★ウクライナ戦争 ーーー越年だ。
・・・しかも、ウクライナ側にも支援の米欧側にも疲弊感が蓄積、一方のプーチンロシアは経済制裁も余り効かず、特に周辺地域からの徴兵兵士に多数の戦死者が出ていても、ロシア国内政治的には厭戦気運はそう拡がらず、案外、国力を維持して持久戦を結構有利に展開している。
◆ 私は、これまで、以下の2022年6月、23年2月そしてこの12月の記事などで一貫して書いてきた通り、①米欧がウクライナに勝たせ過ぎない方針でしか支援していない以上、ロシアの「負け」は最初からなく、②以下の最初の22年6月の文の通り、ロシアが2014年のクリミアに続き、結局ドンバスを手中に収めるとの「戦果」を確保して、一旦停戦に向かうとの見通しだろうとずっと書いてきた。
◆ しかし、22年6月の文で想定したことは、ロシアはドンバスも手中に収めて、一旦停戦するが、ウクライナは戦力を温存したままとなり、停戦後、ロシアは長期にわたるウクライナ東南部の支配・維持のための駐留で国力を次第に消耗、そうこうする間にウクライナのレジスタンスと、国際社会の圧力で、結局、ロシアは東南部の実効支配を失っていく、、、そういうシナリオを目指すのだろうか、ということだった。
◆ 2023年末、ロシアの2022年2月24日のウクライナ侵略から1年10ヵ月。
・・・まだこれから米欧の戦闘機などの前線投入などもあるし、ウクライナ軍の多少戦術的な盛り返しも期待したいところではある。しかし大局観としては、そもそも米欧の本心では「ドンバスなどの今回侵略地域の実効支配はもうしょうがない、それを覆すようなウクライナ支援は西側にリスクがある」と判断してきているのだろうから、欧米の「本心」通り「ロシアの東南部実効支配」で一旦停戦、しかし、昨年私が想定した「ウクライナの体力温存」はかなり想定が狂い、ウクライナの体力が大きくは残らない形での停戦になる懸念も強いと思う。・・・つまり、ロシアの実効支配を時間をかけて覆すウクライナのレジスタンスもどうなるか分からない情勢にも思える。
・・・結局、2014年のロシアのクリミア略奪を、米欧が実質「黙認」した続きで、今回は「ロシアのやり得を許すまじ」との建前だけは掲げたが、結局、本質的には2014年の「やり得」の二の舞になりそうに思う。・・・何万人ものウクライナの子どものロシアへの拉致を含めて、戦争犯罪の極みであるプーチン・ロシアが「やり得」になる。・・・・結局、その本質的背景には、ロシアの核兵器の脅威が米欧を安全策に留まらせたという構図になりそうな気もする。・・・同様「核の脅威」を持つ、習さん、金さんの、大いに参考にもなることだ。
◆◆以上、まだケリはついてないのだが、2023年末に、弱気の私の見方を書いておく。・・・正直、私の心の中は、プーチン・ロシアへの憤怒と、「悪い奴がのさばる」この世の不条理への悲嘆が充満している。
Nat