかる消費増税するより 遥かに合理的だ。
・退職金や企業年金も貰えている退職者だが、国民年金だけ、或いは、厚生年金までの大半の高齢者国民とは違い、概ね大企業退職者で比較的余裕もある。その層の貯預金が中心になって、日本の国民の貯預金が今毎年80兆円積み上がり、いまや残高2000兆円にまでなっている。その層から15%社会保険料を徴収する考え方には、合理性があるのではないか。…なんなら、一定金額以上の部分への徴収という仕組みでもいいだろう。
・・・前にも書いた通り、本当は、2000兆円とかの貯預金・金融資産そのものへの資産課税の方がより合理的だろうが、実現には色々困難がある。金融所得税強化のほうがまだ実現性は高い。
・・・それに加えて、上記の退職金・企業年金への社会保険料徴収、これも検討すべきであろう。・・・しかし、私が知らないだけかもしれないが、政府なり野党案でも、この案は見かけない。・・・比較的余裕のある高齢者からと言えども「追加の徴収」という話には政治的抵抗もあるのだろう。
・・・しかし、これからドンドン困窮度合いを深める就労者層のことを考えると、そんなこと言ってられないと思うものだ。  Nat

★少子高齢化/総人口減 --- 何が本質的問題か??

★少子高齢化/総人口減 --- 何が本質的問題か??
・・・内閣府のWebsiteに将来予測のチャートが載っている。以下に溝口コメントつきでコピー掲載しよう。
【1】総人口:
(1) 2060年頃:最初のチャートの上のグラフ。
・年間死亡者数は、いまは140万人、今後は160万人。一方、赤ちゃんが生まれるのが年間いまは80万人、将来は年60万人しか生まれない。
・だから、総人口が今は毎年60万人減り、将来は100万人ずつ減る。だから、下のグラフの通り、2060年に総人口は8700万人くらいになる。
⇒ 総人口が減って、何が困るのか? 内閣府Websiteはそれにつき何も述べない。なら、私が述べる:
① 世界の中での「日本経済・市場の大きさ」が小さくなり、日本の市場・投資先としての魅力がいよいよ低下する。また相対的に日本の国際政治力も低下の方向。・・・しかし致命症ではない。
② むしろ、問題は、都市部人口はさして減らず、減るのが地方に集中すること。過疎の進む地方の運営が維持不能となり、インフラ含めて捨てられた市町村が多発する。・・・これはそこに残る住民(特に高齢者)の生活維持困難を産み、結構大きな問題になる。しかし、圧倒的多数の都市部国民がそれに目をつむるならば、極論だが、都市部国民としては大問題にならないとも言える。
(2)超長期:二つ目のチャート。
・出生率(今、1.27)が1.39にまで回復したケース(中位推計)でも2100年に6400万人、一方、出生率が1.10位にまで落ちていくケース(低位推計)では4600万人にまで減る。
⇒ このグラフでは永遠に減り続けてしまいにはゼロになりそうな絵になっているし、2100年以降の予測は見掛けないが、常識的に、出生数が落ちてもどこかで死亡数とつり合い、日本は「数千万人」の国になって安定・均衡するのだろう。
⇒ その場合、上記の地方崩壊が更に進むが、仮にそれを已む無しとすると、都市部と地方大都市にのみ大勢が住む日本になって安定するのだろう。・・・更に、その頃には、欧米各国とも概ね少子化で人口減になってきているとすると、日本だけが沈没することにもならないのではないか。
【2】就労者 vs 高齢者の比率問題:
・つまり、日本が2060年の8700万人、2100年の5千万人とかに減っていくのは、減ったあとの「均衡」状態にまで無事達すると、それなりの安定均衡になるのだが、そこに達するまでに、都市部を含めた日本の経済、日本人の生計が持つかどうか? これが問題だろう。
・最初のチャートの二つ目のグラフで、高齢者比率が今29%なのが、2060年には40%になることに注目して欲しい。
・3つ目のチャートで、就労可能人口の何人で、高齢者の年金などを支えているのかを見ると、今は2人で支えているのが、2050年には1.3人で支えることになる。
・高齢者は死亡で年間に160万人減るのだが、中年層がドンドン高齢者層にシフトするので、高齢者の総数はこれからずっと、ずっと横這いなのである。一方、若い人はどんどん減っていくのだ。そこに大問題がある。
⇒ 昨年の国民負担率(収入中の税金と社会保障費負担の合計の比率)が47.5%ときつくなっていると騒ぐ人のことをここで書いてきた。
⇒ もし所得水準が横這いのままだと、今でも、就労者1人が0.5人の高齢者を支えているのに、それが、1÷1.3=0.77人支えないといけなくなると、ザックリ言って、国民負担率は私の暗算で57%にまで達する。
⇒ 要は、平均所得が今後2割くらいアップしないと、可処分所得では今より更に悪化するということだ。しかし、日本の平均所得はもう20年全く上がっていない。それが、今後、漸く上がり出すと思えるだろうか??
⇒ 以上から、私は最大の問題は、総人口減よりも、働き盛りの層と、高齢者層との比率の悪化、それにより、働き盛りの人の生計が実質破綻、結果、更に少子化になるという悪循環で、日本人の生計と社会保障体系が崩壊することだ。2060年には人口8700万人とか言っているが、そこまで到達できないで、全国民が生計破綻して終わるかも知れない。
◆◆ という中で岸田政権は、いま「異次元の少子化対策」とか言っている。しかし、それをやっても日本の人口動態はそう改善しないだろう。とすると真の課題は、少子化ではなく、日本の経済・産業の「20年間ゼロ成長」を「上向き」にギアチェンジすることである。でないと、全員で破綻する。
・・・そして経済成長へのギアチェンジのためには、何度も言ってきているが ①産業構造改革、②日本の企業ムラのガバナンス・報酬人事体系の改革、③各産業における保守的規制撤廃、④元気ガイジン人材の呼び込み、⑤人口減下での生産性のためのDX、などを前提にした上で、積極財政策を採ることだろう。そして、少子化対策バラマキは、恐らく全てムダ金になろう。成長施策こそが唯一必須なことだからだ。 Nat


少子高齢化 内閣府チャート 230227_page-0001総人口減 その2 

★国民負担率47.5%で騒ぐ人の、間違えた騒ぎ方 <続>

前回、本件で書いた記事: 記事

★本件の続きだが: SNSの記事で、例のひろゆき氏が「収入の半分しか使えない」と言っている震源地は、明石市市長の泉氏が「1960年代、1970代は“20台で、今の半分程度。平成に入ってからも“30台だったのに、いつのまにか“50近くにまでなってしまった。」と言っているのに乗っかって軽薄コメントを書いているもののようだ。ひろゆきのコメント報道

★どうも、泉氏もひろゆき氏も、社会保障の歴史が分かっていないと思われる。

・・・先進各国の社会保障制度は、主に戦後に制度が整備されてきている。一つには共産主義に対抗するため、自由民主主義圏国でも社会保障を整備していく必要性が政治的に認識されたからだ。
・・・日本の社会保障給付費の推移のグラフ、私が前に加工したものだが、再度添付しておく。このグラフの通り、日本でも、1970年位から社会保障給付が始ってくるのだが、それと同時に、社会保障費負担が就労者に始まるのも当然である。だから、泉氏の言う通り、国民負担率が社会保障の始ってなかった昔は20%台、それが30%台、40%台と上がってきているのである。それは当たり前。

★これがオカシイというなら、社会保障のない、1950年代とかに戻るしかない。

・・・それで、社会保障費負担が1970年代から始まり増えてきたのだが、添付の二つ目のグラフ(世帯ベースでみた可処分所得)のとおり収入そのものがもっと増えて、可処分所得は増加の一途だったのだ。

・・・ところが、グラフの通り、90年代末くらいから日本は経済低迷になり、世帯収入がむしろ減ってきている。その中でも一旦始めた社会保障費負担だけは止められないので少しずつ増え続け、可処分所得が苦しくなってきているのである。

★よって、社会保障費負担の構造改善問題もあるのは事実だが、日本のゼロ成長が、社会保障制度の前提を崩してしまったという不幸が最大の問題なのである。泉氏・ひろゆき氏はその点が分かっていないのだ。   Nat

社会保障費推移_page-0001可処分所得_page-0001

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