★新デジタル ”世界” 通貨のリブラ。・・・昨日の続きで、もう一言。 まだ率直に言ってザックリ思考の域だが・・・

● 世界通貨にするためもあって、ドル・ユーロ・円ミックスを裏付けとしたデジタル通貨にする方針(注:先ほどの報道では世界各国の支持を得るため広範囲な国の通貨のミックスにするとの軌道修正検討中のようだが・・)であるが、思考実験の為、リブラ管理組合が、デジタルドル、デジタル円などを発行するケースで考えたい。(注:中国は自分でデジタル人民元の発行を検討しているらしいが・・)

● ドルの発行は米国、そして円の発行は日本、それぞれの政府が発行の専権を持っている。リブラのデジタルドル、デジタル円は、これに真っ向から歯向かうものか?というと、米国政府、日本政府が発行したドル、円の流通しているものの相当部分を裏づけ資産にしたデジタル通貨にするのであって、「新たなドル・円の発行」をする訳ではない。この点が第一点。但し、流通しているドル・円の巨大な部分の「管理」を握られるとの不安が国家側にはあろう。

● また、そもそも従来から、ドル・円といっても、発行された紙幣・貨幣、そのものが流通している面よりも、それを銀行に預け、銀行が帳面上の「数字としてのバーチャルなドル・円」を管理していて、人々は銀行に管理してもらっている「バーチャルなドル・円」を決済したり金融しているだけだ。
⇒ ⇒ とすると、リブラの本質は、既に、紙幣・貨幣が「銀行管理のバーチャル通貨」になっていたのを、紙幣や銀行預金通帳よりも更に偽造の極めて困難なデジタル(仮想)通貨技術による「次世代バーチャル通貨」に進化させるものだ。
⇒ ⇒ つまり、ハイテックのお蔭で、最早、銀行システムに依存不要の「次世代バーチャル通貨」に置き換えるというのが、リブラ式のデジタルドル、デジタル円の本質であろう。

● 即ち、リブラの意味するものは、上述のとおり、発行済みの通貨を従来から銀行がバーチャル仮想していたのを、ハイテック仮想に置き換えることだから、
(1)本質的には国家の通貨発行権へのチャレンジではなく、
(2)より本質的には、専ら、国家が実質的に規制により、かなり管理していた銀行システム、これを、全く別のハイテックの運営機構に置き換えるということだろう。そして、それへの反発・不安が出ている。そういうものと思われる。

● 余りいい譬えかは、分からぬが、インタネットが広がると、郵便や本屋さんの本という旧い社会体制が崩れると反対するのと似ていると思う。人類はいつか、必ず、ハイテックの革新に進むと思う。  Nat