★「電気自動車(EV) でない自動車は売ってはいけない」みたいな、特にEU環境派の鼻息がここの所、ちょっと陰り気味。・・・そして、Apple社の「EV投資より、これからはAIに」とのニュースで、いよいよ「EV運動」は失速か・・・といった雰囲気もある。
・・・などの「EVの勢い」への「翳り」報道は確かにある。
◆ しかし、EUの1月の自動車販売統計でも、以下報道の通り、まだEVは比率を伸ばしており、実態としては、「過度のEV主義」には多少とも疑問符が付いてきている・・・と言ったところだろう。報道
◆ 私は、そもそもEVが地球温暖化問題への切り札みたいに言ってきた欧州環境派のペテンを糾弾してきた人だ。
・そもそもEVの電池は製造過程で、特に乾燥工程で、もう走行に要するエネルギー 7年分くらいに相当する大量の電力を浪費する化け物である。
・そして、EV向けの電池は、電力の6割を石炭火力で発電している中国で、多くが製造されているから、EVは買った時点で既に、炭酸ガス増加を十分促進してしまっている代物であり、一種のペテンなのである。
・・・多くのアンチEV派は、値段が高い(政府補助金がないととても売れない代物)、国にもよるが充電が不便、厳寒では使えない、など、自動車としての欠点で、EVばかりになる訳がないと主張していて、それはその通りではある。しかし、私は、そもそも「EV=地球にやさしい」がペテンであると言い続けてきているのだ。(EV電池の製造電力も、EV充電の電力も全部、再生エネか原子力の電力とかでやるのでない限り、ペテンなのだ。)
◆ しかし、それでもEUのEV派は、ひきつったように「EVシフト」を主張してきた。
・・・皆分かっていることだが、その動機のかなりの部分が、(一部のドイツメーカーを除き)ハイブリッドで日本メーカ―にかなわないので、「ハイブリッドは地球環境上NG」と言い出して日本メーカー潰しを画策したことにあるのだから、著しく動機不純である。
・・・そうやって日本メーカー潰ししたつもりのEUだが、何と安価な中国のEVが市場になだれ込み、「EVを振興すると、下手すると中国ばかりが儲かるだけ・・・」に気づきだしているのだ。
・・・ そして又、大統領選を迎える米国では、大票田の自動車労組がEVシフトによる失業に大反対しているから、政治的にEV振興はバイデンでもトーンダウンである。
◆ 斯く斯様に、みな不純な動機から「一方的なEVシフト」にブレーキをかけて始めている。
・・・それでも、尚、EVの市場シェアは、まだ増えていくとの
現実もあるだろう。
・中国で無数のメーカーが乱立してきたごとく、ガソリン車と違って、EVは参入障壁が低い。
・なんやかんや言って、ペテンであろうがなかろうが、地球環境派の政治的なポジションはそう弱まってしまいはしない。
・電池のコスト問題、充電問題は、各国とも、政府も含めた政策展開で改善されていくだろう。
・・・だから、だから、2030年で世界の新車中のシェアが30%とかまで行くかどうかは分からんし、特にEV型のPHVなどのハイブリッドも含めた「複線市場」になるだろうが、EVがここで失速してしまうことはあり得まい。
・・・結局「地球温暖化のペテン対策」としてのEVが失速することはない、ということだろう。人類とは、そういう非合理的な生き物なのである。
Nat
