★日本にいると、カトリック・プロテスタント合わせた広義のキリスト教の人の人口が10数年前は215万人ほどいたのが、今や180万人程に漸減し、いよいよ勢いがないので、世界でもイスラム等に押されて衰退気味か?と思うと実は違う。

● 現在の宗教別人口で言うと、キリスト教22億人、イスラム15億人、ヒンズー9億人で、まだキリスト教が一位である。しかし、特にイスラムは人口増加地域に多い事から、横這い基調のキリスト教に追いついて来るのは間違いない。
● しかし、イスラムの増加率年1.5%とかいうのは人口比例の自然増でしかない一方、人口よりも伸長している宗教がある。それがEvangelical protestants(福音プロテスタントのキリスト教)だ。米・英・ラ米などで、カトリック、あるいは伝統的主流プロテスタントからの転向で、年率2%超の勢いで増えている。そして、Pentecostalと言われる一派も入れて、その人口は8.7億人、キリスト教人口22億人の4割になり、増加中である。
● 前にトランプ大統領との絡みでここに書いた通りだが、個々人が霊的に生まれ変わり人生が変えられていくという、信仰の、即ち、聖霊の働きによる「積極的な個々人の人生への影響」を信じ喜ぶ、そして傾向として聖書の字句通りの信認も特徴。これが、知的に偏するこれまでのキリスト教とは違う、強いアピールをもっているのだ。
● 前にも書いた通り、日本の戦後は、法華経系宗教が、福音プロテスタントと同様に「信心の霊的なインパクト」を説き、日本で圧倒的に伸長してきた。それに対し、特に戦後の日本のキリスト教は、本来霊的な面のあった信仰を、極力「知的世界観」と両立するように「洗練化・知性化」した分、パワーがなくなり、法華経系に全く敵わぬまま衰退の道を辿っている。
● 一方、上記の通りの、米・英・ラ米の福音プロテスタントは、信者の心を強く掴み、一国の政治も動かす大きな潮流になってきている。日本と真逆。
● ということで、前にここにも私のBlog(Natの独り言:今年の3月)にも書いたが、日本のキリスト教も(1)教会への敷居をうんと下げる、(2)「霊的な要素」を知的に避けず真正面から向き合っていく、(3)最大の「売り」である人間神=イエスキリストをもっと前面に出す、という風に、もう一度「宗教改革」しないと、現在の衰退は止まらないように思う。   Nat