♪♪ NATの独り言 (心・ジャズ)

生きていく上で信じてること。大好きなジャズのこと等

2025年01月

★米航空機事故に絡むトランプ発言 - 単なる不規則発言ではないのだ!!

★米ワシントン近郊の航空機事故に関連、トランプ大統領が、「実は事故は管制塔を司る連邦航空局(FAA)のダイバーシティ(多様性)運動に根があるのではないか」と言う発言をしたことが問題になっている。7283960642173252248
・・・つまり、FAAが障がい者や非白人などの雇用・起用を重視し過ぎたことが、管制の専門的運営レベルを落とし、それが事故につながったのではないか、そして、そういう「多様性雇用」を推し進めてきたのは民主党の行き過ぎだろう、という見解だ。
◆ TV報道などだけをぱっと見ると、例により、トランプ大統領の、瞬間的な不規則発言と思えてしまい、「思っても、良くホントに口に出すよ」と反応しがちだろう。 
<NBCニュース> NBCニュース記事

◆しかし、しかし、上記NBCニュースの詳細解説を見ると、もう少し根は深いかも知れないと思う。
・・・同ニュースによると、今回の事故以前から、トランプは、FAAが障がい者の雇用・起用に注力し、また「白人比率が多すぎる」としてその是正を主張してれきたことに、強い疑問を呈してきていたことが窺われる。
・・・即ち、トランプは、事故以前から、民主党的な「人員の多様性」の重視が、米国のレベルを下げているという強い危機感を持っていたとも思われ、そう言う所に、今回の航空機大事故だから、「それ見たことか!」と指摘しているのだろう。そして、記者に「FAAの多様性プログラムが事故の主因とまだ解明されてないのに、どうして、そういうのか」と問われたのに対し、トランプは「It's common sense.」と答えている。まさに、トランプからすると、民主党の頭勝ちの人たちが、常識・良識的な世の運営を歪めていると強く憤っているのが背景であろう。
・・・要は、今回事故が、FAA/管制官の障碍者・非白人起用による質の低下によるものかは分からなくても、トランプは、世界・米国において、障がい者・少数者への過度の逆差別がものごとを歪めていると強く憤慨しているのだ。
・・・そして、これは大きい声で言いにくい懸念だから、大きい声で言う人は少ない、だから、トランプはそれを大声で言うのだ。
◆ これは、世界的に非常にsensitiveな問題だ。「障がい者、性的少数派、人種的少数派への不当な差別との戦い」 vs 「そのような運動の行き過ぎへの疑問呈示」 という構図だ。
・・・後者は一部の過激派以外は大声では言えないことだ。トランプは、そこに発生する不満に政治的に便乗するのが天才的にうまい。
・・・今回のトランプ発言は、そこだけ聞くと、トランプは「ヒドイ」「人格否定!」という印象になるし、また彼一流の「不規則発言」と思えるかもしれない。そして勿論、この事故の際に、これを言うトランプの人格は大問題だろう。しかし、しかし、これは単なる「不規則発言」だけではないのだ。トランプの確信犯的な問題提起なのだろう。
・・・そして、それはそのまま、Diversity, equity, and inclusion (DEI) を巡る、人類内部の極めて本質的な葛藤をモロに露呈している発言であり、深い難しい問題を含むことと捉えるべきであろう。  Nat

★トランプの脅し関税

★トランプ大統領のメキシコとカナダへの25%関税の件。
ロイター報道: 報道
・・・上記の報道からすると、トランプ政権の言っていることは以下であろう:
「メキシコとカナダが、①不法移民を止めるのと、②中国の合成麻薬フェンタニルが迂回して米国に密輸されているのを止めろ!! その期限が土曜日、2月1日、それまでに止めないと、両国からの輸入に関税を25%課す(カナダとかの石油は除外するかも知れんが)。2月1日にちゃんとやらないと、関税は25%よりもっと高くするかも知れん。」
・・・つまり、2月1日に実際に税関で25%が適用される実務手配をした、ということではなく、前からここで書いている通り、やはり全くの「脅し」である。
・・・実際に関税上げを実務上発効させるには、以下の条約や法令との関係での手順が要る:
(1) United States-Mexico-Canada Agreement (USMCA)で、関税上げをしない約束をし合っている問題:  同条約のArticle 32.2でguaranteeing each country the right to apply new tariffs for "the protection of its own essential security interests." とあるから、この条項に準拠して関税上げは出来るが、ホントに上げるに際しては、Article32.2発動の宣言手続きが要るだろう。
(2) 関税上げは、米国議会承認マター: これも前から評論されている通り、Section 301 of the Trade Act of 1974に準拠しthe International Emergency Economic Powers Act (IEEPA)ー国際的な非常事態宣言をすればいいと言われている。トランプは第一次政権の際に対中関税をそれで上げた。
・・・しかし、2月1日に本当に実務的に関税上げを発効させるためには、上記の宣言手続きをする必要がある。
・・・トランプ政権は、上記(1)(2)もまだ行う素ぶりは見せてはいない。今は、メキシコとカナダに①不法移民と②フェンタニル密輸を止める明確な決定を求めている、その返答期限が2月1日、、という脅し交渉をしているものであろう。・・・これ、当たり前かもしれんが、日本の報道では、恰も2月1日に関税アップみたいな雰囲気にも聞こえるので、念のため書いておこう。  Nat

★またトランプの取り巻きが、関税での米国インフレはナンセンスだ!と

★今朝の日経新聞に、米国の商務長官候補のラトニック氏(写真)が、トランプ政権の関税上げ政策に関連「インフレにつながるとの懸念はナンセンス、中国、インドも高関税だが、インフレになっていない」と反論したとある。download
・・・先日ここで書いたとおり、財務長官候補のベッセント氏も「関税上げても、ドルが強くなり、人民元が弱くなり、実質、中国側の負担になる」などという超苦しい屁理屈を述べている。
・・・トランプの高関税策(大半は脅しだが)に対して、民主党やマスコミがインフレになると強く批判するのを受けて、トランプの取り巻きスタッフは、色々苦しい言い訳を発するのに苦労しているようだ。ただ、トランプ熱狂支持派は、もうそれで即安心するのだろう。
◆ ラトニック氏が「中国、インドでも高関税だがインフレになってないから、米国でインフレになるというのはナンセンス」というのが「ナンセンス」である理由を、ザックリ書いておこう。
(1) 中国: 確かに2018年の第一次トランプ政権の高関税策への報復で、大豆や自動車などの米国からの輸入品に高関税を課した。しかし大豆はブラジルなどで代替、自動車はもともと中国国内に過剰な生産能力があった。だから、インフレになる訳がない。そして最近の中国は経済の歪みでデフレ圧が強い。一部に高関税課していてもインフレにならないのは当たり前だ。
(2) インド: インドは、トランプへの報復というより、特に2018年以降、Make in India政策で、スマートフォン、家電、自動車部品、電子部品、化学製品、玩具などについて、安価な中国製から国内生産を保護するために高関税を課してきた。しかし、それは、これらの商品分野で保護すべき国内メーカーがあるからである。高関税にしないと、国内メーカーが潰れて中国製がはびこる、つまり、市場価格は下落気味になるが、高関税により、従来の国内メーカーが保護され、従来の市場価格が維持された、つまり下落がなかったという構造。即ち、国内メーカーが充分あるので、インフレにはならないという話だ。
◆ しかし、米国の場合、ざっくり言って、インドと異なり、既に国内の多くの製造業が衰退、あっても鉄鋼のように老朽化してしまっており、インドのように「保護」対象というより、トランプ政権としては、人為的に無理にでも「再興」させるしかないという状況である。そういう状況で、輸入に高関税かけたら、存在しない国内製造業の保護にはならず、輸入品の関税分、市場価格が高騰するだけ、と皆が懸念しているのだ。
・・・ラトニック氏は金融系の富豪実業家だから、上記のような中国、インドの状況の専門知識があるかどうかわからないが、恐らく、トランプ同様のシンプル理解派なのだろう。「中国、インドでインフレになってないから、米国のインフレ、ナンセンス」でシンプルに済ませているのかもしれない。しかし、これは明らかに彼のナンセンスでしかない。   Nat

★埼玉の下水管老朽化による道路陥没事故 ・・・事故後の対応上の問題

★埼玉の下水管老朽化による道路陥没事故 ・・・事故後の対応上の問題
・・・昨日書いたとおり、以下の毎日新聞報道でも書いているとおり、今回の道路陥没は、全国で多数発生している事故である。年間2600件も、道路陥没しているのだから。
・・・ただ、今回の埼玉の事故の陥没は、規模、度合いは大きめであろうし、トラックが転落という人災を伴っているから、報道上、異常な事故のような印象も出ている。
・・・しかし、どうも下水管の老朽化というと、常に道路陥没を伴うことのようである。
◆そして、今回の事故への対応で問題は、以下の報道で書いているとおりの経緯にありそうだ:
①28日午前9時40分、陥没発生。まず地元の草加八潮消防隊が対応、穴の中で土砂が崩落し、隊員2人が負傷し、救急搬送された。
②午後4時過ぎには建設用クレーン2台でトラックをつり上げようとしたが、うまくいかず
③午後8時過ぎに別のクレーン2台でつり上げを試みたが、途中でワイヤが切れてしまった。
④日にちが変わって29日午前1時過ぎには2度目のつり上げとなったが、すぐ近くで別に直径約10mの新たな陥没が発生し、和食店の看板が倒れるなどして、作業は中断。
⑤午前3時にトラックの荷台部分だけがつり上げられたが、運転席は穴の中に取り残されたままだった。
⑥午後にさいたま市消防局の特別高度救助隊(さいたまブレイブハート)と東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が応援要請を受けて、現地入りしたが、新たな陥没やガス漏れなどの二次災害の恐れがあり、救助活動は難航するばかり。
・・・つまり、プロが到着したのは1日半経過し、陥没も大規模に広がってしまった後なのである。
<関連報道>報道

・・・上記報道記事にある通り、初期の間に、即、広域のハイパーレスキューを呼んでいれば、対応も違っていたかもしれないものを、「結局はメンツを重んじて、自分たちでやってしまおうとなってしまった。」ようだ。
◆年間2600件も起こる下水管老朽化による道路陥没だ。大規模陥没は多くなくても、他でもあってきたのだから、何よりも事故発生で即行うことなどを定めた「対処マニュアル」が徹底していて然るべきだろう。
・・・しかし今回の事故の場合、自元の消防員が穴を覗き込んでオロオロしていただけというから、陥没事故が問題というより、半分以上、事故後の対処の大失敗である可能性がある。
・・・こんな事故でも、「よそ者に相談したくない」、日本のムラ社会の問題が影を差すのか…と思うとやり切れない。 Nat

★米インフレは全てバイデン政権の失政というトランプ

★絶好調のトランプ大統領
・・・FRBに対しても「間違った金融政策がインフレを起こした」と批判。
・・・更に、本当に言いたいのはバイデン政権への批判だろうが、FRBを捉まえて「FRBがジェンダー、グリーンに時間を費やしたからインフレ」とまで言っている。
・・・トランプ政権になって、①グリーンを止めて国内の化石燃料を掘って掘って掘りまくり、②関税の脅しで通商を米国有利にすると、インフレは収まるというのがその主張だ。・・・ほんとは不法移民封鎖も政策なのだから、「不法移民と止めるとインフレは収まる」とまで言うと、完璧なんだが、流石のトランプも、不法移民の封鎖は労賃高騰のインフレ要因と分かっているのだろう。
◆ しかし、2000年以降の米国の急速なインフレの主因はFRBなりバイデン政権だったのか?? トランプがデタラメ言うのは勝手だが、我々は、日本・世界の経済理解にも繋がるので、適切に理解しておきたい。
(1) 私は、何といっても、インフレの圧倒的主因はコロナからの回復期の需給インバランスであると理解する。
・・・コロナで需要も急減、また諸物資の供給も止まったが、復活の段階で、当然、需要、供給がバランス良く復活なんてあり得ない。どちらが先行する。実際には、需要復活が先行したのだ。
・・・そしてそれに、ロシア戦争での供給混乱、OPECの生産調整などが重なったのだ。
・・・更に、コロナで移民が止まり、後の労賃高騰の素地を作る。
・・・斯く斯様に、主因はコロナとロシアであると考える。
・・・ただし、それを悪化させたかもしれないのが、トランプの批判するバイデン政権の2021年の1.9兆ドル規模の「アメリカン・レスキュー・プラン」)、それが結果的に需要刺激し過ぎたことと。同じく、コロナでの需要減の危機対応でFRBが超金融緩和政策(政策金利をゼロ近辺(0.00-0.25%)に維持し、QE(量的緩和)も実施)下、その効果が行きすぎた面は確かにある。
・・・しかし、トランプ政権も2020年にコロナ対策で、2兆ドル規模の刺激策(CARES法)を実施しているし、これらは「結果論」の様相が強い。あとで、結果論で批判するのは簡単だが。
◆以上から、私は、トランプが選挙の最中から、バイデン政権のアホ政策でインフレになった、自分はそれを元に戻す、と政治的発言してきており、今でも言っている、そしてトランプシンパがそれを信じている、それは勝手だが、事実はかなり違うと思っている。 Nat


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