★日経新聞が福島原発廃炉は結局、「石棺方式」しかない可能性について書いた。これ、結構画期的であるとの気がする。

●前からここで何度も書いてきた通り、デブリの取り出しには困難を極める。もし全部取り出せたとしても、福島原発の場所以外に保管・処分できる場所は、政治的にあり得ない。だから、結局、チェルノブイリがそうせざるを得なかったように、原発そのものを石棺で覆って、いつの日が人類がそれに対処できるようになる遠い将来まで問題先送りしかないだろうということだ。

● しかし、今日の日経記事が触れている通り、2016年に廃炉等支援機構がそのレポートで正直に石棺の可能性に触れたところ、福島住民としては、政府・東電が「完全更地」にまでしてくれると信じているのに、それを裏切ることになるとして、「石棺」は政治的タブ―とされ、それこそ ”封印” されたのである。

● それを日経の科学技術欄であり、また、原子力学会が今年の夏に石棺を含めた「そろそろ本音の最終プラン」につき報告するとの、学会段階の動きの報道に過ぎないが、日経がタブーを破り、「石棺」に触れたのは前進だろう。

● 浪江町などの周辺地域では、帰還、町の再建に向けて住民の方が努力されている。国・東電としては、もちろん「更地」化もギブアップしない姿勢も必要だろうが、結局、石棺にして、これからずっと「化け物福島原発の遺骸」と一緒に生きていくしかないケースがあり得ることを、しっかり正直に話すことももっと必要であろう。    Nat