♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2024年04月

★日本の長期エネルギー計画 -  このまま漂流するのか?

★昨日から、日本の電力需給計画に関連、再生エネ増強を謳うしかない政治的ニーズがあるから、政府は再生エネ増強を謳い、そうなると、まるで進んでいない系統蓄電池と送電容量の増強・整備がこれからの大問題になる。然るに、日本政府は、2016年の電力自由化以降、遺憾ながら、電力の系統関連の投資が進むような政策を展開し損ねてきた・・・と書いてきた。
◆ そして、そういう中でも、今朝の日経新聞に、地球温暖化対策を国際政治テーマとする欧州勢らの石炭火力廃止への掛け声の報道がある: 「G7、石炭火力を原則35年に廃止」「期限に関しては35年を原則としつつ、各国が温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標の達成と整合性がとれるなどの条件を満たせば35年以降も活用を続けられるとする案が出ている。」・・・日本は、いよいよ苦しい。
一方、今年、日本政府は「エネルギー基本計画」の見直しをする。温暖化問題で焦点になっている2023年の電源構成をホントにはどうするべきか? 国際政治のためのスタンスとして何をどこまで打ち出す、打ち出さないのがいいのか?・・・非常に苦しい検討になる。
◆そこに俄かに、世界的大問題として出てきているのが、AIが異様に大量の電力を消費する問題だ。IEAのレポートでは、このまま行くと2026年の人類の電力消費は、2022年の倍に達する可能性もあるという。・・・勿論、低電力消費のAIとか、AI処理のための低電力半導体の開発などは進むだろうが、欧州政治勢力の温暖化防止の声をまるであざけ笑うかのように、人類の電力消費がかなり増えるのは不可避だろう。
・・・しかも、AI電力は、昼も夜も消費される。通常の人間の生活や産業の電力消費は、昼のほうが多く夜は少ないから、皆の好きな太陽光発電と、昼夜の波が概ねマッチする面もあった。しかし、AIは人間や工場が寝ている夜の間、太陽光発電が死んでいる夜の間も大量電力を消費するのだ。
・・・これを迎え撃てるのは、まずは原発である。そして、低炭素化した石炭火力とLNG火力である。
◆今年の日本政府の、エネルギ―基本計画で、この辺をどう扱うか、見ものである。日本政府に現実から逃げないで向き合うガッツがあるかが問われよう。でないと、日本のエネルギーの漂流は続く。
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  Nat

★系統蓄電池の遅れは、明らかに政府の電力行政の大失政だろう!

★漸く再生エネ発電の出力制限をしなくてもいいように、系統蓄電池の整備が課題として認識されてきた。images
・・・・しかし、これは政府 が再生エネ発電をFITで奨励し始めた2012年から分かっていることだ。
・・・ であるのに、なぜ、発電設備の増加ばかりが奨励され、系統蓄電池は後回しになったのか? その本質的原因は何か? その点につき、報道は政府に遠慮して、決して切り込まない。
◆ 私は、2016年の政府による電力業界の自由化以降の政府施策の失政だと思う。
電力自由化と言っても送配電事業は、自由化しにくいので、2016年、2020年の二段階の送配電事業分離においても、当然だが、実質的には従来の地域電力会社の送配電の地域独占状態が残った。そして、送発電とは分離された発電と小売り部分だけが自由化されたのだ。
・・・ ところが、ところが:
(1)系統蓄電池を早めに手配する役割が、送配電事業者の範疇なのか、発電事業者の範疇なのかの明確な行政メッセージが弱かったと思う。その結果、送配電業者も発電業者も、自分のことと思わず、日本中で集団無責任になったのだ。そして、その状況を見て見ぬふりをしてきたのが経産省だろう。
(2)更に、だいぶんコストは下がってきたが、蓄電池はコストが高く、投入してもそもそもリターンが取りにくい。だから、政府は、系統蓄電池事業でリターンが取れるような電力市場制度を導入する必要が最初からあったのだ。・・・しかし、実際に政府が導入したのは、“新規発電設備”からの“発電”に対するリターンを一定確保できる「容量市場」という市場メカニズムでしかなかったのだ。系統蓄電池が狙う「スタンバイ容量」に十分リターンが出る仕組みは、恐らくまだないと思われる。
・・・この(1)と(2)の合併症での政府失政が、系統蓄電池への産業の取り組みが遅れた本質的理由と私は思う。しかし、経産省はそういう話を一切しないし、日経新聞などの報道機関もそれを言わない。皆で口をつぶっている。そういう意味では、この国はイヤな感じの国だ。 Nat

★再エネ用の系統蓄電池? - 設置するまでに、大量のCO2放出済みだろ!!

★日本の電力を、石炭もなし、原発は勿論なしで、「美しい太陽光・風力など再生エネ」だけで、賄おうね、などという、物事を全く知らないおめでたい意見を言う人がなかなか減らないので呆れる次第であるが、その辺につき、何十回書いてきたが、またひとこと。
◆再エネだけでは全くあり得ないことは、何度も書いてきたのだが:
(1)まず、日本は国土(山ばかり、海は突然深くなる)と気象状況(日照時間の限界、欧州のような偏西風もない)から、そもそも太陽にも風力にも向いてないのだが、好き好んで高コストをかけて太陽・風力ばかりでやろうとする趣味の人はすればいい。
(2)次に分かっている人は分かるのは、太陽は夜はダメだし風も弱いとダメだし、一方で天気良すぎると再エネ発電を抑制する必要もあるということで、これからは、再エネを蓄電池で貯めないといけないということまでは、分かる人もいる。
(3) しかし、太陽・風を言う人の95%くらいが分かってないのが、太陽・風力の電力は、実質直流、一方、系統電力は正弦波で波打つ制御された交流。太陽・風力の電力を電力系統に送り込んでも問題ないように、交流変換する必要あり、それも含めて、再エネを系統に送り込むために、膨大な蓄電池システム・交流変換のパワコンのシステムが必要。しかし、実は日本はFIT制で太陽光などの発電ばかり奨励して、その系統繋ぎ込み部分への投資が全く遅れているのだ。この点を皆、知らない。更に、北と南から再エネ電力を日本z全体に送電する送電容量が足りない。
・・・だから、経産省の検討で、日本を100%再エネにすると、電力代が今の3倍になるとの試算もある。
⇒ 「美しい太陽・風の再エネで!!」などという人も、大概、電気料金が3倍と聞くと絶句し、ホントですか?等と私に言う。
◆しかし、しかし、本日の本題はまた別だ。
・・・添付の2,3日前の日経記事の通り、日本でもようやく、再エネ電力を系統に送り込むための系統用大規模蓄電池システムへの投資が始まる。
・・・そこで、今日は、実は、それをやると、当面は、却って炭酸ガスを増やしてしまうことを指摘しよう。
◆これは、まず電気自動車(EV)の蓄電池では言われていること。EV用のリチウムイオン電池だが、その製造過程で、EVとして走行で消費する電力の7年分くらいの電力を消費してしまうのだ。嘘でしょうと思うからも知れないが、電極の乾燥に膨大な電気が要る。しかも、今は、蓄電池は大半が中国で製造され、中国はまだ石炭火力が6割。
⇒ つまり、EVは、皆が買ったその時までに、既に7年分の電気を中国で消費し、大量のCO2を中国で放出済みなのだ。それを皆は知らない。
◆ ところが、これが系統蓄電池でも基本は同じなのだ。EV用と若干スペックは違うが、現状では、系統用の大型リチウムイオン蓄電池は中国製が殆どだ。記事にある住商のはEV用の蓄電池の中古品の再利用のようだが、一般的には、系統用に新規調達したものは中国でCO2を大量に放出するものになるだろう。
・・・ということは、蓄電池製造の電力も、太陽・風でやらないと、ペテン・欺瞞になるのだ。しかし、そういうことをしようとすればするほど、再エネのコストが余計に上がるのだ。蓄電池ビジネスがビジネスとしては成り立たなくなる。
・・・しかし報道では、そんなことは言わない。だから国民は、日本も、蓄電池含めて、「CO2放出もない美しい再エネ発電」に近づいていると思いこむのだ。 再エネ関係の話は、斯く斯様に無理解・ペテンが多い。ご注意あれ!!  Nat


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★円安でNY市のラーメンが3000円以上!との報道の愚

★今朝、テレ朝の娯楽的報道番組だからしょうがないが、「米国のNewYorkのラーメンが21ドル、それが円安155円で、円換算で更に高く3,200円ということになる!!」といった話を面白おかしく取り上げていた。439467167_7503370219742150_3438262370938639066_n439593953_7503370566408782_904056495312426090_n
◆ 類似の話が、有名なビッグマック指数だ。 その時々の為替レートでビッグマックの価格を比較し、日本は安い、だから、円は安す過ぎる・・・とかの議論をするものだ。
そういう話を聞いていると、実にイライラしてくる。以下の点を考慮しない、各論だけ見た超偏った話しでしかないからだ。
【1】そもそも日本のラーメン、ビッグマックの価格と、その時の為替で換算した米NY市のラーメン、ビッグマックの価格を比較しても、比較の意味はほぼ皆無である。
1)日本の「安い」とラーメンとかビッグマックを日本で仕入れて、NY市まで運んで売れるなら、価格比較に少しは意味が出て来るが、外食の食べ物は、輸出入不能だ。だから、それぞれの市場でそれぞれの市場要因で価格が決まるだけの話。比較は無意味。
2)同じく、ビッグマックの価格で日米が均衡するような円ドル為替レートが適切レート、などいう話も無意味。
3)そもそも為替レートは、今日、①圧倒的に相対金利体系に引っ張られる短期金融取引で決まる、②そして、輸出入可能の商品・製品の貿易バランスがちょっとだけ影響する。・・・その結果の為替レートで、貿易不能のラーメンやビッグマック価格を換算する奴がオカシイ。
【2】次に、あたかも、米国人は高い食い物を食わされている、日本人は安い食い物を食べられている、、、、みたいな、全く間違った印象になりがちなのが困る。
・まず、エンゲル係数(家計の消費支出の中の食費の割合)を見てみてくれ。下のグラフ。・・・日本は先進国中でエンゲル係数が20数%(最近で27%)と、かなり高いのだ。米国は17%くらいで世界一低い。439593743_7503421783070327_6983693434873449008_n
・当たり前だ。米国は世界最大の食糧産出国。穀物・肉などが圧倒的に安い。これに対して、日本は山ばかりの狭い国土で食糧は米国などから大量に輸入するしかない。だからそもそも食品コストが相対的にヒジョーに高いのだ。
・だから偶に外食で食べるラーメンとかビッグマックの価格がどうであれ、家計の食費が苦しいかには殆ど影響しない。
・米国では労賃が高いから、NY市など都市部の外食はバカ高い。しかし、米国全体で見ると「田舎」が多いし、家庭でつつましく、安い肉とポテト、しかも大量に冷凍化したのを大量に買い込んで、毎日少しづつ安く食べている人の方が多いのだ。
・・・報道では、そういう話まではしない。ただただNY市のラーメンが、円155円で3000円を超えた!!と騒ぐだけ。報道する側も視ている側も、それでは痴呆化するのみだと嘆かれる。  Nat

★中小企業の零細乱立からの脱却への道 - 御用新聞日経の限界

★日経新聞が、中小企業の同業他社M&Aによる「零細乱立」からの脱却という、私がずっとずっと言い続け居ることに関して、一面トップで報道しているのは、よしとしよう。
・・・そして、それの後押しとして、経産省が今国会に出したい中堅企業支援策にも触れている。
しかし、しかし、御用新聞である日経の限界は、ここで、政府の中小・中堅企業の産業再編・統合への後押し策が、私が2月に憤りをもて書いた以下の拙文の通り、超ケチケチな税制”優遇”策でしかないことについて、分かっていても書かないことだ。拙文
・・・日本の経済・産業の根本的活性化に関連、日経は「日本の中小企業は企業数の9割超、就業者数の7割を占める。経済が活力を取り戻すためには、確実に存在する隠れチャンプが脚光を浴びなければならない。」と書いているにも拘わらず、そんな日本の将来を大きく左右するテーマについての政府の後押し策が、超ケチケチでしかない!とまでは一切書かないのだ。だから、日経には、世の中を突き動かす力がない。現状の評論に過ぎないからだ。
◆私はもう何度も提案している、①業界M&Aした存続企業の法人税を5年完全無税に!、②売却オーナーの譲渡課税を大幅減免、③商工中金や信金などのM&A仲人に対してドーンと仲介フィーを政府から!!・・・と。(財源論は、前記の拙文を見てほしい。) Nat


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