♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2024年05月

★苦悩の農中(農林中金)ーーーその② 農政そのものが問題!

★苦悩の農中(農林中金)ーーーその②
・・・昨日、関連の日経記事に触れ、農協組織がその余剰資金を農中に集めて、農中に資金運用させ、そのリターンを農協組織への「お約束利息」(”奨励金”)として毎年還付させる、農協はそのお約束利息によって生き延びる、そのいびつな構造のため、農中は無理な運用を強いられる、という点について書き、本日の日経の続き(「下」)で、更にどこまで踏み込むか見極めたいとも書いた。
◆ 日経の「下」編では、冒頭に東北地方の元JA組合長のコメントで、農協が農中の資金運用益にばかり頼るべきでなかった、というのを引用しているのは結構だ。・・・そして、記事は、農協組織は実質赤字であるが、農中の資金運用で何とか成り立っている実情にも触れている。オーケー。
・・・ただ、日経としては、その辺までだろう。
◆ 本当はだ、農中に無理させて、金融利益で何とかやっている農協の話をするなら、日本の農政にまで話が及ぶのが本筋であろう。
・・・ざっくり言うと、昨日もコメント欄で書いておいたが:
① 戦後の農地改革で農地は小刻みの小作農単位になったが、その後の高度成長期に社会の都市化・工業化で、転業してしまう農家が多い中、地方で高齢化しても農業継続している零細農家が日本の農業、という構図になってきているが
② 日本の農政は、徹底的に、それを保護・補助して延命させる方針、逆に言うと、企業参入・農地集約・合理化の道は閉ざしてきたのだ。
・・・その保護農政を実際に担っているのが、自民党農林族、農協=コメ兼業農家、農林水産省から成る「農政トライアングル」である。
◆話せば長くなるが、日本の保護農政は、国民に「食料自給率の維持・改善」なる、かなり欺瞞的な看板の元、零細農家を保護してきた。(注:何度も言う通り、食料だけ自給しても無意味。食料運ぶエネも、食料生産の肥料・飼料が殆ど輸入だから、それだけ言っても欺瞞なのである。食料は基本的に同盟国からの輸入。だから、国内農業は合理化経営の企業などに委ねて、あとは輸入するといいのだ。)
・・・保護農政の為、日本の農業は、国民の負担でのみ支えられるいる。「直接的な公費による生産者への給付」と「人為的な関税などでの価格吊り上げ(国民の食費負担)」の合計としての「農業保護国民負担(PSE)」で見ると、下のチャートの通り、農業者の受け取り額のうち、日本ではPSEが41%にも上り、韓国と並んで、国民の多大な支えによってのみ、日本の農業は延命されているのである。
・・・そして、その延命のあがきの一つの要素が、農中による無理な金融利益で赤字の農協を支えてきた、いびつな農協の構造なのである。
◆ どうせなら、本当は日経には、ここまで書いてほしい。
・・・しかし、そこまで書くと、さすがに政府に睨まれる。御用新聞である日経としては、それは無理な話なのだ。昨日から予想した通りである。 Nat

nikkei.com_paper-v446934660_7672410132838157_2823308174638028454_n

★苦悩する農林中金

★農林中金(“農中”)が苦悩中。
・・・今朝の日経の関連記事「農林中金 - 三度めの蹉跌」「無理重ねた30年」は、農中の苦悩を半分は書いている。シリーズの「上」の記事なので、「中」とか「下」で、更に本質的な農中の問題を書くのか、明日以降に見極めたい。
・・・だから、今日は一言に留めよう。
農協、JAの構造は、ちゃんと描くと複雑怪奇な絵になるが、以前掲載されていた日経のシンプルな絵を添付しておこう。
・・・要は、全国の農家等の上に農協・JAバンクが乗っかって、農家の営みを「支配」しているわけだが、その更に上に資金運用機関である農中がある。
・・・農中のHPには、農中の役割につき、以下の建前が書いてある。
【建前的な農中の役割】 「JAバンク、JFマリンバンクの安定的な資金調達基盤を背景に、会員や農林水産業者、農林水産業に関連する企業などへの貸出を行うとともに、国内外で多様な投融資を行い、資金の効率的な運用を図ることにより、会員のみなさまへの安定的な収益還元に努めています。」
・・・しかし、実態の農中は違う。
(1) 全国の農家への貸付金は、基本的に農協・JA銀行が行い、農中の貸付はそのほとんどが農業以外の一般企業に対してである。
(2) 農中は、絵の下に描いてある農協・JAバンクが農家などに貸し付けした残りの余剰資金の「運用」に特化した組織で、上記(1)の一般貸付も、運用の一環であって、建前に書いてある「農林水産業者、農林水産業に関連する企業などへの貸出」ではない。
(3) しかもだ、農協・JA銀行の末端から中間まで、諸々の団体があり、上に上に資金を吸い上げるのだが、吸い上げのたびに「下」には利息の約束をする。その約束の層の最上部に農中が居て、農中は、下の層が約束した利息の出来上がり利息を毎年、下に戻すお約束を強いられるのだ。・・・通常の投資信託では、もちろん毎年毎年の投資パーフォーマンスも問われるが、とどのつまりは長い目で見たリターンが問われる。しかしだ、農中は、下に毎年「お約束利息」を出さないといけない。その重荷は日経報道が書いている通りだ。・・・要は、農協組織全体が、農中からのお約束利息に甘えた運営をしているのが、ずっと放置されているのだ。
・・・・という苦悩の重荷の中で、いつもいつも農中は無理な資産運用をするしかない。だから、結果的にこれからも損失を出し続けるだろう。
◆もういい加減に、この農中からのお約束利息への依存の、農協全体の甘えた構造そのものにメスを入れて欲しいのだが、農中は農水省と金融省の共管で、両方で無責任体制やっている。
・・・日経が明日以降、その辺にどう切り込んでいくのか見極めたい。  Nat

nikkei.com_paper-農中_page-0001

★ウン? 円安は米政府の企み??

★円ドルは、軽く157円台に。446670211_7663238093755361_6424500352817757320_n
・・・米国の消費心理が強いとのデータで、米国金利がまたちょっと上に戻したら、円ドルが又また過敏に反応して、157円に。
前に、訳知り評論家や財界人が、日本国への憂国の表情を浮かべながら「円安は日本の国力低下の表れだ!!」などと、トンでもないこと言うのに呆れてここにも書いた。
・・・円ドル為替レートを今決めているのは、ほぼ、日米金利差に立脚した金融市場の投機の動きの結果でしかない。
・・・米国がインフレ対策で高金利、日本がアベノミクス・黒田時代にデフレ対策でゼロ・マイナス金利にしたのから脱却できない。それだけの金利差があれば、円をゼロ金利で借りて、ドルに投資すると資金ゼロで儲かる、、、という金融投機の世界からの思惑、これが圧倒的なのだ。それで、更に「円は売られがち」、「ドルは買われがち」、「常に円安・ドル高圧力がある」と皆が思うから、あとは、理屈よりもだね、ただただ、短期的な市場投機プレヤーに翻弄されて、円ドルが上下動する、、、それだけの話だ。
・・・日本がゼロ金利から抜け出せないのは、ある意味で「日本の国力低下」ではあるから、その意味だけで「国力低下」云々というのは未だ許せるが、ありとあらゆる意味での日本の国力低下が今の「悪い円安」を生んでいる、という感じの論旨は、一見、憂国論で多くの人の共感を生むだけに、たちが悪い。
◆と思いながら、ネットを見てたら、武者氏という、いつも超頭デッカチな評論を書く人が、幻冬舎なるアウトサイダー系の出版社の運営しているTHE GOLD ONLINEに書いている。
・・・『円安は「日本がだめだから」ではない』・・・「ふむふむ」と思ったが
・・・その後に、「悪い円安」論は間違いで、今の円安は、日本がこれから大復興する印という。
・・・何を言うかと思ったら、日米金利は、米金利が下がり気味で、日本が上がり気味なのに、それでも円安が続くということは、他に根本原因があって、それは米政府の思惑だという。「中国・台湾・韓国という地政学的危険地帯に集中しているハイテク製造業の産業集積を安全な日本に移転するしかない、という覇権国米国の国家戦略遂行の手段が、この超円安の背骨にあると考えざるを得ない。」と言い、米政府が意図的に円安誘導し、日本への産業拠点のシフトを促進させようとしている、、、という話だ。お~~~お!!
・・・米国のQアノン等の「悪の勢力の陰謀」論を思い起こさせるような米政府陰謀論だ。実に荒唐無稽。そういう話を好む人にはいいが、真面目な国民には全く頂けない。
・・・円安は、ひとえに、金融市場の投機に翻弄されているだけである。今日の157円台は、その結果であって、誰の陰謀の結果でもない。
<武者氏の荒唐無稽な円安、米政府の思惑論>リンク

                       Nat

★また、JREが・・・

★JRE(JR東日本)の”経営”方針につき、「全くの勘違い」だろうと、前に書いた:拙文1

1)少子高齢化で人口減・縮小市場なのに、いまだに高度成長期の「顧客囲い込み=シェア争い」ゲームと勘違いしている
2)更に楽天銀行の銀行機能を取り込みJRE Bankなる銀行ビジネスまで夢想している。後発のネットっぽい銀行サービスを今さら、JREの顧客にポイントなどバラまいて費用かけて顧客集めても、絶対元とれないのに。
◆ と思っていたら、今朝の日経新聞に、また報道。
・・・まず、JREグループのバラバラなIDを一つに集約するという。1)の「顧客囲い込み=シェア争い」という時代錯誤的ゲームだ。元々、バラバラはナンセンスだったのだろうが、今さら集約だって・・・あ~あ、コストばかり掛かって無意味。(これからは顧客の購買情報利用は大きな制約を受けるからね。)
・・・そして、IDのポイント関係では、「ポイント経済圏」なるものの、消耗戦的虚しさについては、別途、私が以下の文を書いているのだが、(しょうがないが)、読んでくれてないな!?拙文2

◆ でもね、2)の銀行サービスの愚かさの方は、「今後、詰める」とあるので、もしかしたら、自分でも「ホントにいいのかな?」との迷いでもあるのか??? 迷ったら、直ぐヤメナサイ!!
・・・言っちゃ悪いが、企業戦略の基本が全く身についてない!それというのも、「経営者」ではない「組織ムラ年功序列の上層部」が多いから、こうなるのだろう。   Nat


nikkei.com_paper-1

米国の創り出した永遠のジレンマ:「北京と台湾」

★ 台湾の頼新総統の「台湾と中国は互いに隷属しない」発言で、中国が猛反発、台湾を囲む軍事演習で威圧している。
・・・頼氏は嘗て「台湾独立工作者」を自称していた。しかし、近年は「台湾は既に独立国家であり、改めて独立を宣言する必要はない」と語り、今回の就任演説でも「既に独立国家」との認識を示した形だ。「二つの中国」という言い方では、更に挑発的になるが、実質「二つの中国」宣言でもある。・・・当然、中国は激憤する。
◆その北京中国共産党政権だが、「祖国統一」と言い、「もともと中国の一部であった台湾が、日本領にされ、戦後も蒋介石国民党政権が台湾に逃れ、それを毛沢東共産党が撃ち漏らしたままの超悔しい状態にある」とのポジションを取っている。
・・・しかし、何度も書いてきた通り、17世紀までは台湾は中国の埒外の島であったし、その後、オランダが支配、それを、1683年に清朝が征服してその後200年の間、一応統治した形だ。しかし、その後1895年、清は戦争で日本に負け、台湾を日本に割譲、更に戦後に蒋介石が支配する。となると、北京としては、19世紀以降の日本、蒋介石という経緯については如何にも悔しいのであろうが、北京が「もともと中国であったものを取り返す」と主張することには異論も多い。
◆そして、その異論の最たるものが、台湾の人たちの異論である。元々は台湾は台湾であったものを、清国に無理やり征服され、その後、日本になり、それが戦後、蒋介石政権に返還されたのであって、そもそも北京共産党政権は一切、台湾に関係ない!!という立場だ。そして、それには客観性がある。・・・だから、頼総統の言うように「元から、台湾は台湾」なのである。
◆ しかし、1971年以降、世界の大勢としては、今の北京政府の言う「一つの中国」主流になってしまっているのも事実だ。そして、それを主導したのが、他ならぬ米国なのだ!!
・・・1971年、米国のキッシンジャー代表が電撃北京訪問。実質、北京政府の中国との国交正常化、同時に実質、国連から台湾(中華民国)を“追放”したのである。国連の1971年の通称アルバニア決議:「中華人民共和国の合法的権利を回復させる」「中華人民共和国政府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表であり、中華人民共和国が国連安全保障理事会の5つの常任理事国の1つであることを承認する」「蔣介石の代表を、彼らが国連とすべての関連組織において不法に占領する場所からただちに追放することを決定」である。・・・米国は、自国と台湾とのプライべ―トな取り決めとしては「1979年台湾関係法」で台湾の防衛支援する立場を維持しつつ、国連リーダー国としては、台湾を国連・世界政治から追放したのである。戦争を共に戦ってきた仲間の蒋介石台湾を見限って、、である。

・・・なぜ、このようなダブルスタンダードの対応をしたのか?・・・言うまでもなく、覇権を強めてきていたソ連に対抗するため中国と組みたかった。あと、後に鄧小平が明確化する開放政策で花開くが、人口約9億人の中国が今後米国の市場として重要度を高めていくとの見立てをしたのだ。そのため、中国と手を組み、一方で、人口1400万人の小国台湾は防衛しつつも、国連・世界政治の場からの追放を容認したのだ。そして、米国は、蒋介石の死去した1975年のあとの1979年に米中国交回復を正式に成立させている。ソ連に対抗するためと、大市場になる中国から利益を得たいということで、中国との関係を優先した訳である。
◆ しかし、21世紀になり、状況は全く変わってきている。
・米国が中国と組んだ大きな理由のソ連はとっくに崩壊した。
・中国が覇権を強め、更に、経済・ハイテックでも中国が米国の脅威になってきている。
・一方で、台湾はハイテック経済を振興し、世界に冠たるTMSC・鴻海などを擁するなど、米国の経済・ハイテックでも戦略パートナー化してきている。なんと、台湾はすでに一人当たりのGDPでは実質日本を追い抜きつつあるのだ。
・・・米国からすると、こうなるのが分かっていれば、1970年代に中国と手を組み始めるのは良くても、国連からの台湾の追放などやり過ぎだった、「一つの中国」問題でも米国は小ズルく実質ダブルスタンダードを維持してきているものの、今となれば、当時から、はっきり「二つの中国」にしていた方が、今ごろ米国の国策には資していたはず、というのが本音であろう。
・・・しかし、しかし、台湾は、国連から追放されて久しく、超強大覇権国家の中国が今「祖国統一」を強く打ち出す背景を作ってしまったのも1970年代の米国自身のエゴからなのである。しかし、もう1970年代には戻れない。永遠のジレンマのまま、どこまで今の「一つの中国」の「虚構」のままで誤魔化し切れるか?という問題設定になっている。
・・・永遠のジレンマというと、イスラエルとパレスチナもそうだ。米英の作りだしたジレンマだ。もう一つ、米国が作り出した永遠のジレンマが北京と台湾である。
・・・神さまから見ると、両方とも醜い人類の為せるわざであろう。  Nat

imagesダウンロード
記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

NAT

タグクラウド
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ