★2011年に始まった、シリア内戦。もう10万人以上の子どもを含む市民が犠牲に。そして、反政府派の居る東グータ地区に、ついにはアサド政権は化学兵器を投下。
● それに対し、昨日ここで書いた通り、米英仏は、そもそもシリア問題からは実質逃げているが、化学兵器使用に対しては、米英仏それぞれの国内向けの抗議の政治的パーフォマンスとして空爆をした。しかし、もう空爆をしたので、それで終わり。ISも弱体化した今、米英仏がこれ以上シリアに関与することもない。
● 一方で、この記事(クリック)が大変痛ましく描いている通り、世界の関心も、もはやシリアから離れてきている。今回の化学兵器での赤ちゃん等への被害については、私を含めて、そして米英仏政府も、一瞬、強く反応したが、それも一瞬だけだ。化学兵器を使わない限り、アサド政権がシリアで爆弾で子どもを殺すだけなら、我々の関心はもう麻痺している。・・・恐らく、アサドの化学兵器使用の狙いは、そこにある。化学兵器さえ使わない限り、もう、アサドがどんな暴虐をしても、世界は実質、それを放置するということだ。
● 本年2月の国連の一時停戦決議。一応、ロシアも参加した決議だが、みえみえに虚構。結局、一切停戦されず、今日に至る。 国連も無力。米英仏もやる気も関心もない。世の人の関心も薄れた。
● しかし、実は、世界のシリアへの関心が完全になくなることこそが、シリア内紛を最も早く「終了」させることに繋がるという、強烈な皮肉がある。米英仏・国連、世界が、今の「関心薄れた」のをもっと徹底して、完全に忘れ、アサドとロシアに、シリア全土完全支配への思いを早く遂げさせる。実は、これから、市民・子どもの虐殺数を最小に抑える為の最良の手段は、これなのである。そこに今の人類の悲劇的な限界がある。 Nat