11月11日・12日の当ブログで普天間移設問題について書いた。その時は、どうせ現案の辺野古に移設するしかないだろうゆえ、暫く代案を検討する政治的プロセスを入れつつ、国防について皆で考える機会になればと述べた。ところが結局、普天間問題は「暫く」ではなく越年し、5月まで検討することとなってしまった。1月24日には、現案での移設受入れ先の辺野古のある名護市の市長選挙があり、受入れ反対派の新市長候補(民主党など推薦)が勝ちそうな気配もある。そうなれば、本当に辺野古案の実現は困難になるだろう。その場合、米軍の海兵隊ヘリコプター基地はどうなってしまうのだろう?
このことを少し皆さんと一緒に考えたい。そもそも米軍にとって、海兵隊のヘリ部隊は本当に沖縄に基地を持たねばならないのか、それともグアムでもいいのか? この根本問題が、実は国民には明らかにされてない点が大問題であると思う。私の表面的理解であるが、結論的には米軍にとっては、極東・アジアへの海兵隊展開上は、?ヘリ部隊含めて全てグアム集中と、?沖縄/グアム の二箇所に分かれるのとは一長一短。結局は日本からどれくらいの財政援助が出るかによって選択が変わってくるというのが本音ではないだろうか。
11月11日・12日の当ブログ記事以降の11月26日に、普天間のある宜野湾市の市長が米軍の資料を使って主張声明文を出した。その要旨は、沖縄海兵隊のグアム移転に関する2006年の日米合意で、そもそも海兵隊の司令部だけではなく多くの部隊がグアムに移転することが合意されており、今回辺野古への移設が問題になっているヘリ部隊もグアムに移設することで本来問題はない筈ということだ。
どうも、この辺を辿ると、海兵隊ヘリ部隊を沖縄内に留め、且つ、ヘリパッドに留まらず、ついでに2500mの大滑走路つきの新基地を辺野古に作るという現在の案も、実は米国の希望というより、日本側の思惑でそうなった面が否めないようなのだ。その説によると、そもそも米軍は沖縄の海兵隊の全てをグアムに移転することが基本構想であったところが、日本側(自民党と地元の建設業勢力、及び、さびれつつある名護市に基地を誘致しようという勢力)の思惑から、海兵隊の一部に名護市に残留してもらい、しかも大滑走路もある大きな新基地を誘致、それで5000億円から1兆円とも言われる公共工事を沖縄に呼び込むことを画策した結果とも言われる。
一方、米国は米国で、日本に新しい基地が出来ることで、駐留米軍へのいわゆる「おもいやり予算」(駐留費用を日本が負担)を確保でできる。更には、実はこれが米国の最大の眼目のようだが、グアムへの海兵隊移転費用(7000億円とか)を日本に負担させられる。というのは、そもそも米海兵隊が沖縄からグアムに移転するのは、沖縄の人への人道的配慮からではなく、米軍配置の世界的再編の一環からそうなるのであるが、その移転費用を日本に負担させたいことから、日本・沖縄との取引の形に持ち込んだということだ。その結果できたのが2006年のグアム移転に関する日米合意。その合意パッケージに、日本側の思惑である、海兵隊の一部(ヘリ部隊)を沖縄辺野古に残し、そのためという建前で新基地という大プロジェクトを呼び込む、このことも含まれたという解釈があり得るのである。
この解釈が正しいとすると、2006年日米合意は、米国の打算と日本のある勢力の打算のやりとりの末の微妙な取引パッケージであるので、辺野古新基地だけを外すとパッケージ全体が崩れる恐れがあるということなのだ。米国にとって、今回の鳩山政権の「見直し」の最大の懸念は、多分、海兵隊本体のグアム移転の費用7000億円の日本政府負担までが見直しになることだろう。(逆にいうと米国に対し「7000億円はきちんと出します・・おもいやり予算もきちんと出します・・・だから、ヘリ部隊はグアムに行ってください・・」というと、案外通るかも知れない。違うだろうか?)
上記の構図は本当に正しいか分からない。しかし、要は、米国も、日本のこれまでの関連勢力も、日本の国防・安全保障のためのベストは?等という観点は殆どなく、利権や財政負担への思惑からの打算的政治合意をしてきただけかも知れないということだ。ここに鳩山政権が、「真面目」に、かつ超ナイーブにチャレンジしているという構図だろう。しかし、それも沖縄県民へのポピュラリズムであって、日本の国防・安全保障論はそこには全くない。 ああ、日本、どこへ行く? Nat
このことを少し皆さんと一緒に考えたい。そもそも米軍にとって、海兵隊のヘリ部隊は本当に沖縄に基地を持たねばならないのか、それともグアムでもいいのか? この根本問題が、実は国民には明らかにされてない点が大問題であると思う。私の表面的理解であるが、結論的には米軍にとっては、極東・アジアへの海兵隊展開上は、?ヘリ部隊含めて全てグアム集中と、?沖縄/グアム の二箇所に分かれるのとは一長一短。結局は日本からどれくらいの財政援助が出るかによって選択が変わってくるというのが本音ではないだろうか。
11月11日・12日の当ブログ記事以降の11月26日に、普天間のある宜野湾市の市長が米軍の資料を使って主張声明文を出した。その要旨は、沖縄海兵隊のグアム移転に関する2006年の日米合意で、そもそも海兵隊の司令部だけではなく多くの部隊がグアムに移転することが合意されており、今回辺野古への移設が問題になっているヘリ部隊もグアムに移設することで本来問題はない筈ということだ。
どうも、この辺を辿ると、海兵隊ヘリ部隊を沖縄内に留め、且つ、ヘリパッドに留まらず、ついでに2500mの大滑走路つきの新基地を辺野古に作るという現在の案も、実は米国の希望というより、日本側の思惑でそうなった面が否めないようなのだ。その説によると、そもそも米軍は沖縄の海兵隊の全てをグアムに移転することが基本構想であったところが、日本側(自民党と地元の建設業勢力、及び、さびれつつある名護市に基地を誘致しようという勢力)の思惑から、海兵隊の一部に名護市に残留してもらい、しかも大滑走路もある大きな新基地を誘致、それで5000億円から1兆円とも言われる公共工事を沖縄に呼び込むことを画策した結果とも言われる。
一方、米国は米国で、日本に新しい基地が出来ることで、駐留米軍へのいわゆる「おもいやり予算」(駐留費用を日本が負担)を確保でできる。更には、実はこれが米国の最大の眼目のようだが、グアムへの海兵隊移転費用(7000億円とか)を日本に負担させられる。というのは、そもそも米海兵隊が沖縄からグアムに移転するのは、沖縄の人への人道的配慮からではなく、米軍配置の世界的再編の一環からそうなるのであるが、その移転費用を日本に負担させたいことから、日本・沖縄との取引の形に持ち込んだということだ。その結果できたのが2006年のグアム移転に関する日米合意。その合意パッケージに、日本側の思惑である、海兵隊の一部(ヘリ部隊)を沖縄辺野古に残し、そのためという建前で新基地という大プロジェクトを呼び込む、このことも含まれたという解釈があり得るのである。
この解釈が正しいとすると、2006年日米合意は、米国の打算と日本のある勢力の打算のやりとりの末の微妙な取引パッケージであるので、辺野古新基地だけを外すとパッケージ全体が崩れる恐れがあるということなのだ。米国にとって、今回の鳩山政権の「見直し」の最大の懸念は、多分、海兵隊本体のグアム移転の費用7000億円の日本政府負担までが見直しになることだろう。(逆にいうと米国に対し「7000億円はきちんと出します・・おもいやり予算もきちんと出します・・・だから、ヘリ部隊はグアムに行ってください・・」というと、案外通るかも知れない。違うだろうか?)
上記の構図は本当に正しいか分からない。しかし、要は、米国も、日本のこれまでの関連勢力も、日本の国防・安全保障のためのベストは?等という観点は殆どなく、利権や財政負担への思惑からの打算的政治合意をしてきただけかも知れないということだ。ここに鳩山政権が、「真面目」に、かつ超ナイーブにチャレンジしているという構図だろう。しかし、それも沖縄県民へのポピュラリズムであって、日本の国防・安全保障論はそこには全くない。 ああ、日本、どこへ行く? Nat