最近、中国の南西部で2億2000万年前の「亀に進化する途中」の動物の化石が発見されたという、とても面白いニュースがあった。少なくともお腹の側には既に甲羅があるという。研究によると、肋骨が進化して板状になり、胸やお腹を覆うようになったものらしい。一方、背中側は、皮膚は相当硬くなってきているが、まだ甲羅はないという。お腹だけが甲羅になった亀というわけだ。
お腹だけを甲羅で覆った亀は、何がいいのだろう。中国の研究者は、それは多分、その亀が海などの水中を泳いでいる時に、弱い胸やお腹を、下側からアタックされることへの防備になったのだろうと推測している。また、そのことから、その亀は陸生ではなく水生と推察されている。そのうちお腹だけでなく、更に背中も覆った亀に発展したということなのだろう。あるいは、水生でお腹に甲羅をもった亀が、陸に上がり、そうなると、上からアタックされるのが多いので、こんどは背骨を発展させて背中の甲羅を作ったということなのかも知れない。
このように進化の途中の化石がみつかると、進化の過程が推察できて、非常にエクサイティングである。トカゲがどうやって鳥になったのかという問題については、前にも書いたが(注:2007年1月当ブログ)、これは亀以上に面白い。トカゲ(というか恐竜)に羽根が生えて鳥になったとして、その進化の途中はどうだったかという問題だ。前のブログでは、ほとんど途中がなく、一気に鳥になった可能性のほうを書いた。
しかし、漸次、今回の亀のように、鳥になったのかも知れない。先ずトカゲに毛が生えた。あるいは恐竜は元々大なり小なり毛が生えていたという説もある。毛がふさふさと生えたトカゲというのは何の意味があるのだろう? 一つは、当然保温。あるいは飾りという説もある。また、中には羽毛のような毛を広げて、滑走するような感じで走り、他の動物より速く走ることを目指したやつもいたという説もある。しかし毛は甲羅と違って化石で残らないので、そういう証拠はなさそうだが、もしそれが本当なら、この滑走するトカゲこそが鳥の前身であろう。滑走するうちに、手全体に羽毛を広げてより滑走性を高めると同時に、骨を空洞の軽量構造にし、更に空中に浮かべるようにした。その結果、しまいには、崖の上からグライダーみたいに空中滑走できるやつが登場し、ついには鳥になった。といった筋書きはあり得たかもしれない。しかし、このような「飛びかけ」の形態の化石がないから、分からない。私としては、空への挑戦だから中途半端な段階は考えにくいと思う。そこで、「一気に鳥になった」と思ってしまうのである。
そして、一気の進化のような、いわゆる「大進化」の場合、漸進進化のように自然淘汰原理だけでは説明しきれない。生命の中に、次の段階に進化する何か未解明の内在的な仕組み(あるいは外部からの未解明の働き掛けの仕組み)があってそうなった可能性は否定できないと思う。しかし、それを「神の手」といって終わりにするのでは科学は進歩しない。科学者頑張れ。私の生きている間に、解明してちょうだい。 Nat
お腹だけを甲羅で覆った亀は、何がいいのだろう。中国の研究者は、それは多分、その亀が海などの水中を泳いでいる時に、弱い胸やお腹を、下側からアタックされることへの防備になったのだろうと推測している。また、そのことから、その亀は陸生ではなく水生と推察されている。そのうちお腹だけでなく、更に背中も覆った亀に発展したということなのだろう。あるいは、水生でお腹に甲羅をもった亀が、陸に上がり、そうなると、上からアタックされるのが多いので、こんどは背骨を発展させて背中の甲羅を作ったということなのかも知れない。
このように進化の途中の化石がみつかると、進化の過程が推察できて、非常にエクサイティングである。トカゲがどうやって鳥になったのかという問題については、前にも書いたが(注:2007年1月当ブログ)、これは亀以上に面白い。トカゲ(というか恐竜)に羽根が生えて鳥になったとして、その進化の途中はどうだったかという問題だ。前のブログでは、ほとんど途中がなく、一気に鳥になった可能性のほうを書いた。
しかし、漸次、今回の亀のように、鳥になったのかも知れない。先ずトカゲに毛が生えた。あるいは恐竜は元々大なり小なり毛が生えていたという説もある。毛がふさふさと生えたトカゲというのは何の意味があるのだろう? 一つは、当然保温。あるいは飾りという説もある。また、中には羽毛のような毛を広げて、滑走するような感じで走り、他の動物より速く走ることを目指したやつもいたという説もある。しかし毛は甲羅と違って化石で残らないので、そういう証拠はなさそうだが、もしそれが本当なら、この滑走するトカゲこそが鳥の前身であろう。滑走するうちに、手全体に羽毛を広げてより滑走性を高めると同時に、骨を空洞の軽量構造にし、更に空中に浮かべるようにした。その結果、しまいには、崖の上からグライダーみたいに空中滑走できるやつが登場し、ついには鳥になった。といった筋書きはあり得たかもしれない。しかし、このような「飛びかけ」の形態の化石がないから、分からない。私としては、空への挑戦だから中途半端な段階は考えにくいと思う。そこで、「一気に鳥になった」と思ってしまうのである。
そして、一気の進化のような、いわゆる「大進化」の場合、漸進進化のように自然淘汰原理だけでは説明しきれない。生命の中に、次の段階に進化する何か未解明の内在的な仕組み(あるいは外部からの未解明の働き掛けの仕組み)があってそうなった可能性は否定できないと思う。しかし、それを「神の手」といって終わりにするのでは科学は進歩しない。科学者頑張れ。私の生きている間に、解明してちょうだい。 Nat