★昨日から、日本の電力需給計画に関連、再生エネ増強を謳うしかない政治的ニーズがあるから、政府は再生エネ増強を謳い、そうなると、まるで進んでいない系統蓄電池と送電容量の増強・整備がこれからの大問題になる。然るに、日本政府は、2016年の電力自由化以降、遺憾ながら、電力の系統関連の投資が進むような政策を展開し損ねてきた・・・と書いてきた。
◆ そして、そういう中でも、今朝の日経新聞に、地球温暖化対策を国際政治テーマとする欧州勢らの石炭火力廃止への掛け声の報道がある: 「G7、石炭火力を原則35年に廃止」「期限に関しては35年を原則としつつ、各国が温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標の達成と整合性がとれるなどの条件を満たせば35年以降も活用を続けられるとする案が出ている。」・・・日本は、いよいよ苦しい。
◆そこに俄かに、世界的大問題として出てきているのが、AIが異様に大量の電力を消費する問題だ。IEAのレポートでは、このまま行くと2026年の人類の電力消費は、2022年の倍に達する可能性もあるという。・・・勿論、低電力消費のAIとか、AI処理のための低電力半導体の開発などは進むだろうが、欧州政治勢力の温暖化防止の声をまるであざけ笑うかのように、人類の電力消費がかなり増えるのは不可避だろう。
・・・しかも、AI電力は、昼も夜も消費される。通常の人間の生活や産業の電力消費は、昼のほうが多く夜は少ないから、皆の好きな太陽光発電と、昼夜の波が概ねマッチする面もあった。しかし、AIは人間や工場が寝ている夜の間、太陽光発電が死んでいる夜の間も大量電力を消費するのだ。
・・・これを迎え撃てるのは、まずは原発である。そして、低炭素化した石炭火力とLNG火力である。
◆今年の日本政府の、エネルギ―基本計画で、この辺をどう扱うか、見ものである。日本政府に現実から逃げないで向き合うガッツがあるかが問われよう。でないと、日本のエネルギーの漂流は続く。

Nat

