先進国が行き詰まってきている。トランプ現象、英国のEU離脱と欧州のジリ貧化。日本の若い世代の貧民化。これら先進国の行き詰まりの根本原因は、途上国の人口急増が世界を歪め、そのシワ寄せが先進国におけるデフレ、高失業率を生んでいることにあると思う。

 世界の人口は1990年位で50億人超。それが10年ごとに10億人増加し今や70億人。2050年には90億人になる。このうち、先進国人口は12億人程だから、途上国の人口が急増、1990年位で40億人だったのが、今60億人、2050年に80億人となる。

 途上国の急増する人口を食わすには、穀物自給では追い付かないから、どうしても、先進国から援助するか、途上国の低賃金労働に生産シフトして所得移転するか、難民・移民を先進国が受け入れるかしかない。要は、先進国が、急増する途上国人口を食わすしかない。その比率が、昔は先進国の1人に対して途上国4人だったのが、今や1人対6人、将来は8人になるから、先進国も流石に、途上国を支え切れなくなっているのである。

 この解決策の一つは、トランプのように、途上国を見殺しにし、先進国だけで生きる道。しかし、それが人類としては許容されないとすると、70億人、80億人全体で、全員が共倒れにならないようにどう生きるかだ。

 これまで人口急増はアジアとラテン米だったか、今や中東・アフリカ。だから、国連レベルで中東・アフリカに、膨大な規模の海水の淡水化プラント、ロボット工場的な穀物生産工場を多数設立し、中東・アフリカの貧民に食料として供給する。つまり、先進国の資金を国連レベルで集中投下し、形の上では途上国が「自活」できる形に持って行かない限り、極低賃金労働で先進国労働者から仕事を奪うか、先進国に難民大量流入といった問題はいよいよ深刻化するだろう。それが、今は対症療法しかしないから、却ってそういう問題が広がるのである。それでトランプ氏のような極論が出てくるのである。

 そろそろ、人類最大の問題である途上国の人口爆発は、待ったなしだ。私はそう思う。 Nat