♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2023年04月

★国債今1000兆円 – どこまで行くと流石にヤバイのか?

★先日、経済評論家の三橋貴明氏がTikTokで演説しているのがあって、私はここFBでコメントを求められた。三橋氏の言っていることは「世界各国の中で、政府の国債は何時か返済しないといけないという考え方で国債の運営をしているのは日本だけ。日本政府だけは国債は将来の世代の税金で返済する必要ありなどとトンでもないことを言う」という内容。
・・・これは全く正しいのだが、これを三橋氏のように風貌的に、申し訳ないが「インチキ」ぽく見える人が言っても国民は信用しない。かと言って、全く同じことを、元財務省で、今は財務省をバカにしきっている高橋洋一教授も言っているのだが、それも人をバカにし過ぎなので、なかなか信用されない。
そこで、改めて、私が以下に述べておこう。
【1】国債は適正規模範囲では、ずっとそのまま返さないのが適当。
(1) 企業に譬えるとトヨタ自動車。27兆円の借入金を抱えている。しかし、それを返そうという雰囲気もないし、貸している銀行も返せという雰囲気は全くない。トヨタは自己資本27兆円、売上36兆円。ならば27兆円の借金は全く適正な規模で、これを変に返済しようとして成長投資を控えるよりも、会社の利益・自己資本の成長に合わせて、更に借入金を増やして果敢な成長戦略を追求するのが正解だからだ。
(2) 国も同様だ。適正規模の国債残高までは、何も変に返済・償還しようなどとはせず、既存の国債は抱えたまま、返済時期が来た国債は、新しい国債を発行して借り換えして回していけばいいだけだ。変に返済しようとして、その分の返済資金を増税で調達すると、一発で景気悪化するだけだ。バカバカしい。
(3) ところが、世界各国の中で、国債の永遠の借り換えによる永遠の保持を「悪」として、「国債は何時か絶対返済するもの」という思想で変な法律を制定している国がある。我が日本だ。全ての国債は、部分的に借り換えしていくのはいいが、最長60年ではフルに償還し切るべしという法律がある。・・・しかしだね、もう日本では、実際には、国債の償還をするための資金が不足すると、別途、一般会計の赤字を埋める赤字国債を発行しているから、60年期限を遥かに越えて国債を抱えてはいる実態はある。しかしとにかく、日本の財務省だけは、世界でも異様な思想:「国債(国の借金)は少なければ少ない方がいい。何時も返済・償還して減らすのが正しい。」ということでやっており、国民にも「日本の国債は危険信号。返済は将来世代へのツケ回しになる。」という洗脳教育をやってきたのだ。
(4) しかし世界の常識では、国債は残高が本当に「危険水準」にならない限り、永遠にキープしているのが国のためになる。誰もトヨタに借金返せ!と言わないの同じだ。
【2】では、日本の適正国債発行限度はどれくらいか?
(1) 財務省はこの問いに絶対答えない。いつも国債は減らし、その分、増税しようという頭しかないのが財務官僚だから。言うのは「今の、国債残高1000兆円は、GDPの2倍近くあり、先進国の中でも危険レベルだ。財政改善しないと日本はアブナイ。」ということだけだ。・・・GDPの2倍がどう危険なのかは、一切言わない。
(2) そこで、プロの財務省にイジワルされた国民としては、日本の危険にならない国債最大規模という議論を、自分でやるしかない。・・・そこで、私がいつものザックリの暗算議論をしてみよう。
① 国債を支える国内の金融資産:
・世界各国で国債を国民の金融資産だけで支えている国は、貯金の好きな日本と中国だけだ。米国などは、世界から借りまくっている。日本は、国内では資金が余って米国の国債を買ってあげている位の「金融資産余剰国」である。
・日本人はもともと貯金指向だが、いまや家計(国民)の金融資産は2000兆円を超えた。しかも添付のグラフの通り増加の一途である。これの多くは高齢者のものだが、将来の年金給付不安があると高齢者も余計に貯金するし、若い世代も将来不安があるから必死に貯金する。だから、貯預金などの金融資産は増える一途だ。家計金融資産_page-0001
・一方、家計の借入金は350兆円。予測では、微増していくという。つまり、家計の純ベースでの金融資産は1650兆円ということになる。
・一方、企業の純・金融資産は300兆円余だから、家計と企業を合わせて純・金融資産は2000兆円くらいということになる。
・日本政府の国債1000兆円だが、国債でない政府借入れが200兆円あるので、総計1200兆円。あと地方政府が400兆円の地方債を持っている。国・地方政府の借入金計1600兆円。
⇒ これを日銀が500兆円、政府の国債を保有しているおり、日銀は国の「子会社」と見做すと、国・地方政府が日銀以外つまり家計と企業の金融資産2000兆円から借りているお金は、1100兆円ということになる。国民・企業の金融資産の余裕はあと900兆円ある。・・・この余裕部分が、日本国内では国債以外のものに投じられていると同時に、米国の国債150兆円など外国資産の形にもなっている。
② つまり、上記の暗算だけから言っても、今の日本政府の国債残高1000兆円を、財務省は危険というが、それは全部、国内で消化されており、国民・企業の貯預金が回り回ってそれを支えているのだし、その国民・企業の貯預金などの「余裕」分はまだ900兆円もある。つまり、暗算的には、国債は今後、計1900兆円まで積み上がっても、何ら問題ないことになる。
③但し書きはないのか?:
イ)日本の対外純資産は410兆円あるが、これが、昨今の石油や食料などの輸入代金の膨らみで貿易収支赤字が遂に、今は11兆円黒字の経常収支の赤字転落などに繋がれば、最後には日本は純資産を食いつぶし、家計・企業の金融資産の余裕である900兆円が海外に流出し始める可能性はある。遠い話だが。
ロ)高齢者が死んでいくと貯金はどうなる?・・・これは基本的に大丈夫で、遺産相続で家族が引き継ぐのと、相続税で国が吸い上げるが、国全体で減ってしまうわけでない。 ハ)あと、少子高齢化で、高齢者への年金給付が細る分、高齢者が貯預金減らすことで、上記900兆円の金融資産余裕が今はまだ増え続けているが、将来細る可能性絵はある。しかしその分くらいは、以下④の日銀保有国債を増やすので、ある程度埋め合わせしていくという方向だろうか。 二)今、ゼロ金利だが、金利が2%位になると、1000兆円の国債、というか少なくとも日銀の500兆円保有の部分以外の500兆円の2%、年10兆円は雪だるまになるので、その分は割り引いておく必要がある。
④一方、既に実質やっている日銀がお札を刷って国債を買う「財政ファイナンス」だが、今くらいのペ―ス(年間数十兆円程度)でこれやっても全くハイパーインフレなんかにはならない。ちゃんと政府が日銀の刷ったお金での資金を投じる対象の物資・サービスの供給が見合う範囲でやるからだ。
⇒ 以上の通り、国に貸す人(家計・企業)の金融資産の余裕から考えると、若干の日本の対外経常収支赤字化のリスク(そう高いリスクでないが)などを考えても、かつ、上記の金利問題を考えても、今の1000兆円の国債は倍近くまでは、日本の中でちゃんと回る・消化されるだろう。
⇒ つまり、国債は2000兆円位までは財務省の言うような「破綻危険」の兆候の出るようなことにはならないと思う。
⇒ そして、その範囲であれば、国債は、別に返済・償還なんてしようとせず、トヨタみたいにずっと「抱える借金」でいいのだ。国民も急に返されても困るだけだから。
【3】最後に、ならば、ドンドン国債発行してジャブジャブ使おう・・・という向きには、さすがに「待て!」と言おう。財務省が、だから気にしている通り「国債をまだ倍以上にしてもいい」等というと、与野党、各省庁から「お金、頂戴!」と手が伸びてきて、歯止めが効かなくなるからだ。・・・という意味では、世界で唯一の、日本の財務省の「国債は返すもの」思想はナンセンスでも、「際限なく発行してもいいもの」でもないのだ。
⇒ だから、あと1000兆円くらい枠があるかも知れないが、大事に大事にプランニングして使っていくべきである。しかし、財務省は「国債、減らせ」の一点張りだから、そういうプランニングは全くない。全くの都度都度になっている。忌々しい。 ・・・以上、書いておこう。
・・・そして、最後に私のいつもの、日本の国債が世界的にみてサイコ-に安全資産であることを示すチャートを付録で添付しておく。   Nat 342976528_230310922917993_6064077587558879541_n

★漸く 本来に戻った米日韓軍事同盟

★米国バイデン大統領と韓国の尹大統領のワシントン宣言 ――― 核弾道ミサイル搭載原潜の韓国寄港を謳った。報道ダウンロード
・・・米国の極東における軍事の実態には実質何の変わりもないが、韓国の前の文政権の政策が米日韓軍事同盟のアキレス腱になっていたのに対し、尹政権になって漸く本来の形に復帰・正常化したことの象徴として、まず、日本としても歓迎すべきであろう。
それにしても、同じ極東の対米同盟国の日本と韓国とで、斯くもスタイルが違うものかと思うので、その点をひと言書いておこう。
【1】まず米国から見て:
・米国は、日本にも韓国にも対しても、基本的には100%米国が米国の一存で管理運営する核の傘でカバーする体制としている。中国・ロシア・北朝鮮に対峙して、米国が極東における自らの拠点としている日本・韓国を米国の核の傘で覆い、もって米国の太平洋のおける利権・覇権を維持・擁護するものだ。
・米国は、2019年までロシアと中距離核兵器相互禁止をしていたせいで、中国のような(地上発射型)中距離核ミサイルを保有出来ていないが、極東の核の傘は、もっぱら潜水艦からの核ミサイル、あと爆撃機搭載核で構成する。前者、特に原潜は、長期間潜水したまま太平洋中に神出鬼没で、突然北朝鮮向けなどに核ミサイルを発射できる。だから、別に韓国なり日本の港に寄港してもしなくても、核使用の自由度は全く変わらない。つまり、そもそも原潜からの米軍核ミサイルは射程1万kmほどあるので、太平洋の真ん中から北朝鮮に向けて発射すれば済むことであり、それが韓国の釜山港に立ち寄るのは乗り組み員が上陸して嬉しい以外に何の意味もない。
・それでも、今回米国は①原潜の韓国立ち寄りありと発表、②核運用について米韓で情報共有するとの美しい話(核協議グループ)を発表したのは、ひとえに:
1) 漸く尹政権によって韓国が米日韓同盟に復帰した、それを歓迎してあげる政治的ジェスチャーが望ましいと判断した
2) 既に韓国国民の半数以上が「北が核持つなら韓国も」に走りつつあったのを、封じ込め、韓国と日本については、欧州のドイツ・イタリア・オランダなどとの核共有などは一切させず、米国が完全に牛耳る米国流の核の傘の体制を今後とも維持しようとしているためである。
⇒ 従って、①「米原潜の釜山寄港あり」は全く軍事的無意味だが、韓国人を安心させ韓国人が間違っても「核武装!」などと言わないようにするため、② “核協議グループ”は実際には情報共有のフリをするだけであろう。(但し、表向きの「米日韓 核抑止協議体」は発足することになっており、それで、中国・ロシア・北朝鮮に睨みを効かせる。)
【2】日韓のスタイルの差:
・以上からすると、今回、一見、日本よりも、韓国のほうが米国の核の傘の対象としては、一歩二歩、米国から「上の扱い」を受けているかのような見えるかも知れないが、本質的には以下であろう。
(1) 日本は、そもそも米国からして核の傘の対象国としては「大変、いい子」である。
・国内の左翼勢力に対しては、歴代の自民政権が「非核三原則」(「持たず」、「作らず」はさて置き、何と「(米国にも)持ち込ませず」も!)を掲げて、左翼勢力を制御、それでいて、実際に米軍が日本領土内に持ち込むことに対しては、「頼むから、黙って勝手にやってくれ!」で実質完全黙認してきたのだ。
・そして、核共有とか、「日本も核武装を」といったことについては、安倍元首相が一瞬「共有も検討課題」と言ったものの、自民内部でも自主的にそういう動きは「沈静」させてきた。
・・・米国から見て、忠実な僕であり、大変「いい子」である。
・・・核の機敏までは難しいが、前から一定の米日情報共有の秘密体制は既にある。
(2) これに対して韓国は、文政権がそうであったように、中国にすり寄ってみたり、昨年来の「韓国も核武装を!」論が国民的にも沸騰するなど、米国から見て、「おとなしく聞き分けのいい“兄”の日本」とは大きく異なり、ヤンチャの“弟”分が韓国である。・・・米国は、文政権の時代から、ヤンチャ韓国には手を焼いてきた。
・・・だから、まるで日本の自民政権みたいな「いい子」の尹政権が韓国に出来て、日本とも仲良くしたい久々に好ましい政権が出てきているから、うんと、褒めてあげようというのが、米国の韓国へのスタンスだろう。
・・・と言う具合に、おとなしい兄(日本)と、ヤンチャの弟(韓国)では、親の米国もそのアプローチが違うが、結局、共に強い親である米国の手の平の中でのことである。そして、こと安保・国防については、日本は米国の手の平の上でおとなしくするしかない。・・・日本は、非軍事面でグローバルサウスなどに独自の外交・協力する余地はある。しかし国防は、強い親の「いい子」でいるしか現実的選択肢はない。そして、今般、ようやくヤンチャ韓国も米の手の平に戻ったのである。色々、思う所がある人も多かろう。しかし、米の手の平での米日韓軍事同盟、現実にはこれしかない。  Nat

★資産運用業界でも、米国流儀の「日の丸」会社を今から育成し直す必要があるのか?

★今朝の日経報道で、日本の個人金融資産が増え続けて2000兆円になっている時代にあって、その資産運用を手掛けるべき資産運用会社の、世界における規模を見ると、圧倒的に米系の巨大資産運用会社が上位を独占する、そこで、岸田首相が、日本の運用会社も米系などに負けないように運用能力を高めろと号令をかけているという話が出ている。思わず笑いそうになった。
◆ 半導体や電気自動車(EV)の製造産業の話であれば、米系、中国系などに大きく負けてしまっているだけではなく、今からでも「日の丸半導体」「日の丸EV」を育成しようという話は分らんでもない。
・・・しかし、資産運用産業でも今さら世界標準の「日の丸運用」会社を育て直す必要が本当にあるのだろうか?・・・岸田首相の趣旨、それをそのまま無反省に書いている日経の趣旨には可成りの疑問・・・ということを書いておこう。
◆ 順を追って書こう:金融資産 推移と内訳_page-0001
【1】国民の金融資産2000兆円というけれど・・・・・・・:
・右のチャートを見てほしい。確かに国民(特に高齢者)は、日本の将来不安もあり、とにかく「貯金指向」だから、毎年金融資産は増える一方であり、ついに2021年には2000兆円を突破している。
・さぞかし、世界の金融資産運用会社が日本に群がってきているだろう・・・と思うと、そうではない。
・2000兆円の中身を見てくれ。半分以上は現預金、次に大きいのが運用を兼ねた生命保険や個人で積み立てる個人年金保険だ。次に全体の1割の200兆円が投資信託。株式などは4%ちょっとの90兆円に過ぎない。・・・要は2000兆円の大半は、日本の銀行に預けられるか、日本の生命保険会社への生保・個人年金積立てに回っており、欧米で言う「投資資産運用」は200兆円の投信と90兆円の株式という小さな部分だけなのだ。
【2】では、お金を託された日本の銀行と生保はどうしているか?:
(1)銀行は、お金余りでどうしようもないから、日本政府の国債を買っている。日本の国債残高1000兆円の半分は日銀が持っているが、残り半分の多くは日本の銀行が預けられた預金で買っているのだ。
(2)生保は、積み立てられたお金を、やはりその多くを国債などの公社債に、そして、後を株式、そして外国証券などに投資している。・・・実際に運用しているのは、多くは自社グループ内の運用部門だ。・・・ということで、(1)も(2)も、専ら日本人の世界だ。
【3】僅かな部分だが、一応、1割の投信部分、4%ちょっとの株式部分もある。
・これは個々の国民が、いいと思う相談先、大半は、専ら日本の証券会社、最近は銀行の資産運用アドバイス部門、そういう所経由で、投信商品や推奨株式に投じられている。
【4】以上なのだが、上記のどこに、米系などの「巨大ガイジン資産運用会社」の出番があろうか???:

・そもそも日本人は、日本の元財閥系の銀行や生保の「ブランド」指向だ。三菱、住友・・・あるいは生保ではニッセイ以下。カタカナのガイジン銀行・生保は新しいもの好き以外には、敬遠されたりする。「ガイジン恐怖症」も一役買って。三菱・住友・ニッセイなら、運用成績は「地味」かも知れないが、恐らく手堅い・・・という、日系ブランドへの強い信頼。
・・・日経報道の筆頭のブラックロックなんてのは聞いたことない、という日本人の方が多い。
・三菱・住友・ニッセイなどというブランド信仰で、銀行預金し、生保積み立てをし、投信・株もそれ系の証券会社などに相談する、それが日本人だ。“ブラックロック”なんて余り聞いたことのない青い目の会社はぞっとしない。
【5】そういう信頼のされ方をされている日系ブランドの運用会社では、ブランドのイメージを維持する運用をしていればいい。運用会社のCEOは、勿論、親の大銀行からの天下りのジジで、運用については何も知らないかも知れないが、それでいいのだ。運用担当者も外資系と違って目論見書に個人名なども出ないが、その企業グループの「しっかりしたサラリーマン」が組織として、しっかりお金を預かり堅実な運用をしてくれれば、それでいいのだ。
・・・それを下手に、「プロいCEO」を社外、場合によっては米系から引っこ抜いてきたり、運用担当に米系みたいな運用成績リンクのボーナスを出す・・・なんてことすると、折角信用している「日本ブランド」の安定感が崩れてしまう。だからそんなことは、日本のブランド運用会社はやらないのだ。お客が求めていないのだから。・・・そして、もしお客で「米国流儀」の投資を少し入れたい人がいれば、ブラックロックでも何でも少し入れればいいことだ。日本流の日本ブランドを米国流儀化しようとしても意味ないし、上手くいかない。
◆◆ 岸田さんと日経新聞には、上記のことを、まず教えてあげたい。すると、今朝の日経報道の内容が、殆ど笑えてくる内容でしかないことに直ぐ気がつくだろう。  Nat


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★全国に広がりそうな「維新の会」ー その本質

★躍進する「維新の会」について --- 続編
◆ 昨日、躍進する「維新の会」と、救いようのない「立憲民主」について書いた。その際、維新については、以下のイメージ作戦が奏功していると書いた:
①「自民党でも社会党・民主党でもない新政党」イメージ
②自民の安保政策などの「自民のいい点」は踏襲し、自民が改革っぽくないことについては、維新が大阪で実績を残した「身を切る改革」で改革はしてくれそうとのイメージ
③自民のジイサン議員とは全然違う「若若しい議員」(吉村さんが典型)で何かやってくれそうなイメージ
・・・以上のイメージ作戦が大成功中。しかし決して国政の与党を担える政党の内実はないとも書いた。
◆ 上記②(改革してくれそうなイメージ)との関係で、維新の吉村氏などが盛んに言う「大阪での改革の実績」・・・これが如何ほどのものか、案外、大阪以外の人には「イメージ」でしか伝わってないのではとも思う。しかし、ここまで全国に手を拡げつつあり、国政でも伸長してきている今、維新の「大阪改革モデル」の虚実については、我々も一とおりの認識を持っておく必要があるだろう。・・・但し、一地方のことにて、ネットなどで入る情報も限りがあるので、多少とも断片的にはなるが、専ら数字で押さえつつ、私流のザックリ記述をしたためるので、更に追加のインサイトがあれば、コメント願う。
【1】橋下・松井・吉村らの「大阪維新」による「大阪改革」は、専ら大阪市・大阪府の「行政の効率化」と言っていいのではないか? 維新前の大阪と維新による大阪を数字中心で見てみよう。
(1) よく書かれているのが「経常収支比率」(自治体が自由に使えるお金のうち、どれくらいの割合を義務的経費に充てなければならないかを示すのが「経常収支比率」)、これの改善。
・・・最初の大阪府のグラフがそれ。H10年(1998年)ごろは、それが110%以上で、非常に苦しい状況だったのが、H20(2008年)の橋下知事就任以降は100%以下になり、確かに全国平均にまで改善している数字にはなっている。固定費(行政人件費)をカットしたのだ。
(2) 次に、大阪府と大阪市の債券残高の推移。二つ目のグラフ。・・・少なくとも大阪市の債券はH16年(2004年)をピークに減り続けている。(府の債券は減ってないが。)
・橋下市長就任はH23(2011年)からで、債券の減り出したH16年は関市長、その後が平松市長の時代だ。⇒ 維新は「大阪財政を維新が改革した」というが、反・維新勢力は、それを維新の「ペテン」と言う。維新以前から財政再建をしてきたのを、維新は引き継いだだけとの反論だ。内実はワカラン。
(3) そして、維新のやった行政改革: 専ら行政職員の人減らしと、市営事業の効率化だろう。3つ目のグラフの通り、橋下知事就任の2008年、市長就任の2011年以降、市・府の職員数は3割くらい減らされている。市営の交通機関の民営化も図ったが、議会に阻止され、議会の承認の要らない手段で、合理化をしている。・・・そして、問題になったのが、公立学校の統廃合だ。大阪の廃校
比較的人口の多くない地域の人員割れ学校を閉鎖し、人口集中部の学校に統合してきている。
(4) そして、「大阪都」構想。大阪府を廃止し、都に改造、東京都みたいに変える構想。世界的にも乱暴すぎる賛否両論の構想だったが、さすがに、二回の住民投票で否決された。ひと言でいうと、かなり頭の中で考えた「効率化」だが、実現していたら、可成りの弊害があったかもしれない。
⇒以上のように、維新の改革は、上からの力で「行政効率化」を進めるものだが、「効率化」の裏腹に、学校の廃校に象徴されるように、人口の少な目の非効率地域の“切り捨て”的になりやすく、また、行政カットで最初にしわ寄せが行くのが社会的弱者である。・・・米国の共和党の「小さな政府」vs 民主党の「弱者をも配慮する政治(大きな政府)」の、前者の共和党を彷彿とさせる。・・・そして、そう批判されても、橋下・松井・吉村は、言葉巧みにかつ強引に押し切ってきた。
(5)最後に、維新の功績と言われる関空の建て直し。インバウンドの呼び込みで、関空を盛り立てたという。・・・如何ほどの効果があったのか、財務数字を見てみた。四つ目のチャート。維新以前でも、そこそこの空港だったが、維新以降の数字はそう劇的というほどのこともない。(注:この数字は(旧)関西国際空港㈱のもので、新空港部分だけの数字としては分らない点を注記させていただく。)・・・・但し、このノリで、これから夢の島(ゴミの埋め立て島)に万博開催、その後、カジノ(1兆円プロジェクト)を作り、更に観光大阪を盛り上げようとしている。
【2】 結局、維新の「大阪改革モデル」は、「効率主義偏重の行政の“上から改革”」、「興行ビジネス主義での地域経済の偏った活性化」でしかないのではないか??・・・大阪の府・市議会の内部にある多いなる「維新への疑問」にも拘わらず、大阪府民・市民が橋下・松井・吉村の弁舌に引っ張られて、選挙の投票で支えている面が可成りあるのではないか??
・・・私は、大阪のアウトサイダーであり、実態は分らない。
・・・しかし、言葉は悪いが、維新が大阪以外にも、“ウイルス”のように広がりつつある今、維新の本質には無関心ではいられない。だから、限りある情報と直感で、溝口ザックリ印象を書いてみた次第だ。・・・私とは違い、インサイダー実感のある方などからのコメントを期待する。 Nat


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★ウクライナ防衛戦争に限っても、日本製武器は一切供与できないのでいいのか?

★日本の武器輸出を制限する「防衛装備移転三原則」について、ウクライナなどの軍事支援の場合には、殺傷力のある武器の輸出・供与も認めるかどうか?との議論が、政府・与党内で始まった。報道
◆ この件に関し、当面、私が今時点で書いておきたい事項は以下だ:
【1】まず本質問題か分らんがスッキリしないことから書く:
・・・報道では『防衛装備移転三原則の運用指針では、「殺傷能力のある武器の輸出先は日本と共同で開発し、生産している国に限られている」とある。』と書いている。そこで、「運用指針」(以下リンク)を見てみたが、1.(2)項で、明示的に『「殺傷力のある武器」が米国などの共同開発先以外には出せない』とは読めない。運用指針
・・・しかし、2014年に安倍政権が、それまでの「武器輸出三原則」で原則完全禁止にしていたのを、厳格な条件が満たされれば、一部の周辺装備品くらいは供与することが国益に資する場合もあり、ということで、「武器」を「防衛装備」と言い換えて、三原則を内閣決議し運用指針も定めた。その経緯からして、「殺傷力のある武器」を除くという趣旨を込めたのであろうとは推察される。・・・ただ、肝心の「殺傷力のある武器」は禁止ということが明示されてないことに、本件の難しさが象徴されている気がする。
【2】本日TVで見た報道では、世論調査で「殺傷力のある武器輸出の緩和に賛成か?」と問われると、3分の2くらいの回答が「反対」と言っているようだ。
・・・しかし、世論調査の常だが、本件、国民に「真の判断」を問えるところまで、論点が煮詰まっていないのではないか・・・と感じる。
1)まず、憲法9条の下、長らく武器輸出を禁じてきた趣旨は何か?
・憲法9条で、基本的には武力放棄しているが、専守防衛の自衛隊だけは持つことにした日本だ。
・そういう日本だから、軍事大国、武器大国にはならないポリシーがある。だから、たとえ同盟国や友好国が武力行使中の場合でも、そこに日本製の武器供与まではしないことにしてきた。そして2014年の安倍政権の決めた最新の方針でも、日本がウクライナに供与したようにヘルメットと防弾チョッキなどの供与に留め、日本の三菱重工製の戦車などの供与まではしないというのが日本のあり方となっている。
2)しかし、既に日本も、ウクライナにヘルメットと防弾チョッキは提供した。一方、欧米各国は、ロシアに不当にも侵略されているウクライナの防衛戦争の支援のために、種々武器を供与している。G7で「武器供与はポリシーで出来ません」と唯一言っているのが日本だ。
・・・ここで選択肢は二つ:
① 「日本は平和憲法があり平和主義だから、たとえウクライナ向けであっても日本の武器は出せません」というのか?
② 「日本製の武器は専ら日本の専守防衛・自衛のためにのみ作っているものだが、ウクライナ防衛のためなら、例外的に供与しましょう」というのか?
・・・この二つの中でのチョイスだ。
3)ただ、ここにもう一つ要素が加わる。日本の武器メーカー、三菱重工などの “後押し”のために武器輸出を認めるか?だ。三菱重工など日本の武器メーカーは、自衛隊にしか供給しない。はっきり言ってマニアックでありガラパゴスだ。しかし、日本の防衛力強化のためには、三菱重工などの武器を輸出も出来るようにして、その供給力をレベルアップさせることが、日本の防衛強化に繋がるという考え方はある。・・・しかしこれは、かつての大日本帝国時代の日本の軍需産業の復活を想起させ、抵抗のある向きも多いのだろう。
4)ということで、「ウクライナだけには武器の供与もありか?」との問いへの答えの判断だが、「ウクライナだけには」と言いつつ、ひとたび例外を設けると拡がり得る懸念はある。日本が軍事大国・武器大国に戻ってしまう最初のステップになるのではないか?という懸念もあり得よう。
【3】ということだが、前述の世論調査は、とても上記のような論点を全て踏まえた上での質問・回答とは思えない。「平和主義の日本が武器輸出解禁するのは、どうですか?」と、ぱっと聞かれれば、「反対」と答えるのが普通だろう。
・・・しかし、湾岸戦争でお金しか出さなかった日本への厳しい批判ではないが、いまウクライナ防衛戦争に対して、日本が自分を守るために製造している戦車などの武器を、ウクライナだけには回せないのか?と強く乞われている。それに対し、「日本のポリシーですから、ウクライナには出せません」と、突っぱね続けるのでいいのか?・・・という場面設定を明確にし、国民に問うて欲しい。各政党にも、そういう場面設定で、どうするのが日本の国益に資するのか、真剣に向き合ってほしい。そう思う。

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